120710hashimotok
橋本薫『Twitterを活用する企業』
1.
私とTwitter
私が、余暇の時間に何をしているかと考えた時、最初に思い浮かんだのが携帯でTwitterを見ていることだと思った。現在では、スマートフォンの普及や携帯会社のパケット定額により今までパソコンでしか利用していなかったインターネットが身近なものになった。このインターネットによって、Twitter、Facebook、mixiなどのSNSが広く大衆に利用されるようになった。
SNSの中でも私は特にTwitterを多く利用しているので、今回はTwitterに注目したい。最近Twitterを利用していると、友達のTweetやお得な情報やクーポンをRT(リツイート)しているのを見る。自分自身、RT(リツイート)機能を利用したことはないが今や企業までもがSNSを活用するようになっているのだと感じた。TwitterのRT機能を活用することは、企業にとって有効な手段である。企業がどのようにTwitterを活用し、その結果Twitterはどのような影響を与えたかを調べてみたい。そして、これからのTwitterを含めたSNSと企業戦略について考える。
2.
輪を広げるRT(リツイート)
SNSの中でも、友人・知人間のコミュニケ―ションを促進し新たな人間関係の場を提供するサービスとしてTwitterがある。Twitterとは、短い投稿(ツイート)をして、みんなで共有するサービスである。利用者は、政治家、芸能人、モデルなどのあらゆるジャンルの人々や国境を越えた老若男女が幅広く活用している。無料のサービスであり、Twitterユーザーでなくても閲覧することができるし、ツイートを非公開にもできる[1]。友達や著名人をフォローすることで、自分のページで彼らのTweetをリアルタイムでみることができる。また、他人のTweetに対して返信や、RT(リツイート)といって自分をフォローしてくれているフォロワーに情報を広めることができる。
特にRT(リツイート)機能が人や企業との輪を広げるのに重要な役割を持っていると考える。私がフォローしている友人は、機能をよく活用しているのでインタビューしてみた。
1人目のTさん[2]の場合は、音楽系やフォローしている友達のTweetをしばしばRTしている。理由を聞いてみると、「自分をフォローしてくれている人にも見てもらいたい」からだそうだ。RTをしてどんな影響があったかと聞いてみると、「人との輪が広がり、知らない人とつながることができた。RTしたらフォローしてくれた。」と言っていた。
2人目のNさん[3]の場合は、お得な情報やクーポンをRTしている。主に、ZOZOTOWNやスーパーのお得情報である。どんなRTをしたかを聞いてみると、ZOZOTOWN[4]ではお買いもののポイントがもらえる「キャンペーン」をRTしたそうだ。応募をすると抽選ができ、何ポイントゲットできたかがTweetされる仕組みだ。実際に彼は、この「キャンペーン」で得たポイントを買い物に使い、商品を購入した。また、アイス・冷凍食品半額というたいらやのお得情報もRTしたそうだ。RTしたことで、フォロワーも同じようにRTしていたそうだ。RT機能についてどう思うか聞いたところ、「お得な情報やクーポンが得られて良い。企業がこれを活用するのもとてもよい戦略だ。」と答えてくれた。そして、これからもRT機能を活用したいと言っていた。
このインタビューから前者は、従来の人と人との人間関係をつくる活用法であり、後者は、人と企業という新しい関係をつくる活用法であると考える。RTは人と人、人と企業の輪を広げるという2つの活用方法がある。また、後者の人のようにRTを利用することは、企業の宣伝にも繋がっているため企業戦略としても役立つと考える。
3.
