フリードマン(マネタリズム)とケインズ(ケインジアン)の理論の比較

フリードマン Milton Friedman                              ケインズ John Maynard Keynes

サプライサイド・エコノミクス Supply-side economics

経済活動において需要よりも供給を重視する考え方。具体的に法人税、所得税の減税、政府支出の削減、政府規制の緩和、を行い@減税→貯蓄増→(預金)利子率低下→(株式)投資意欲増加→(投資による)生産力向上A政府の規制緩和→民間部門の投資インセンティブ増加→生産力向上→物価の安定という結果を導き出す。

 

ケインズ政策 Keynesian Policy

不況時には政府支出を増やし、公定歩合を下げて金融緩和を進め、有効需要の拡大を狙う。好況時には政府支出を抑え、金融の引き締め有効需要を減らし、インフレを防ぐというもの。

有効需要 effective demand実際に財(モノ)を購入するだけのお金があって財を購入しようとする欲求、購買力の裏づけのある需要のこと。

マネタリズム monetarism

通貨政策が最も中央銀行などの経済活動に影響を及ぼすことができる当局が行える政策の中で重要だと考える人々のこと。失業は短期的減少であり、実質賃金率の低下により解消し、長期的には自然失業率に対応する国民所得にいたる立場を取る。インフレ抑制を重視し、財政支出拡大による景気刺激策を否定する。

ケインジアン Keynesian

価格調整よりも数量調整を重視し、総需要が総供給量と国民所得を決定するという立場を取っている人々のこと。失業においては、総需要を増大させる裁量的政策が有効であると考えている。政策では、完全雇用と経済発展とのために私的経済部門への国家の積極的介入を主張している。

 

自然失業率 natural rate of unemployment

  失業率のこと。非自発的失業がなく、失業が、現行の賃金では働こうとしない、自発的失業や移動が困難などの労働市場の特性から生じる摩擦的失業のみであるときの失業率のこと。ケインズは非自発的失業の解消のために有効需要の拡大を説いたが、フリードマンは失業が市場の調整機能から失業率が長期的には自然失業率の水準になると主張した。




非自発的失業 involuntary unemployment

賃金xで働きたくても働けない人。


フィリップス曲線 Phillips curve

  イギリスの経済学者フィリップスが1861年〜1957年までのイギリスのデータから発見した、名目賃金上昇率と失業率との間のトレードオフ関係を示す曲線のこと。失業率が下がるとインフレが促進され、インフレを解消しようとすると失業率が上がることを意味している。



自由放任主義Laissez-Faire 

経済学において自由放任主義とは、個人や企業、産業がかかわる経済問題に原則として政府が介入しない経済思想をさしている。その考え方は、資本家の自己利益、競争、そして繁栄と自由とをみちびく力としての消費者の自然の選好に信をおくものである。自己の利益や競争を追求する資本家の存在と合理的な消費者選好は、最適な繁栄と自由をもたらす作用があるものと考えられていた。



リカード David Ricardo の比較優位

  国ごとに生産物を特化させ、競争の自由を保障するように主張するものである。たとえば産業革命で発展しつつあるイギリスは工業製品を生産するのが安価で有利であり、穀物はやすい外国のものを輸入したほうがよいとする。



門戸開放宣言 1899年と1900年の2度にわたってだされた、アメリカの対中国・極東基本政策に関する宣言。1899年、アメリカ国務長官ヘイは、9月にイギリス、ドイツ、ロシア、11月に日本、フランス、イタリアに通牒を発し、中国大陸での経済活動の門戸をすべての国に開放すること(門戸開放)と、平等な競争条件の保障(機会均等)を要求した。そのねらいは、中国大陸で勢力圏をつくりあげていたヨーロッパ列強や日本の動きを牽制し、自由競争をかかげ中国市場に参入することにあった。門戸開放主義は、22年のワシントン会議の9カ国条約によって成文化された。 



四カ国条約 Four-Power PacificTreaty 

第1次世界大戦後の極東新情勢への対処と秩序構築のために、1921年11月から開かれていたワシントン会議の中で、日本、アメリカ、イギリス、フランスの4カ国が12月13日に、太平洋地域の現状維持をとりきめた条約。有効期限を10年間とした。

  この条約では、4カ国間での太平洋地域諸島の領有権の相互尊重、紛争が生じた場合の共同会議開催とその平和的解決、侵略の脅威をふせぐための協議などがさだめられた。さらに、本条約発効をもって、1902年以来つづいてきた日本外交の要であった日英同盟の廃棄がもりこまれた。

