「パートナーシップ型地域づくりを目指す」
*地域づくりには大きく分けると以下の二つがある。
・ 施設建設、再整備など(地域住民の「生活の質」向上を目指して)→いわゆる町づくり
・ 人づくり(全ての世代に対応した教育)
*地域づくりに関わる行動主体
・ 市民(住民)
・ 地方行政(地方公共団体)
・ NPO
・ 企業市民(コーポレートシチズン)
・ 行政
実際、地域づくりは様々な形で行われている。
「しかし、不景気と国家予算削減体制の中、民間も行政も地域づくりに手が回らないというのが現状」
地域住民も行政にまかせっきりではいけない→住民からの地域づくりがますます必要になってきた→
住民に「自らの地域づくり」という自覚があまりないように感じる。→市民活動の情報が行き渡っていない
→行政は経済面以外に地域づくりを支援できないか。→政策、条例を作りながらも地域づくりに参加する(実際の例もある)→
行政、市民が一体となって活動する(官民一体?)←地域づくりから
↑実際の例をみていく
⇒前回からのつづき
実際のところ、まだテーマが定まっていないのが現状。
行政演習Aでは今一番関心のある「地域社会」にスポットをあてていきたい。
*テーマに対する考え
地域社会というと国家レベル(国家政策)、世界レベル(外交政策)からするとかなり小さレベルなので、関心があまりない人もいると思う。しかし、わたしはこの地域社会から全体としての日本を見つめるのもおもしろい方法、手法だと考える。
地域社会は主に行政と市民(企業市民も含む)によってつくられている。今までの地域社会づくり(結局まちづくりのことであるが、建物、景観のみでなく‘人’も範囲にいれるという意味でこの名前にした)というのは、一方的に住民が行政に要求を突きつけてそれでおしまい、というパターンであった。しかし、これは「行政が絶対なる権限を持っていることを当たり前」とした考えに基づいている。行政のみでは、住民にきめ細かい、臨機応変のサービスは提供できない。これは財政上はもちろん政策、法律面からもだ。ここで「これからの行政サービスはどうあるべきか」という問題を地域社会から問うこともできるのではないか。日本はタテ社会と言われているが、地域社会レベルでいくとそれは行政と住民の間で交流が少ないということに起因していると考える。お互いのことを知っていないから、行政は一方的に条例などをつくってそれでおしまいだし(実際、住民らが申請してつくった条例、制定もあるが、日本にはまだ住民が自分たちの地域づくりに参加する制度、システム、意識がないように感じる)、住民はそれを無意識に守ることしかできないから、自分達の住んでいる日本はもちろん地域社会づくりさえも関心が持てないのではないか。行政と住民が一体になった市民活動、NPO活動はタテ社会の日本社会を構造的に変えられると考える。タテ社会においては自分の考えは抑えられてしまうが、変化した社会つまり水平社会では、自由に自分の考え、発想がだせるので地域社会自体ものびのびとした元気ある社会になるのではないか。結局、私が言いたいことは行政とNPOなど市民活動が一緒になって、地域社会をつくっていくことがこれからの日本社会、われわれの地域社会にとってより重要になってくるということだ。しかし、NPOに関する本を何冊か読んでいくうちに、地域社会づくりをする際、何が本当に一番良い方法なのか分からなくなってしまった。ある事業を取り組んだとしても、違うところではまた違うサービスを欲しがっている。(例えば、緑化運動事業に取り組んだ時、もっと生活に身近な介護サービスを必要としている人がいる、など)またもう一つ気になってきた事がある。「NPO法人をとる必要が本当にあるのか」NPOの良い面だけを取り上げた本が多いなか、私はこの疑問を抱いた。実際、法人資格をとったことによって利点も多いが、そこに落とされた穴がないか、一歩さがって考えていきたい。
・ NPOの主な長所−柔軟な体制、細かいサービス
・ NPOの主な欠点−責任の所在をどこにもとめるか、委託事業による「行政化」の可能性、日常業務による活動自体にあてる時間の少なさ、信頼性
(両者は他にもたくさんあるが、これからまた探っていくことにする)
またNPOに課された課題もある。例えば
・ 広報面(市民に伝わっているケースが少ない)
・ その地域でのシステム化(行政との)
・財政面での自立(行政からの資金援助を受けるNPOもあるが、政府も多額の国債、予算削減体制の中全てのNPOに十分な資金を提供するのは困難と考える)
地域でのシステム化をある地域の具体例をだして少し詳しく述べていく。
まずシステム化には「リーダー」が特に重要なキーワードである。神奈川県に「かながわ県民活動サポートセンター」がある。この機関をつくったのは岡崎洋さんであるが、彼は95年に神奈川県知事に就任した方である。彼は以前環境関係の財団の設立に携わったことがあり、その経験を活かして「行政によるボランティアの支援を推進したい」と考えていたそうである。職員も全員県庁職員である。この時点で「ボランティアの行政化」がおきてはないかのかと危惧したが、本を読み進めるうちにそうでないことが分かってきた。かれらの方針は「施設は管理するが、自主性を尊重した上でボランティアの活動は管理しない」である。県の長である知事がこうした市民活動を支援し、そのシステム化を図ったということはまれにみる例ではないか。しかしこの事例を特異とせず他の自治体も参考にすべきだと考えた。市民活動が活性かするのは「リーダー」にかかっているといっても過言ではないことが、この例で分かった。(http://www.kvsc.pref.kanagawa.jp/)←かながわ県民活動サポートセンターのホームページ
突然だが、このレポートを書くうちにある反省店を抱くようになった。というのは、自分の関心のあるテーマのみを書こうとばかりしていた。「地域住民にとっていい地域とは何か」を考える前に自分の関心のあるNPO、市民活動のみに焦点をあてていたことに気付いた。そこでもう一度、「地域住民にとって真の町づくりとは何か、本当にNPOは必要か」を見つめ直して考えていきたい。地域にとって国家政策である地域戦略プランなる大規模プロジェクト、行政サービス(地域づくりに関して)、それを補足していく上で何が最も必要なのか考えていきたい。提出までにあと2週間近くあるので国土交通省が提唱している「地域戦略プラン」、行政サービスはどうあるべきかなど少し視点を変えて「地域社会づくり」について考えていきたい。
*「地域戦略プラン」について