110117 Satota

佐藤 孝洋 「竹島をめぐる日本と韓国の政争」

 

最近の大きな事件が起きた。それは、尖閣諸島中国漁船衝突事件である。テレビ、新聞などでも大きく取り上げられた。このように、近年、日本周辺の国々の間で領土をめぐった争いが活発になってきている。私は他にどのような領土問題があるのかと思い、テレビではあまり放送されていないと思われる竹島問題に興味を持ち、調べることにした。

 

竹島(たけしま)とは、日本海南西部にある島で、北緯37度、東経131度に位置する、面積0.2平方qの日本と韓国の間で領土問題となっている島である。飲み水や木などはないのでもちろん人が住める環境ではない。では、なぜ両国は竹島を得ようとしているのであろうか。

 

竹島自体にはあまり利益はないものの、竹島周辺は対馬暖流とリマン寒流との接点となっているため、魚介類、海藻類の種類・数量がともに豊富に獲れるのである。韓国では竹島とその周辺海域の経済価値は年間115,842億ウォン(約8,600億円)である。これほどの経済価値があるため、韓国は竹島を得ようとするのであろう。

 

 竹島をめぐって日本と韓国がどのような政争を行ってきたのかを歴史的観点から述べようと思う。

まず、竹島をめぐる両国の重要となる争点は以下の2つである。

 

@誰が最初に発見し、実効支配をしたか

A戦後のGHQによる竹島処分の解釈

 

@については「三国志記」、「粛宗実録」、「隠州視聴合記」、「三国通覧輿地路程全図」、「東国文献備考」、など様々な歴史書から両国の意見が出てきている。これらの歴史書を順を追ってみてみると両国が争っている原因が少し理解できる。

三国志記についての韓国の意見は、韓国側「512年に于山国は朝鮮の新羅に服属している。于山島はこの于山国の一部であり、その于山島は独島である。つまり竹島は512年から韓国の領土である。」と述べ、日本はこれに対して「『三国史記』には于山国である鬱陵島のことは書かれているが、周囲の島のことは全く書かれていない。鬱陵島の付近にある島の別名が于山島であった可能性が高い。そればかりか、鬱陵島が512年に朝鮮によって侵略されていたことがわかる。」と抗議した。

さらに隠州視聴合記についての韓国の意見は、「1770年に編纂された東国文献備考に『鬱陵、于山は皆于山国の地で、于山は即ち倭の所謂松島である。』とある。この于山は竹島のことだ。当時の日本は竹島を松島と呼んでいるので朝鮮領である。」と述べ、日本はこれに対し「東国文献備考の『鬱陵、于山は皆于山国の地で、于山は即ち倭の所謂松島である。』との一文を始め同様の一文は、虚言の多い安龍福の証言の引用である。この当時の朝鮮の地図からいって、朝鮮政府は竹島を日本人の言う松島と誤認している。」と抗議した。このように韓国と日本は「最初に発見」という部分で争っている。

次に「実効支配」という部分で考えると、私は韓国に非があるようにしか思えない。国際法上、「領有権を巡る紛争では『発見』は未成熟権原とされ、領有権とするには合理的期間内に『実効支配』により補完されなければならない」とされている。これらを理由に韓国は竹島を武力によって支配した。そして現在も武力で支配されてる。この武力行使の被害にあった日本人は44人が殺傷され、3,929人が抑留された。

また、日本は領有問題を国際司法裁判所に付託することを韓国側に提案したが、韓国はこれを拒否した。日本は竹島が日本領土である根拠がしっかりしているが、韓国側の根拠は内容が矛盾している点がいくつもあり、「国際司法裁判をしたら竹島を奪われる」と思っているからだろう。

韓国による実効支配はあまりにも一方的すぎる。他にも一方的実効支配と思われる韓国の行為は、近年、竹島にヘリポートを建設し、さらに竹島周辺に海洋科学基地を建設する計画を立てていることである。さらに、このことを韓国と日本の外交の場で言わずに、まるで秘密にしようとしてるような動きも見せている。

 

 日本の外交大臣は韓国との仲が壊れるのを恐れたのか、対策を何もしていない様子だった(2010414日の議会を見て)。中国漁船衝突事件での日本の対応でも思ったが、日本は外国に対して弱気になりすぎだと思う。こんなことでは外国側は次にどんな要求をしてくるのか考えたくもない。44人もの日本人の命を奪われているのに、なぜ韓国の行動を静観しているのか、と日本政府に問いたい。これは日本の外交の仕方において大きな問題だ。

 

 Aについて簡単に説明すると、第二次世界大戦終戦後にGHQによって定められたアメリカが日本を統治していたときに日本のどこまで統治するのかを定めた境界線(マッカーサーライン)の中に竹島が入っていなかったという理由で、当時の韓国の大統領、李承晩が勝手に定めた韓国の領土を決める境界線(李承晩ライン)に竹島を自国の領土と定めた。しかし、そもそもマッカーサーラインとは日本の領土の決定ではなく、あくまでアメリカが統治する範囲を定めたもの。さらに、マッカーサーラインの中には小笠原諸島、奄美群島、琉球諸島なども入っていなかったがちゃんと「合法的」に日本の領土となった。だから竹島も日本の領土のはずだ。

 

ここで上記(@、A)での韓国側の矛盾点を述べると、韓国が「竹島は自国のものだ」と根拠としている地図で于山島が鬱陵島(ウルルン島)と韓国の間に位置してることである。実際は竹島は鬱陵島と日本の間に位置する。そして数年前にこの地図は韓国の竹島博物館にパネル展示されていた。日本のマスコミが矛盾点について指摘してみたら韓国側は「この地図は竹島の領有意識の強さを示している」と答え、この後、結果としてこのパネルはいつの間にか撤去されていた。このような行動を見ると完全に韓国は自分たちが間違っていることに気付いているとしか思えない。こんな子供なみの言い訳を日本は認めてはならないと私は思う。

 

やはり一番大きな問題となるのはこの子供じみた韓国(中国)に対しても慎重になりすぎている日本政府だと思う。確かに外国との友好関係は大事であるが、いつまでも下の立場に出ていては日本の利益がなくなるし、外国人に日本人が馬鹿にされるようになるだろう。

 

この問題を解決するには日本政府自体を変えなくてはならないが、そんなことは出来るはずがない。だからせめて韓国や中国に対してどのような接し方をすればいいのか、対策を日本政府には立ててほしい。今後の日本政府の成長には期待したい。

 

引用文献

竹島 (島根県) - Wikipedia

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%AB%B9%E5%B3%B6_%28%E5%B3%B6%E6%A0%B9%E7%9C%8C%29

2010/4/14 衆・外務委員会 自由民主党 新藤義孝議員

http://www.youtube.com/watch?v=UMWVEeUcxwY