  とりわけ、会議主催国のアメリカの最大のねらいは日英同盟の廃棄であった。アメリカは大戦後の太平洋地域での日米対立の兆しの中で、中国での門戸開放政策推進の障害となる日英同盟をなくし、日本の動きを牽制(けんせい)しようとしたのである。この条約はこうしたアメリカの対外政策の勝利を意味するものであった。 



九カ国条約 

ワシントン会議開催中の1922年2月6日に、アメリカ、イギリス、フランス、日本、イタリア、ベルギー、オランダ、ポルトガル、中華民国の9カ国によって締結された。ワシントン会議は、海軍軍縮問題と中国を中心とする極東問題を2大議題としていた。この条約は後者の成果である。

  第1条では、中国の主権および領土保全の尊重、商工業に対する各国の機会均等、友好国国民の権利を減殺するような特権をもとめないことなどを目的としてこの条約がさだめられることなどがしるされている。この部分が四原則を継承した部分である。ただし、第4項に既得権益の容認と読みとれる条項がふくまれており、これが日本の満蒙権益などをおびやかすものではなかったため、日本が妥協する余地がしめされたものと解せる。

  第3条は、いわゆる門戸開放、機会均等主義条項とよばれるもので、1899年のアメリカ国務長官ジョン・ヘイの門戸開放宣言の精神をうけつぎ、列強の対中国単独行動を抑制しようとしたものである。第4条は、いわゆる勢力範囲の設定を否認したもので、旧外交の否定と考えられる。第5条は、中国全鉄道における差別待遇の禁止、第6条は、中国不参加の戦争における中国の中立の尊重をその内容とする。第7条は、条約の適用に関して問題が発生した場合、関係国がじゅうぶん、率直に話し合いの場をもつ義務を有することとした。

  この条約の意義は、日英間で非存続がきめられた日英同盟にかわる体制を米英主導でみちびき、アメリカの方針であった門戸開放政策をその原則として樹立したこと、他方で、第1次世界大戦中に日本が中国でえた利権をおさえこむことにあった。だが、この条約には中国に巨大な利権を有するソ連がくわわっておらず、またこの条約を履行すべき中国の北京政府の勢力が1925年にはすでに風前の灯となっており、中国に関する条約の精神はじゅうぶんに発揮されたわけではなかった。

  しかし、既得権益の譲歩を余儀なくされたことに対して、日本の軍部が反発して単独で侵略行動をおこすにいたったため、アメリカとイギリスは、中国を援助してその国力を強めることを企図するようになった。 

 


ゲーム理論 ゲームりろん Game Theory 

トランプなどのカードゲームやスポーツ、政治、経済問題などを駆け引きのあるゲームとしてとらえ、数学的な研究をおこなう応用数学の一分野。1944年に刊行された、フォン・ノイマンとモルゲンシュテルンの「ゲーム理論と経済行動」が出発点といわれている。軍事問題、国際関係論、ミクロ経済学、社会生物学、賃金などの研究に広く利用されている。


ゲームの形式 
ゲーム理論では、参加する当事者をプレーヤーという。プレーヤーの人数、プレーヤーそれぞれの利得あるいは得点の計算方法、プレーヤーが相互に協力するかどうか、戦略的なのか展開的なのか、などによって多数の形式に分類している。
各プレーヤーは選択できる行動を複数もっていて、それぞれの行動に対応した得点の最大値と最小値があらかじめわかっている。それぞれのプレーヤーは、期待できる得点の大きい行動や安全性の高い行動を状況に応じて選択する。ゲームが1段階しかないときは、選択する行動を戦略といい、複数の段階からなるときは、手番という。
もっとも単純なものは、2人ゼロ和ゲームで、2人のプレーヤーが得点をきそうが、一方の取得した得点だけ、他方がマイナスの得点となる。麻雀などは、4人の得点合計がゼロになるので、4人ゼロ和ゲームといえる。

 


囚人のジレンマ 
囚人というのは、厳密には囚人ではなく、共犯関係にある2人の容疑者のこと。2人の容疑者が逮捕されていて、一方だけ自白をすれば、自白した犯人の罪が軽くなるが、犯人のどちらかが自白しているにもかかわらず、否認しつづければ罪が重くなり、両方とも否認しつづければ、2人とも軽い罪にとわれ、両方とも自白してしまえば、2人が重い罪になるというルール。
犯人は、相互に相手が自白したかもしれないという不信感をもっていると、相手が自白して自分だけ自白しなければ、より罪が重くなるので、自白してしまう。つまり、最悪の場合でもよりましな結果をもとめて行動することによって、最終結果は、客観的には2人のプレーヤーとも最悪の選択をしてしまうというのが囚人のジレンマである。

 

References

日経経済辞典99

マイクロソフトエンカルタ百科事典

 

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