2009年度余暇政策論

 

教員コメント一覧 

 

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  氏名

テ ー マ

酒井原奈菜

「NHK大河ドラマ天人による効果」

テレビの影響力、「レキジョ」人気、地元活性化への願いが相俟って生じたブームを、一過性のものとしないためには「現在・未来のPR」が必要だと指摘する。こうした発想と担い手の中心的存在として、当地を故郷とする若い世代に期待したい。

中村真惟

「海外旅行の動機につながる外的要因とその意義」

航空運賃に直結する燃油サーチャージの変動は、価格重視で海外旅行を検討する者には無視できない。学生意識を自ら探った労は多としたい。焦点が海外旅行の動機をめぐる一般論に拡散したのが残念。

中山莉衣

「行列から見る人々の心理とサービス」

サービス供給側が意図的に「同調行動」を創出する戦略や、並べさせかたなど、行列の背景にある諸要因を意欲的に探求している。マニュアルの弊害を行列行動への批判的視点と結びつけた論旨を提示してほしかったものの、情報源を仕分けする個々の力量の大切さを最後にずばりと指摘した好レポート

菱沼千春

「地産地消の食事と余暇について」

テーマを真正面から捉え、情報源を要領よく簡潔にまとめている。基本的な諸課題は本文にほぼ網羅されているのでは。「○○の地産・地消」といった特定の土地や食べ物に焦点を当てた、事例の掘り下げにトライしてほしかった。

福士裕紀

「現代におけるコミュニケーションの場〜ブログ・SNS〜」

文章力が伸びるという指摘や、「多忙なコミュニケーションに疲れ」といった表現になるほどと思った。自由なはずの相互のやり取りが義務となってしまう危うさ。同時に他者とつながりたいという本源的な欲求の存在。具体例の追求があれば。

戎谷治記 

「音楽ゲームの魅力とその影響」参考料(xlsファイル)

2日間限定のアンケート」で35人もの回答が得られたというのは、ネット上コミュニティのなせる技なのだろう。「音ゲーユーザー」という仮想社会空間を円滑に維持していく難しさも垣間見える。自由記述を対象とした考察がもっとあれば。

佐藤由香利

「若者を魅了し続けるレイブパーティー」

テーマに関する情報源に広く当たっており、読み手の総論的な把握を可能にしてくれる。社会変革の意図はないのに、一部に治安当局が身構える理由も分かるような気がした。今後どのような展開を見せるのだろうか。

佐藤亜希

「オーストラリアにおけるマリンスポーツの普及について」

まさに「自然に密着した余暇活動」の典型事例なのだろう。その浸透ぶりから、余暇活動の範疇を超えた「社会活動」の性格を見出している点が興味深い好レポート。自然の脅威に備えると同時に、それを生きがい・楽しみの資源としている人間の知恵を見て取ることができる。

佐々木礼

「余暇活動としてのギャンブルとそこに潜む危険」

「人間の根源的な欲求」に対応するための要は、「引き際のバランス」が取れるかどうかにある結論する。その魅力と恐さを真正面から見据えてレポート作成に取り組んでいる。ギャンブル全体をめぐる総論的な考察は貴重ではあるが、具体例を取り上げた各論も読みたかった。

10

三宅裕子

「都会について」

「自分自身とのつながりから」見るのが、都市の魅力かもしれない。結局は環境に応じて、自分なりの立ち位置を柔軟に設定するのだろう。識者の見解に対する感想レベルを超越したオリジナリティが出せれば。

11

橘万葉

「東京ディズニーランドはなぜ人気が衰えないのか」

地下通路やアレルギー対応食品の提供など、お客の最大限の楽しみ・快適さを追求・実現するプロ運営に脱帽させられる。ネット上の評価が瞬時に提示される点で、半端じゃないビジネス世界の厳しさを感じる。

12

萩口あや

「時代別の女性像と余暇について〜服の変化からのアプローチ〜」

「婚活福袋」まで登場するとは。単なる流行という言葉では把握できない変化の激しさ。時代の変容を反映する女性ファッションは、対人関係など価値観や考え方まで変えていく。流行に取り残されたり背いたりするのは、とても恐くて許されない無言の圧力メッセージが存在するかのようだ。

13

山里聖華

「大型ショッピングセンタ−心の満たしー」

「異空間」「非現実性」「付加価値」を生み出す、「入場料のかからないテーマパーク」という指摘が興味深い。その背景には現代の私たちが抱える特有のストレスがあるということだろうか。癒しの具体的な仕掛けが提示できれば。

14

野田絢香

「魅力を与えるテーマパーク」

両者の魅力をめぐる比較の試み自体に意義がある。各々のデータを抽出した労も伝わってくる。コンセプトは同じ方向なのだが、相対的な力量に差が生じていると理解すればよいのだろうか。地元テーマパークにとって実現可能な改善策が提示できれば。

