入試採点ミスについて

 

 

 

山形大学工学部の今春の入試で、採点ミスにより本来合格ラインに達していた90人の受験生が不合格とされた。それだけではなく過去5年間で採点ミスによる不合格者を428人も出していたという。そのうち17人は一浪して同学部に入学。ミスによって回り道させられたうちわけは98年度699年度4、昨年度2人、今年度5人である。

さらに98年度・99年度の入試で続けて判定ミスで不合格とされた受験生もいる。また、同一年度の入試の前期後期双方において判定ミスで不合格とされた受験生は35人に上った。

 

     山形大学

受験生らに電話で連絡をとりおわびをしながら意向確認を始めている。さらに引き続き作業を続け、連絡が取れた受験生の自宅を教授らが訪問。ミスについての謝罪入学に関する説明を行う。ミスによって入学を遠回りさせられた生徒に対してはすでに支払った予備校の授業料などについてほかの入学希望者と同様に、補償する方針。

途中からの入学となる新入生にたいし特別カリキュラムを用意。受講生がたとえ1人しかいなくても講義を続ける方針。

 

     文部科学省

90人のうち入学意向のある人については入学金や授業料などを補償する方針。採点ミス防止のチェック体制を強化するため、全国の国立大学関係者らへ説明会や通知を行う方針。5月25日に開かれた国立大学事務局長会議で、入試の得点計算用コンピューター・プログラムの点検や、手作業による検算などの多重のチェックを徹底するよう国立大学・国立短大計101校に指示した。近く公立と私立にも呼びかける方針。

 しかし前年度以前の該当者に対する救済策についてはますます困難を極める。別の大学に通っていたり、すでに卒業していたり、就職して新生活を歩んでいる人たちにはいったいどのような対応がなされるのか。

  

 

その他の採点ミス例

 

日本大学法学部

誤答を正答としたミス。

本来合格ラインの46人を不合格とする。

措置: 追加合格 (合格から不合格になったものはいない。)

 

 裁判所職員試験

 選択式マークシートで誤った番号を正解としてコンピューターに入力

 一次試験で本来合格の79人を不合格とする。

 二次試験で本来合格の5人を不合格とする。

 措置: 一次試験が不合格となった人に対して・・・来年1月に二次試験を受ける権利を与える。

     二次試験が不合格になった人に対して・・・採用

 

 同志社女子大

 採点自体をしていない問題があった。さらに集計ミスが重なる。

 本来合格ラインの50人を不合格とした。

 措置: 追加合格 他大学へ入学した人については入学金補償。 (合格から不合格になったものはいない。)

 

関西大学 

 本来合格ラインの168人を不合格とした。

 措置: 追加合格 他大学・予備校などにすでに支払った入学金・授業料などの負担。

 

 神奈川県内の高校

75校、340箇所で採点ミス

 調査書から合格判定資料への転機漏れ。

○×の付け間違え       

採点小計間違え

 

立命館大学入学センター、山田順一次長によると

  採点ミスが起こる原因

・ 問題そのものが間違っている場合、

・ 模範解答が間違っている場合、

 ・ コンピューターのプログラムが間違っている場合

 

問題作成上でのミスを防ぐため

・ 教員から出題委員印刷委員を選出し、チェック体制を強化

     教員以外に入試センターの職員が入試事務局を編成=入試問題に対する客観性を高める

「自分の作った問題のミスは、なかなか自分では気付かない。教員にべったり任せず、事務局を経由することが重要」

 

問題作成にあたって 

     出題・印刷委員は二親等以上の受験生がいない教員に限られる

     六月から入試直前の一月までかけて問題が作成される

・ 記述式の採点は教員がするが、マークシート式の採点は外部委託

(試験日から合格発表日までの短期間に、多くの回答を学内で処理するのは難しいから)

     学校側はコンピューターによるプログラムミスを防ぐため、事前に委託するコンピューター会社でプログラムテストを行い、事後には返却されたデータを抽出して調査する。 

最も恐れられていること 

     模範解答が間違っている場合

     安心感をもってしまうこと

 

対策として(提案段階)

     従来は非公式だった委託するコンピューター会社との打ち合わせを公式なものにする

     合格通知・入学手続書類の入った封筒のスリム化(生協加入の案内などが混在し、手続ミスを招くから)


  採点業務にかかわって不都合だと思った点

入選支援システム(パソコン業務)で,不都合だと思う点

感想

今回のレポートを作成するにあたって思ったことは入試というとても重大なことにもかかわらず、学校側の単純ミスが思いの他多く、たくさんの受験生が被害をこうむっているということに本当に驚かされた。すぐに採点ミスが発覚して少し遅れてでも入学できた人はまだいいかもしれない。それでも本来ならば何の後ろめたい事もないはずなのに何となくあだがついてしまうだろう。また、合格した人達ももしかしたら自分は採点ミスで受かっていたのかもしれない、と複雑な気分になってしまうのではないかと思う。採点ミスがあったということで不合格となった受験生のみならず、大学のイメージにも影響を与え、その大学の生徒、卒業生のイメージにまで悪影響がでてしまうのではないか、と不安になる。また、すでに他の大学へ入学してしまっている人達への対処は本当に難しいと思う。たとえ採点ミスで不合格になってしまった大学が第一志望だったとしても、実は合格していたのであなたさえよければこちらの大学へどうぞ入学してください、といわれてほいほいうけいれることができるわけでもないだろう。経済面で事は大学側、文部科学省が負担してくれたとしてもお金では解決できないことがたくさんある。精神的ダメージ、心機一転して築き上げた新しい生活の中での人間関係、時間、そういったものにたいしては本人が納得するしか解決方法はない。今後、このようなことが起こらないように、採点方式の改良、採点者の意識向上をはかることが大きな課題となるのではないだろうか。そして裁判所職員一次試験不合格者に対する二次試験受験のことだが来年の一月となると期間も空きその間はどうなるのか、ということも考慮してほしい。私も一次試験、二次試験がある公務員をめざすものとしてそういった対応をされると勘弁してほしい。その辺は臨機応変に特別な試験日をすぐに設けてほしいものである。