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行政学演習A 990139u 田面木千香
まちづくりと道路政策
はじめに
わたしは“まちづくり”という分野にとても興味があるが、一口に“まちづくり”と言っても、町全体の活性化を図ろうとするためには様々な問題の解決を見なければならないので、これにはいろいろな方面からの取り組み方がある、と考えられる。そこで今回私が注目したのはまちづくりと「道路」の関係である。「道路」。すなわち「道」のことであるが、私たちの生活は「道」がないことにはなりたたない。学校や職場に通うにも、買い物や旅行に出かけるにも私たちは「道」を利用する。「道」とはなくてはならない存在なのである。そういった意味で、「道」「道路」は“まちづくり”を進めていく上で必ず直面する問題であると考えられる。
1、
“まちづくり”における「道路」の役割
現在、地域活性化に重点をおいた“まちづくり”に力を入れているのは、そのほとんどが地方都市、もしくは全国の各市町村である。こうした地域において“まちづくり”と「道路」は非常に大きく関係してくる。
地域活性化を図ろうとするとき、その地域における経済活動がどれだけ活発に行われ、いかにたくさんの人を巻き込んだ消費活動がなされるか、ということが重要なポイントであると考える。
そうした上で私が注目したのは中心市街地、また中心商店街へのアクセスの問題である。
図 都市圏別旅客輸送分担率(平成6年度)
<資料>地方圏は運輸省「旅客・貨物地域流動調査 平成6年度」
三大都市圏は運輸省「都市交通年報」(平成8年度)
上の図から地方圏における自動車交通が人々の社会活動の基盤となっていることがわかる。つまり、地方圏における道路の必要性・重要性というのは非常に高いということがわかる。
こうした中で全国の商店街では、その過半数が空き店舗比率5%を超えるなど、中心市街地の空洞化が大きな問題となっている。
図 全国の商店街における空店舗比率
注)全国の商工会議所、商工会連合会を通じて管内の商店街を対象に実施。
<資料>日本商工会議所「商店街に関する実態調査」(1994年)
なぜ、このように全国的な商店街の衰退が見られるようになってきたのか。問題の生じる背景としては、道路、駐車場などの都市基盤整備の遅れ、商業施設の郊外展開等により、中心市街地の空洞化の進行があげられる。
民間都市開発機構「商店街の実態に関するアンケート調査結果」(平成3年)によると、中心商業地の衰退の理由として、道路や駐車場の未整備による自動車交通に対応できない、というのが78%を占めた。
このような実態を踏まえ、国はどのような対策を考えているのだろうか。
2、
道路整備五箇年計画
平成10年5月29日の閣議決定により道路整備緊急措置法(昭和33年法律第34号)第2条第1項に規定する道路整備五箇年計画が定められた。ここでは
「新たな経済構造実現に向けた支援」
「活力ある地域づくり・都市づくりの支援」
「よりよい生活環境の確保」
「安心して住める国土の実現」
を課題として掲げており、「活力ある地域づくり・都市づくりの支援」と「よりよい生活環境の確保」のための道路整備の推進に向けた目標として
(都市圏の安全かつ円滑な交通を確保するため、バイパス・環状道路の整備、連続立体交
差事業、共同溝の整備、交通需要マネジメント施策としての駐車場並びにバス路線及び都市モノレール・新交通システム・路面電車に係る道路の整備等による渋滞対策を推進する。 また、都市構造を再編しつつ、快適で活力ある都市を整備するため、都市高速道路、湾岸道路、環状道路等の整備、土地区画整理事業、市街地再開発事業、住宅宅地・公共公益施設等に関連する道路の整備、良好な市街地を形成する道路の整備、電線共同溝の整備による電線類の地中化等を推進する。
さらに、自立的な地域社会の形成を図るため、地域の連携を強化する道路の整備、交通不能区間の解消、奥地等産業開発道路の整備、離島、山村、過疎、半島地域等における道路の整備等を推進する。)
(安全な生活環境を確保するため、歩道、自転車道、駐車場、休憩施設の整備、踏切道の改良等の交通安全対策、高齢者、障害者等の社会参加の機会の増大にも対応した幅の広い歩道等の整備を推進する。歩道等については、その設置道路延長をおおむね16万2,000キロメートルの水準に引き上げることを目途に整備を推進する。
また、良好な環境創造のため、道路交通に関するエネルギー効率の向上により地球温暖化の防止に資する渋滞対策等を推進するとともに、生態系との共生を図るなど自然環境と調和のとれた道路の整備、生活環境の保全等に資する環境施設帯の整備、道路の緑化、遮音壁の設置、沿道整備事業等を推進する。)
と述べられている。
国土交通省の公式情報