2012年度余暇政策論

担当教員によるコメント

 

(各タイトルをクリックすると各レポートが提示されます)

 

 

 氏 名

テ ー マ

川口優

「青春18きっぷを利用した余暇とその課題」

確かにお得感はあるものの、出費に見合ったサービスの対価には限界があり、使いづらい面が指摘されている。鉄道利用に限らずサービス内容が短命に終わる傾向の中で、ロングセラーとなっている魅力がよくわかる。

村川静香

「青森ねぶた祭りを本当に楽しむために」

祭りをコアに関連のグッズや物産などへと観光資源が広がっている。祭りへの参加をめぐる秩序維持には条例を通じた一定の規制も不可欠であることがわかる。

鈴木康大

「南三陸町の復興と観光について」

「福興市」や「学びのプログラム」の継続性が課題だ。しなやかな感性を持つ若者世代が中心になって、物語性のあるブランドを地域に根付かせてほしい。

赤塚諭

「茨城空港にみる地方空港の赤字解消のための経営戦略」

利用便数の制約と新幹線との競合という二重の課題に直面しつつも、空港の副次的利用に活路を見出している事例を挙げている。拠点空港との「棲み分け」や交通アクセス改善の指摘に加えて、空港を基盤とした「非航空」経営戦略の重要性を説く好レポート

匿名01

「余暇における外食産業と、問題点について」

客層の類型化が興味深い。そして、飽和状態、コスト削減、スタッフの身分などを挙げ、「労働に見合った報酬」となっていないと指摘する一方で、この業界特有のビジネスチャンスにも言及する。現場に身を置く視点からの考察が記述の迫力をもたらしている好レポート

渡邊美咲

「余暇時間における非営利目的活動による社会貢献―フィルムコミッションの取り組みと市民参加―」

三者三様の目的が達成される役割相乗型の機会となっているのがわかる。「自分の理にかなった形」が長続きの秘訣なのだろう。活動の原動力は何かを真摯に追求した好レポート

西川明子

「福祉観光の発展〜ともに楽しみたい〜」

電子媒体の進展は今やバリアフリーを情報面から支える上で欠かせないものとなった。謳い文句と実際との乖離、経営面と行政支援との融合、共助と公助の均衡のあり方などについて考えさせられる好レポート。                                                                                                                                                             

津島萌

「余暇におけるテレビ鑑賞が我々に与える影響」

アンケート結果を丁寧に読み解こうとしている。「生命の終焉に関連する映像」や「言葉の暴力」が溢れる番組に私たちは影響されると同時に、無意識のうちにそれらをテレビに求めているのかもしれない。

中村安彦

「テレビを巡るビジネスモデルの岐路」(紙媒体)

広告費の減少は民放にとって死活問題であることが、ネット関連の広告費増加との対比でよくわかる。有料放送の根幹を崩すような抜け道行為も脅威である。新たな電子媒体はテレビを駆逐してしまうのであろうか。

10

呉晶

「余暇活動----観光レクリエーション活動」

余暇活動の対象領域はどんどん拡大しているのかもしれない。観光学という学問領域があるように一口い観光といっても、そこには広大・深遠かつ多様な世界が広がっている。

11

磯野夏美

大子町内の廃校活用事業について

過去10年間の廃校数の多さに驚いた。しかし、転用に活路を見い出そうとしている事例が挙げられる。課題はいかに一過性を克服し事業として継続できるかにありそうだ。

12

新垣花苗

「余暇におけるカフェ〜その魅力と可能性〜」

目的の共有という点では「読書カフェ」と「キャリアカフェ」も同じ交流空間なのであろう。ハード面での重要性は軽視できないものの、そう考えると○○カフェは無限大に存在するのではと思わされる。

13

中村友美

ティーブレイク〜イギリス人と紅茶の付き合い〜」

どんな国にも、イギリスの紅茶に代わる息抜きやリラックスのための知恵の飲み物があるのだろう。味の工夫にもそれらを楽しむ室内空間の様式などにも国民性が表れそうだ。

14

宮武佳代

「地域/世界へ広がる日本アニメの可能性―『サマーウォーズ』を例に―」

アニメを通じ地域資源が再認識される好レポート。日本文化の世界への発信が留学生を引きつけ、世界のアニメファンの高評価も揺るがない。ただし、今後の競合をめぐる展開は不透明だ。

15

阿久津美也

「動画投稿サイトにおける問題点と今後の有用性について」

今やあらゆる領域にしかも猛スピードで浸透しており、発信者の敷居を極端に下げたという点でも、歴史上も画期的な媒体の出現である。同時に危うさを抱えることも事実である。一人一人が向き合い方を問われる多難な時代の到来ともいえる。

