2009年度「現代政治の理論と実際」

 

担当教員によるコメント

 

(各タイトルをクリックすると各レポートが提示されます)

 

 

氏 名

テ ー マ

1

李 赫周

平和、そして、共生のための外国人参政権

相互主義にもとづく地方参政権付与を実現している諸国の事例を知りたかった。永住権取得のためのハードルも国によって異なるのだろう。昨年の総選挙で「一票の行使」の重みが実感として増したことが多文化共生に及ぼす影響は、決して小さくないであろう。

2

 欣瑩

2009年台湾第二回三合一選挙

「社会を引き裂く導火線」「民意を敏感に反映」「政権指標」といった地方選挙をめぐるキーワードが大変興味深い。考察の対象は日本にも広がる。多様かつ移り気な民意をどう掴めばよいのかを読み手に喚起させる好レポート

3

松野 穣

国債増発に伴う日本社会への影響

情報源を自分なりに丁寧に咀嚼しつつ論を進めている。日本の場合、国債が圧倒的に国内循環となっていることの負の側面が深刻な事態を招いた一要因なのだろう。赤字国債からの脱却について具体的道筋の提案があれば。

4

村上 澪生

普天間基地移設問題の解決のために

内政・外政に立ちはだかる難問である基地問題に正面から向き合って解決の糸口を探ろうとしている。「何をするにしても理解を得ることは容易ではない」課題にどう向き合うかは、政治学(社会科学)の根本的な課題であり、考察を放棄しないことが大切なのだろう。

5

呉 勤文

建設凍結を発想点に斬新な政策方向へ

公約実現のための国債発行には反対という立場から、日台の公共事業を比較考察した。とくに高校無償化が無形資産の形成に寄与するという発想は斬新だ。さらに予算の無駄遣いや公共事業重視などをずばりと批判した好レポート

6

森島 史明

八ツ場ダム問題を通して政治について考えたこと

経緯を丁寧に追った上で、「中止の表明の仕方」に反対という結論に至る。「急ぎすぎ」とあるように、新政権誕生後の対応プロセスそのものを問題視している。確かに問題の本質は建設の是非そのものよりは、当該地域の生活者の尊厳という次元にあるのかもしれない。

7

戸倉 毅

郵政民営化によって変化した業務内容と民主党政権による民営化見直しについて

民営化後の郵便局機能の細分化、「金融2社」と「郵便2社」の収益差、新政権下の見直し案を簡潔にまとめた上で、過疎地域における「金融隔離」を懸念。本業務の副次的効果(住民とのつながり)の大切さを指摘した好レポート

8

山本 裕理

固定価格買取制度に見る“脱官僚政治”の課題

「余剰」から「全量」への転換はすんなりとは行きそうにない。この点を政官関係の緊張状況から読み取ろうとしている。党・政権・官邸・大臣・省庁間のせめぎ合いが窺われる好レポート

9

北爪 聖也

普天間問題から見る日米同盟

書き下ろしを否定はしないが、出典不明記で大丈夫か。タイトルとの非整合性も。イスラエルとの比較論は興味深く、大局的な視点の必要性も分かるが、主張そのものが拡散した。

10

亀倉 秀敏

2009年の郵政民営化に関する動きから政治を見る

読みにくさはあるものの、譲渡、局舎保存、見直しについて情報源を凝縮しつつ整理・把握した。そして、結論ではこれら難問に正面から切り込み、「行き過ぎに歯止め」など自分の言葉で堂々と論じた好レポート

11

中村 祐司(担当教員)

新時代の国家、団体、個人の関係変容と『地域主権』

 

 

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