15

宇宿里沙

「オーシャンドームの失敗」

再生への道は万策尽きたと読み手に思わせる記述である。一方で地元県民からは愛着を持たれていたことが窺える。今、大切なのは閉館に至った要因を丁寧に洗い出し、今後の教訓とすべきことなのだろう。今後の利活用をめぐる新提案が出せれば。

16

大城五月

「コミュニティ・カフェによる街づくり」

カフェのネーミングが魅力的であると同時に、「コミュニティ・ビジネス」を市民・学生の複数グループ主体で実践している点に社会的意義がある。3つ目の秀逸な質問と、回答内容が大変興味深い。まるで記述の随所に協働継続の秘訣が詰まっているかのようだ。実践者による活字表現の説得力の強さなど、読み手を引き込んで止まない好レポート

17

小林由佳

「現代における葬祭の多様性」

葬送の変化に言及。「ダイアモンド化」などは、故人と受け手の価値観が乖離する場合もありそうだ。核家族化が簡略化につながっている、葬儀は自己表現であるといった指摘もなされている。葬儀社のビジネス戦略などに言及できれば。

18

酒井春菜

「不況にも負けない!夏フェスの参加者増加傾向を探る」

読み進めていくと、"ap bank"が奥深い理念を重層的に含んだ、大勢の人々の積極行動を促す環境戦略用語であることが分かる。9,000円で「お得感」を提供しているのは中身の魅力・充実度が高いからだろう。そのことが個々人の等身大の取り組みにつながっている点を指摘した好レポート

19

齋藤亜季

「水を買うということを考える」

一人あたりの消費量増大に驚かされる。リサイクルも含め、ペットボトル製造のエネルギー消費にも切り込んでいる。結論部分をもう少し展開してほしかったものの、鋭敏な問題意識を武器に、簡潔な文章と自分なりの考察を提示した好レポート

20

鬼澤亮

「投資とお金の価値観について」

「リスク資産」と「安全資産」の説明が分かりやすい。結論は各々が身の丈に合った投資行動をということか。生活していく上で不可欠なお金を仕事を通じて得る大切さと、投資で得るそれとの区分けや境界に関する記述があれば。

21

安達恵梨子

「日光における観光」

包括的な情報整理の労は伝わってくるし、読み手は現状の取組を把握することができる。例えば国外への直接的なPR活動の中身に絞り込む手もあったのでは。5をめぐる具体論を読みたかった。

22

齋藤亜季

「ノイズ音楽の与える快と逃避活動」

この世界を音楽の傍流と決めつけてはいけないのだろう。乱調が発する魅力ということだろうか。「異世界」には既成の存在に対する破壊的魅力があるのかもしれない。

23              

玉城貴子

「色からみる観光地の魅力」

目にする色が人間の情感に及ぼす影響力に注目。心象風景を形成する不可欠な存在なのだろう。読み手は「色彩学」の導入部分に触れた思いを持つ。本題に迫り切れなかったのが残念。

24

木崎将文

「京都学生祭典と成功要因」

豊富で充実したインターネット情報源を十分に咀嚼した上で、祭典の魅力と継続の要因を探っている。学生・地域・企業をつなぐコンソーシアムの存在を指摘する。学生が集積する地域の持つ溌剌さが伝わってくる好レポート

25

熊谷淳美

「ウインタースポーツと環境保護」

問題意識は明白で、快適なスポーツ環境と良質な自然環境との両立を目指す国外の先進事例が興味深い。記述にある通り、頭の中だけでなく、各自が実践の中で関わろうとする姿勢が大切なのだろう。

26

朝倉傑

「映画『秒速5センチメートル』を観る行為の目的性と手段性、そして風景表象装置としての構造分析」

余暇を仕掛ける側か仕分けられる側かで観点が異なるとした上で、アニメ映画の「風景の表出」に注目。「郷愁」「目的」「手段」をキーワードに、映画シーンを人物の「分離性」と「虚構性」から把握する。註の作成も意欲的。作り手側のすべてがさらけ出されるのが映画作品なのだろう。

27

野々下三四郎

「日本のアウトドア、外国のアウトドア」

アウトドアは「国家の基本理念の一つ」(アメリカ)、「アニマトウール」(フランス)の制度、「自分の行くフィールドをきれいにしたい」などの記述は興味深いものの、結論相当がないのが残念。

28

赤澤林太郎

「SA・PAの施設利用の変化とこれからの課題」

SAとPAの機能融合を指摘。コンビニ進出に限らず、今後駅ナカのように変化していくかもしれない。利益やレジャー性追求の行き過ぎ(集客至上主義)が、安全性を凌駕する危険についても指摘。

29

佐々木慎太郎

「クラブ(ディスコ)と余暇」

由来、文化性、魅力を「カルチャー」の視点から説明する。クラブが単なる息抜きの場、社会生活からの逃避の場ではないことが分かる。例えばクラブでのイベント実践に的を絞った記述があっても。

30

中村祐司(担当教員)

「北京五輪からロンドン五輪へ―その課題を探る―」

 

 

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