Twitterを活用する企業戦略と成功
ZOZOTOWNのように最近では、このTwitterを活用した企業が多く存在する。例えば、2012年4月28日の新聞の記事では、フタバ食品(宇都宮市)は人気の氷菓「サクレモン」販促活動の一環として、昨年8月からTwitterを利用している。140字という字数制限の中でも親密なやり取りが繰り広げられている。また、このフタバ食品は社員2人をTwitter担当とし、味の感想や変わった食べ方など消費者のコメントに迅速に応答するようにしているそうだ[5]。
多くのユーザーにフォローしてもらうことによって、広告は広く、多くの人に伝わる。企業側の負担も少なく、ユーザーからの返信によって利用者の「生の声」を聞くことができる。ユーザーだけが得をするのではなく、企業にとっても改善点を発見できるために企業の向上にもつながる。
無印良品はTwitterを利用して成功した企業である。セールのURLを載せたところ、6431回のクリック数があり、売上は大きな額にはならなかったが、その日のうちに1000人ものフォロワー数が増えたのだった[6]。
もし、フォロワーが100人いるユーザーがRT(リツイート)すれば、一瞬でその広告は100人に伝わり、100人のうち何人かがまたRTすれば、たちまち何千人、何万人とその広告は伝わることになるということである。今まで知られていなかった企業の宣伝としても役に立つことができる。
Twitterは、新しい顧客獲得のための有効な手段、有効な企業戦略であると言える。
4. Twitterの落とし穴
しかし、こんなに便利なTwitterなら企業はどんどん活用するべきだと思うが、問題点がある。
私のアルバイト先でもTwitterを活用している[7]。しかし、ここで問題なのがいかに多くの人にフォローしてもらうかである。お得な情報をTweetしてもフォローしてくれる人がいなければ意味がない。実際、Twitterのフォロー者は従業員、アルバイト、常連のほんの数十人でしかない。私たちがRT(リツイート)しても、それをさらにRT(リツイート)してくれる人がいなければ広まらないのである。
企業がTwitterを有効に活用するには、まずは企業側から多くの人をフォローし、自分の企業を知ってもらう必要がある。そして、自分の企業をフォローしてもらわなければいけない。情報を広めるRT(リツイート)をしてもらうために、ユーザーが魅力を感じるTweetをしなければいけない。Twitterは有効な企業戦略ではあるが、大企業でない限りユーザーに利用してもらうためには多くの努力を必要とするのである。このTwitterの落とし穴を上手く克服することで、企業はさらに顧客を獲得することができると考える。
5.
SNSと企業のこれから
今まで、ただコミュニケーションや人とのつながりを求めて利用していたSNSが、現代では人と人とのつながりだけでなく、人と企業とのつながりも生んだといえるのではないだろうか。情報社会と呼ばれる今、企業がSNSに参入することによってより効率的に商品や情報を伝達し、企業の発展へとつなげることができる。これからも、Twitterを含めSNSが企業戦略の中心となり、さらに多くの企業がSNSに参入してくると考える。SNSを上手く活用することによって、大企業だけでなく中小企業やまだ大衆に広く知られていな企業も注目されるようになるのではないだろうか。mixi、Twitter、Facebookと次々に開発されていくSNS産業でどういう企業戦略をしてくるのかこれからも楽しみである。
しかし、私たちは簡単にお得な情報を手に入れることができる一方で、SNSで問題とされるスパムメールや悪徳な情報に惑わされないようにしなければいけない。利用者自身も気をつけながら、お得な情報やクーポンなどを有効活用することによって私たちの余暇をさらに充実したものにさせることができると考える。
株式会社OGMマーケティング「ツイナビ」(2012年7月現在)
[2] アルバイト先の友人である高橋さん(2012年7月9日インタビュー)
[3] サークルの友人である新妻さん(2012年7月9日インタビュー)
[4] www.starttoday.jp/Release_campaign_20111220.pdf
株式会社スタートトゥデイ「ZOZOTOWN、3人に1人が当たる「ZOZOナンバー」キャンペーンを開始 最高100万円分のポイントをプレゼント!」(2012年7月現在)
[5] 日経新聞『企業「SNS」活用を加速』(2012年4月28日付)
[6] http://techwave.jp/archives/51411971.html
湯川鶴章「タイムセールなう=無印良品が大成功」(2012年7月現在)
[7] https://mobile.twitter.com/#!/onzayanaze
高橋店長「おんざ東簗瀬」(2012年7月現在)