「栃木科学・技術シンポジウム2001」

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第1部          基調講演

演 題:21世紀の社会に果たす宇都宮大学の役割

講演者:宇都宮大学長 貴志浩三(2001年11月現在)

 

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本学にとって、21世紀最初のシンポジウムである。知の蓄積こそが今、求められている。宇都宮大学がいかに社会に貢献していくかを追及しなければならない。「科学・技術と人間との融合・調和」について考えたい。こどもにアンケートをとっても、現代は「大変忙しい時代」であることが分かる。世界経済のバランスも崩れている。

 

大学には人を作り、人を育てるという大きな責務がある。大学こそがイニシアチブをとって、環境問題などの地球問題や人類の課題を解決していかなければならない。宇都宮大学は、地域基幹大学として立体的な高等教育機会を提供していかなければならない。独立法人化の流れの中で、大学間競争に晒されながらも、民間・地域社会との新しい連携・融合を進めていかなければならない。特に各分野プロフェッショナルの育成が必須である。これからは研究者のみならず学生も含めて「個」が力をつける時代である。

 

世界水準の大学院づくり、IT化による国際ネットワークの強化が求められる。大学は自主改革構想の先行優位を確立しなければならない。「象牙の塔」にこもってはいけない。PFIの導入も視野に入れなければならない。宇都宮大学は自らを問うていかなければいけない。旧来の大学序列付けの文部行政はなくなりつつある。時代環境に対する洞察力こそが必要。大学研究者は蛸壺の中に入っていてはいけない。

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(文責:中戸祐夫、中村祐司)