行政学演習A演習レポート
「総務省、市町村合併について」
990123A
小島 周一郎
T「総務省」について
1総務省の役割とは?
2001年1月6日中央省庁等改革の一環として、総務庁、郵政省、自治省を母体として設置
その役割は、
・内閣及び内閣総理大臣の補佐・支援体制の強化
・行政の基本的な制度の管理運営
・地方自治制度の管理運営
・電気通信放送行政
・郵政事業
・固有の行政目的の実現を任務とした特定の省で行なうことを適当としない特段の理由がある事務の遂行
つまり、行政組織・公務員制度・地方行財政・選挙・消防防災・情報通信・郵政事業など国家の基本的仕組みに関わる諸制度、国民の経済・社会活動を支える基本的システムを所管し、国民生活の基盤に広く関わる行政機能を担う省庁
その為に、国・地方・民間の適切な役割分担に基づきつつ、
・行政改革の推進
・行政情報の公開の推進
・地方分権の一層の推進
・地方税財源の充実確保
・市町村合併の推進
・地域の活性化
・国民の安全の確保
・情報通信の高度化
・郵便局ネットワークの高度化
2総務省の組織構成
・総務大臣(現大臣片山虎之助)
・大臣官房及び10局
・外局として、
競争政策を担う公正取引委員会
公害紛争のあっせん・調停・仲裁・裁定等を行なう公害等調整委員会
郵政事業を実施する郵政事業庁(2003年に郵政公社化)
消防行政を担う消防庁
3総務省における市町村合併の取り組み
総務省では市町村合併は、地方分権の推進や少子・高齢化の進展、国・地方を通じる財政の著しい悪化など市町村を取り巻く情勢が大きく変化している中で、合併を求める声が各地で高まっているとし、市町村合併を支援する様々な施策の企画立案や合併気運の醸成に取り組んでいるとしている。
以下については、主に行政の立場から市町村合併の必要性・メリット・現況を主に総務省のホームページ(栃木県関連については栃木県庁のホームページ)を参考にまとめた。
U「市町村合併」について(行政の立場から見ると)
1そもそも何故市町村合併の必要があるのか?
・高齢化への対応
高齢化による福祉サービスの増加による財政負担、人材の確保
・多様化する住民ニーズへの対応
専門的、高度能力を持つ職員の育成確保
・生活圏の広域化への対応
日常生活圏の拡大、都市地域におけるスプロール化における一体的街づくりの必要性
・効率性の向上
効率的行政の必要性、隣接市町村の類似施設の無駄使い
・地方分権の推進
実行するための行財政基盤の強化
2合併のメリットは?
・ 高齢者等への福祉サービスの安定的供給、充実
・ 専門的、高度能力を有する職員の確保、育成による行政サービスの向上
・ 文化、公共施設の広範利用が可能に
・ 広域的な視点における一体的街づくりの推進
・ 重点投資が可能に(巨大プロジェクトの実施)
・ 行政経費の節約
・ 地域のイメージアップ、若者の定着、職場確保
3合併の段取り
市町村が合併するためには、合併協議会(合併に関する関係市町村の話し合いの場)1)が設置される必要がある。そのためにはそれぞれの市町村議会で合併協議会設置の付議が可決されなければならない。ただ、合併により議員や首長が失職する可能性も否定できず今までは議会による合併は消極的であった。そこで「市町村の合併の特例に関する法律」(2005年3月31日までの時限法)において、住民発議制度が設けられた。これはそこに住む有権者の50分の1以上の署名で、合併協議会の設置を請求する事が出来る制度である。
2001年3月現在、前述の合併協議会が設置されているのは22ヶ所(78市町村)である。この中で住民発議によるものは12(38市町村)にものぼる。このことからも住民発議の効果があった事を物語っている。
4栃木県内の市町村合併の現況
県内において市町村レベルで具体的に市町村合併が動いているのは合併協議会が設置されている栃木市・小山市と佐野市・田沼町・葛生町の2地区である。しかし、栃木市・小山市の合併協議会は現在休止中でありもう一方もほとんど議論が進んでおらず合併の気運は高まっていないのが現状である。
県では、2001年1月「県市町村合併推進要綱」を作成した。これは旧自治省が一昨年市町村合併の論議を活発化させるため都道府県に対して具体的な市町村の組み合わせ案を作るように各都道府県に要請したものである。この中では合併のケースとして5パターンの具体的な市町村合併のモデルを示している。市町村数は現在の49市町村から最も多いモデルで21、最も少ないモデルでは12となっている。最小モデルでは宇都宮市は壬生町等5町と合併し60万都市になる事が想定されている。
1)合併協議会
地方自治法252条の2により設置される協議会で、合併を行なうこと自体の可否も含めて市町村建設計画2)の作成や合併に関する様々な事項の協議を行なう組織で、設置するためには、関係する市町村の議会の議決が必要。合併協議会の会長・委員については、関係市町村長、その他の職員、関係市町村議会議員または学識経験者の中から選任される。
2)市町村建設計画
住民に合併市町村の将来に関するビジョンを与え、これによって住民が合併の可否を判断する、いわゆる合併市町村のマスタープランのようのものである。合併市町村がハード・ソフト両面の施策を総合的・効果的に推進するため、合併市町村・都道府県が実施する事業内容等を内容とした計画。
参考URL
総務省ホームページhttp://www.soumu.go.jp/
栃木県庁ホームページhttp://www.pref.tochigi.jp/
今後のレポートの進め方
・合併の必要性〜本当に合併をする必要があるのか?他の選択肢は
・「栃木県市町村合併推進要綱」の分析〜本当に県民の目に立った合併モデルなのか?
・県内で合併協議会が設置されている2地域の現状調査〜行政への聞き取り、市民・町民の声は?