2010年度「現代政治の理論と実際」
担当教員によるコメント
(各タイトルをクリックすると各レポートが提示されます)
2011年1月24日(月):No1.-No.13
司会:板谷洋介
2011年1月31日(月):No14.-No.23
司会:前田美翔
氏 名 |
テ ー マ |
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1 |
竹川
章博 |
一口に環境税の導入といって産業界など各国固有の事情や難しさがあることが分かる。論述そのものが作成者自身の目線にもとづくものであるかどうかが、注釈なしの参考資料の一括掲載など見えてこないのが残念だ。 |
2 |
高栖 紀行 |
「米韓黄海にて軍事演習―空母『ジョージ・ワシントン』も参加―」 各国のスタンスを浮き彫りにした点がこのレポートの成果であろう。「概要やその目的、各国の動向」を把握した上で、今後の予測などプラスαの記述がほしかった。註提示の仕方に課題あり。 |
3 |
沈 宇萌 |
歴史文化源をめぐる認識の差異という重いテーマに切り込んで項目ごとに(しかも日本語で)整理・把握し提示した点に意義がある。しかし、項目間のつながりが見えてこない。「印刷技術」など一項目に絞ってもよかったのでは。 |
4 |
gb |
註を丁寧に付けた上での記述の一本気な迫力には目を見張る。人々の「反響」をめぐる3類型も興味深い。確かに表現の自由はインターネット世界の屋台骨であろう。しかし、13億人を統治する政府に現実的な対案(建設的批判)を提示する形で向き合えなかったか。 |
5 |
楊 海景 |
「中国の教育現状」(pdfファイル) 一理も二理もある記述だと思える。経験にもとづいた認識の提示が読み手に迫ってくるからだ。しかし、それではどうすればいいのか。中国の教育はどうあるべきなのか。理想の教育環境を実践している国があるとすればどこなのか。 |
6 |
佐藤
孝洋 |
原語かどうかはともかく、相反する結論を持つ両方の論者の主張を比較するのが正攻法では。さらに当事者以外の捉え方も抽出しつつ、「期待」ではない具体的な処方箋を示すことができれば。 |
7 |
伊沢
聡志 |
特恵関税制度が適用される品目数の多さに驚いた。「領土問題は資源が原因」で生じ、軍備拡張の要因でもあるとの指摘は頷けるものの、依存を減らす具体策の提示がほしかった。 |
8 |
長谷川
裕美 |
空港間の競合ではどうしても都心に近い空港が優位に立つのだろう。影響は沖縄県も無視できないという指摘は興味深い。波及効果を一事例に絞って調べても面白かったのでは。 |
9 |
若林
由美 |
読み進めると問題の難しさが伝わってくる。「バイリンガル教員」の養成や両親への日本語指導、さらには「多文化共生意識の改善」など、いずれも実現は一筋縄ではいかない政策だ。 |
10 |
前田 美翔 |
すべての人々があまねく公平に政府のサービスを受けることはできない現実が分かる。また、もっと雇用対策をというのが学生世代の切実な気持ちだろう。現金給付かサービス給付かの論点も大切だ。 |
11 |
赤塚 諭 |
「軽減措置」や「見かけ実効税率」に切り込んだ。税をめぐる専門用語を丁寧に咀嚼して論を進めている。結論は明確ではないものの、アポローチの仕方・中身の点で好レポート。 |
12 |
高橋
良輔 |
喫煙者にとってはまさに逆風の政策だ。愛煙家にとっては切実な問題であろう。しかも、非喫煙者の厳しい目が追い打ちをかけてくる。皮肉なことに、今後は納税の主役が裕福なヘビースモーカーに集中していくのかも。 |
13 |
佐藤
利津 |
事務手続に必要な人手、使途、消費支出の動向、地域振興券と順を追って整理・把握した上で、現金給付よりもサービス給付を説く。ではその担い手はどこか?までは言及されてはいないものの、過去実施された目玉政策を丁寧に検証した好レポート。 |
14 |
高橋
由衣 |
「所在不明高齢者の最も問題視されている事と改善するために私達に出来ること」 戸籍上の生存者数120歳以上7万7118人、150歳以上884人に驚く。政治や行政がどこまで入っていくのか、家族でできることは何なのかを問いかける好レポート。 |
15 |
水庭
誼子 |
とくに後半、産地生産の国産材が平地生産の外材に「伐出費」などの点で太刀打ちできないことや、輸入木材の取扱いが今後の鍵を握っていることなど、熟慮の跡が散見される好レポート。 |
16 |
土屋
慧 |
試算や効果をめぐる賛否や補償制度の実施段階での課題、さらには値切り業者の出現などよく整理しているだけに、注釈(資料)を個々に付けて考察の点でももっと踏み込んでほしかった。 |
17 |
米山 憂 |
道路整備をめぐる負担や受益者負担のあり方など、とくに非ユーザーとってユーザー以上に気掛かりな課題だ。最後の結論は文章表現の吟味も含めもっと拡充してほしかった。 |
18 |
板谷
洋介 |
「空白地帯」「楽しげな瓦版のようなチラシ」「地域による地域の為の」「住民の心も活性化」といった考察表現が、資料出所の書き方を帳消しにした好レポート。 |
19 |
三浦
菜摘 |
問題が複雑化した三つの要因を挙げ、「期待をもてあそばれた経緯」を追った上で、「安全な生活の確保」に力点を置いて批判を展開する。平穏な日常生活環境の確保のために政治は何をすべきか。重い課題を秀逸な問題意識を持って突き付けた好レポート。 |
20 |
中平
智也 |
機構の「原資不足」は借り手の返還が滞るからだが、その要因に政策が絡む不況や就職難がある。「循環することで成り立つ」しくみの前提が崩れる厄介な問題である。 |
21 |
廣宮
知典 |
結局のところ、政治・経済・財政の問題をどう解決するのか、個人、企業、政府がすべきことは何かが問われている。文章をもっとまとまった形でつないでほしかったが、各情報源のポイントを丁寧に抽出し分類提示した好レポート。 |
22 |
三浦
達也 |
今置かれている状況を「恨む」のでなく、今できることをやる。何かが動き出すはずだし、貴重な発見も必ずある。複合的「原因」を見据え、自分のオリジナルな「対策」を見出すことが肝心だと思う。 |
23 |
伊沢
元貴 |
企業側の事情が垣間見えたのが収穫だろう。「採用1人当たり50万〜200万円」は考え方によっては就活の励みとなるのでは。最後にあるように、絶好の社会観察・人間観察の機会が得られるからだ。 |
24 |
中村 祐司(担当教員) |