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「時代別の女性像と余暇について〜服の変化からのアプローチ〜」 

 

「余暇」……日常の中の非日常。気分転換、リフレッシュ、ストレス発散。

女性の「余暇」のひとつにショッピング(服)があげられる。つまり、自分の着たい服を自由に身にまとうことである。なぜファッションが「余暇」になりうるのだろうか。その理由として、働く女性にとっては仕事の制服、学生にとっては学生服、その他にとっては普段着など、日常の中でよく着る服とは違う服を着ることで非日常の感覚を得られるから、ということが考えられる。そこで、時代ごとの流行していた服の変化と女性像を追いながら「余暇」について考えていきたいと考え、今回のレポート案をつくった。

 

服の変化をみるにあたっての情報……@[i]連続ドラマ(フジテレビ、月9)

A[ii]流行語大賞(時代を象徴)

B新聞(社会的側面から)

 

@    [iii]「東京ラヴストーリー(1991年)

バブル経済の超好景気もいよいよピーク、崩壊を疑うこともなく、男性も女性も遊びまくっていた年である。 若い女性はリッチなファーコート、男性はアルマーニのスーツを来て花束を持って、六本木で待ち合わせ なんていうのはザラであった。シャネル、ヴィトンといった高級ブランドがボンボン売れていた時期である。 ごく普通の女性にはロングフレアースカートがヒットした。また、紺ブレ(紺のブレザー)を鈴木保奈美が着たことでユニセックス化し大流行。

→「やまとなでしこ(2000年)

レディスファッションでは「お姉系」というプチゴージャスなエレガンススタイルが主流となり、OLからギャル系まで似たようなスタイルが街に溢れた。春には「ジージャン」が大ブレイクし、エレガンススタイルにデニムジャケットを合わせるのがお決まりだった。靴では、春夏はミュールが大ヒット。

→「婚カツ!(2009年)

 

A1991年 表現部門・銀賞  『紺ブレ』

受賞者:自称紺ブレ着こなし自慢代表                     バブル期の最後に流行ったのがこれ、「紺のブレザー」=「紺ブレ」である。ひと昔前から「アイビールック」としてあったものだが、「コンサバ」系ファッションの代表としてまた復活。

1993年 大衆語部門・銅賞  『お立ち台』

  受賞者:古宇田敬子(お立ち台ギャルNo.1):小川啓子(お立ち台ギャルNo.1)

ディスコブームは燎原の炎のように全国に拡散した。スタイル、ファッション、ダンスに自信のあるギャルは、フロアの一段と高くなった「お立ち台」に上がり、自分をアピールする。彼女たちを「お立ち台ギャル」といい、ディスコの華と持てはやす向きもある。本家“東京ジュリアナ”で「お立ち台」が禁止されても、地方では未だ大人気。

1996年 トップテン入賞 『アムラー』

受賞者:正統「アムラー」を自認する皆さん                    スーパーアイドル安室奈美恵のファッションが大流行し、これをまねたギャルを「アムラー」と呼んだ。超ミニスカート、底の厚いブーツ、肩まで垂らす長い髪の三点セットが取りあえずの「アムラー」条件だそうで、街には“安室奈美恵もどき”が溢れた。

  2006年 トップテン 『エロカッコイイ(エロカワイイ)            受賞者:倖田來未(歌手)

ボンデージにバニーガール、下着など、際どい衣装で一気に人気者になった倖田來未。彼女のセクシーな衣装やスタイルは、「カッコイイ・カワイイ」ファッションとして認知され、肌を露出する女性が増加した。

 

B「婚活福袋」で勝負服 

結婚相手を見つけるために、就職活動のように積極的に動く「婚活」(結婚活動の略)。来年1月2日から売り出される福袋で、良縁に恵まれるよう女性たちを支援する「婚活福袋」が登場する。「新宿高島屋(東京)では、「『婚活』応援福袋」を2009円で発売する。対象は、18歳以上の独身女性で10人限定。内容はスタイリストらによる着こなしやメーキャップのアドバイス、白河さんのトークショー、男性4人組のコーラスグループが福袋のために創作したラブソングのコンサートなど“体験型”なのが大きな特徴。 一方、松屋銀座では「婚活支援福袋」を販売する。中身は、30歳前後の男性社員が選んだ「勝負服」や、60分のエステ、縁結びに御利益があるとして知られる東京大神宮(東京都千代田区)の絵馬。(20081221  読売新聞)

 

C考察・まとめ

 バブル時代は男性も女性も経済的に余裕があり、それにしたがってファッションもブランドものを身につけるなど派手なものが好まれた。基本的に女性は男性から誘われる環境にあり、いかにして自分の魅力をアピールするかが最重要であった。

バブルが崩壊しても、日本人のブラン好きは止まらずにブランドブームから、「シャネラー」といった言葉も登場し、ブランド好きファッションは芸能人に飛び火し、一般の女性は雑誌などで取り上げられた芸能人のファッションを真似し始めた。アムラーの出現はこの時代にあたる。一方、芸能人にあまリ興味のない人達は女らしさを求め、それからは浜崎あゆみなどギャル系のカリスマの時代になった。いわゆるお姉系(お姉ギャル)が流行した。そして彼女の人気がなくなってくると真似を次第に止めるようになり、ギャルの基本であるLAファッションにブランド好きという要素が加わる。ここで、LAのブランド好きな芸能人(セレブ)の真似が始まってきた。すなわち、セレブブームである。
 さらに、ボディコンのように過剰に肌は露出しないが時代と共に徐々に解放された性と共に、女性は控えめで欲を抑えなくてはならない(良妻賢母)という女性像を崩したい、不景気のあおりを受けたくないという考えが広まった。この欲望を実現するために、能力の高い女性たちは男性と同じ土俵に立とうと試みるが、厳しいのが現状であった。そうなると金持ちになるには玉の輿しかなく、不況による就職難も手伝って、男性からモテる必要性が出てくる。こうしてモテ競争が激化し、景気の影響もあってモテブームにつながってきた。連続ドラマ「やまとなでしこ」は、この時代の流れをよく反映している。

そして最近では、モテブームからの反動なのか男性に媚びない自立した女性が世間の憧れにかわりつつあり、恋愛においても待っているだけではだめ!!じぶんからアクションをおこさなければ!!といった積極的な流れが起こり、女性誌では「婚活」の文字が並ぶようになった。

以上のように、流行していた服と時代ごとに求められた女性像はこの約20年だけでも大きな変化がみられる。したがって、ファッションを「余暇」とするならば、時代によってそれぞれの「余暇」のあり方は変わってくるものだといえるであろう。

 



D参考URL

[i] フジテレビ系月曜21時 http://cheerful.pupu.jp/list_cx/ge09.html

[ii] ユーキャン新語・流行語大賞 http://singo.jiyu.co.jp/

[iii] タイムスリップあのころは何が流行したの? http://shoebag.jp/timeslip/ts07.html