5月7日 卒論指導レジュメ

国際社会4年 瀧 純代

 

卒論のテーマについて

 

 何について卒論を書こうか、実はまだ迷っている最中である。つい最近までは、地元である島根県の「過疎化をくいとめるためにはどうすればよいか」について書こうと決めていて、その成功例と言える「富山県山田村」について、地方自治論でレポートを書いた[1]

 

しかし、就職活動を進めていくうちに、国際物流に興味を持つようになった。最近では、物流各社は単にモノを運ぶだけではなく、ロジスティクス[2]と呼ばれる手法で業務を拡大しており、これまで商社が担ってきた役割を物流会社が担うようになってきている。私が興味を持ったのはやはりその点であり、また輸出入についても興味を持つようになった。輸出や輸入、言葉は随分前から知っているが、実際どのような手続きを経て輸出入が行われるのか、私を含め、知らない人が多いのではないだろうか。さらに、昨年末に栃木・群馬・茨城の3県合同で「広域連携物流特区[3]」を申請し、受理されたこともあり、卒論には最適なテーマだろうと思った。

 

そう思い始めた頃、日光の弥生祭に行った。弥生祭とは、日光市内の各町が独自の家体をひき、二荒山に奉納するというもので、家体を引いている最中は大人や子ども達が家体の中でおはやしを演奏していた。しかし、日光市の人にお話をうかがうと、この日光市も過疎化に悩まされており、おはやしをするこの子どもたちも、つてで呼んできた子が多いという話を聞いた。この弥生祭へは今回始めて行ったのだが、長い歴史のあるお祭で、朝からお酒を飲みながら夜までやるという、何とも興味深いものだった。そして何より、日光市の人たちがとても良くしてくれたのが印象的だった。このように朝から晩までダラダラとやるお祭は現在では珍しいそうで、それを聞くとなおさらなくならないでほしいと思った。

 

過疎化は以前から興味を持っていたテーマであるため、国際物流とどちらにしようか決められないでいる。しかし、この両テーマとも栃木県に関わることであるため、インタビューもしやすく、生の声に基づいた卒論が書けるのではないかと考える。

 

「広域物流特区」(国際物流)をテーマで書く場合、国際物流の仕組み、ロジスティクス、輸出入の方法、「広域連携物流特区」などについて論じていくことになるだろう。しかし日光市における過疎化については、未定である。

 

そう思っていたが、やはり「広域連携物流特区」について調べていくことに決めた。

 

「広域連携物流特区」とは、「首都圏における新たな物流拠点の形成」を目指したものであり、茨城県、栃木県、群馬県の3県が合同で申請し、認可された。その構造改革特別区域の範囲には、茨城県が23の市町村、栃木県が14の市町、群馬県が10市町村、計47の市町村が規定されている。この区域には国道50号、123号、354号などが整備されており、すでに3県をつなぐ役割を果たしているのだが、今後そのつながりをさらに良くするものとして期待されているのが、北関東自動車道[4]の建設である。「北関東自動車道は、群馬県高崎市から栃木県を横断し、茨城県ひたちなか市に至る高速道路である。高崎JCTは関越自動車道と、栃木都賀JCTは東北道と、そして友部JCTは常磐自動車道と接続していることから、北関東自動車道全線が開通すれば、北関東3県と国際港である常陸那珂港(太平洋)を結ぶだけでなく、北陸(日本海)や東北、中京・関西方面とのつながりも増えていくことが期待できる。」[5]

 

また、北関東自動車道の沿線には、「日立製作所、キャノン、松下電器産業、富士通、沖電気等の電気機器メーカーや日産自動車、富士重工業、ホンダ、コマツ、クボタ等の輸送機器メーカーなど、輸出入に関連する企業が数多く立地し、物流の拠点となっている。」[6]

 



[1] http://gyosei.mine.utsunomiya-u.ac.jp/since2001koki/jichi03/03jichireport/takim040119.htm

[2] 生産段階における原材料の調達から製品の販売まですべての物の流れを企業戦略のなかで一貫して管理すること。近鉄エクスプレス株式会社HP http://www.kwe.co.jp/main/index.html 物流用語解説集より

[3] http://www.21ppi.org/mintoku/data/profile/03_2_012.html

 

[4] 日本道路公団「北関東自動車道」http://www.kitakantodo.net/main.html

[5]「」内は日本道路公団「北関東自動車道の紹介」http://www.kitakantodo.net/gaiyou/main.htmlを参考

[6] 首相官邸 「第3回認定(11月分)等された構造改革特別区域計画について」のうち、「広域連携物流特区」http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kouzou2/kouhyou/031222/012.pdf4−2 北関東自動車道沿線地域を中心とする内陸物流拠点」より抜粋