16

伊藤楓

「スターバックスという空間で」

飲料をコアにした関連商品やイベントなど、ハード・ソフト両面の浸透や広がりが興味深い。国内店舗数がそのことを物語っている。既に広告活動ではソーシャルメディアの活用が不可欠になっている。

17

高橋香奈実

「任天堂DSソフトから分析する企業戦略と余暇」

ターゲットを絞ったソフト開発、工夫された標語、ハイテクの極まったソフト、凝ったパッケージ、おしゃれな外観など、他業種にも当てはまりそうな開発・販売戦略がここに極まったという感じだ。

18

橋本薫

Twitterを活用する企業」

RTは企業の宣伝にもはや欠かせなくなっている。見方を変えれば消費者が企業に代わって宣伝してくれるということか。結局のところ、利用者側の知恵が試されているのだろう。

19

氏家祐太

「オンラインゲームとの付き合い方」

優れた娯楽性と中毒性は表裏一体なのだろう。過剰な購買意欲促進と金銭感覚マヒもその通りであろう。優れた「コミュニケーションツール」を通じて楽しむ娯楽行動だからこそ備えとバランス感覚が不可欠だと主張する好レポート

20

亀山由利

「お取り寄せについての考察」

専門サイトの誘因力と同時に「充実しているのはネットの中だけ」になりうるという指摘が興味深い。生産者から直接話を聞いたことで問題意識の枠が広がった。

21

中條玲

「宝塚歌劇とマーケティング」

ファンを満足させ人気を維持し続けるための組織の経営努力は並大抵なものではない。他の劇団との差別化はファンサービスにも反映されている。震災後の募金活動もその延長上にありそうだ。

22

匿名02

「余暇と趣味の関係の考察」

論考のキーワードには「充足」「満足感」「時間と精神の余裕」「気分転換」などが挙げられる。果たして余暇と「本業」の関係はシーソーの関係にあるのか、それとも両者の相乗効果を発揮できる関係にあるのか。

23  

上田圭介

「イベント会場から見えてきた第三セクター、箱物行政の課題」

運営をめぐっては成否が紙一重の「諸刃の剣」であると指摘する。景気後退やバブル崩壊といった時代的趨勢に責任を帰すことはしないで、設立と運営を成功させる処方箋を個別事例に沿って追求していくべきであろう。

24

石橋皓

「来場者の満足度向上を目指すユニバーサルスタジオ・ジャパン」

テーマパークの設立と運営には数々の鬼門があるのだろう。それらから後退するのか克服するのか、また、内々にではなくオープンに改善していけるのかが復活・成長のポイントなのだろう。

25

古谷亜衣

「余暇と観光〜東京スカイツリーが日本にもたらす影響〜」

新しいマーケット空間には来場者を引きつける多様な仕掛けがあふれる一方で、課題も顕在化してきた。課題の克服こそが本当の意味での魅力空間を増すことにつながるのだろう。

26

金子有里沙

余暇の質と労働条件の関係

スタッフが仕事にやりがいや楽しみを見出す頻度をいかに高めるか。そこに組織経営の成否が掛かっているのだろう。その意味でディズニーは勝ち組の先頭を行っているのでは。

27

栩内柚佳里

「ロックフェスティバルが社会や人々に与える影響について―被災地復興に取り組むものを中心に―」

復興に関わる人々を鼓舞し勇気を与え、行動に向けて背中を後押しする卓越したパワーと、人々が非日常の共有空間へ集積することの魅力が読み手に伝わる好レポート

28

武藤紫帆

「東京ディズニーリゾートにおけるテーマパーク事業」

進化の裏側は立ち止まることが許されないということだが、だからこそ膨大な数のリピーターが存在するのだろう。しかもそれは家族単位で見ても子ども世代へと代々伝わっていくようだ。

29

菊地裕美香

「日本のディズニーリゾートから学ぶ接客業」

ハード面だけでなく、ソフト面の接客一つをとってもその徹底ぶりは半端ではない。その背景には、この国独特の商売上の接客文化や「お客様は神様」といった価値観が絡んでいるのかもしれない。

30

丹野裕太

「ベリテンライブに見る地域活性化〜日本最大のフェスROCK IN JAPANと比較して〜」

行政との連携の度合いが魅力度を左右すると指摘。「地域色」をどれだけ打ち出せるかが鍵のようだが、なかなか一筋縄ではいかないかも。

31

大森由貴

「ライブが与える影響力、価値」

「エネルギー源」とあるように、余暇が日々の学校や仕事を乗り切る原動力になっている人は意外に多いかもしれない。定型がないのもライブの魅力なのだろう。

32

塚田悠

「読めない名前」

「名は体をあらわす」といわれるように、確かに名前はその人にずっと付いてまわるものであり、間違って読まれることが多いのも困るだろ。なかなか難しい問題だ。

33

中村祐司(担当教員)

「ロンドン五輪のガバナンス」

 

 

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