余暇政策論(中村祐司)ノート  k980148A 山本 弘子

余暇政策としての生涯学習―――横浜市の場合

1、     はじめに

近年、政府における余暇政策の一つとして、生涯学習が挙げられる。そのための整備として、「生涯学習の振興のための施策の推進体制等の整備に関する法律」(いわゆる「生涯学習振興法」)が平成26月に制定され、改正された法が平成131月に施行された。また、この生涯学習は、市民たちによる活動の一つともなつている。これらの中には、高齢者の生きがいともなり,市民生活における潤いとなつているものもある。生涯学習という言葉は,時折ラジオや,テレビ,広告などでも目にする。しかしながら,実際,具体的にどのように行なわれているのであろうか?地方自治体としては,生涯学習について,どのような取り組みを行なつているのであろうか?そこで,一つの例として,横浜市においての生涯学習について,リポートをしてみた。

2,生涯学習とは何か

  生涯学習とは,人々が,幼児期から高齢期までのライフステージを通して,その人その人の興味や関心,あるいは,家庭,地域,学校,職場など,その生活の場面に応じて,生涯にわたつて学ぶことである。

http://www.planet.pref.kanagawa.jp/

3、行政が生涯学習に取り組む根拠

「生涯学習の振興のための施策の推進体制等の整備に関する法律」(「生涯学習振興法」)の第2条にある。

(施策における配慮等)
第2条  国及び地方公共団体は、この法律に規定する生涯学習の振興のための施策を実施するに当たっては、
学習に関する国民の自発的意思を尊重するよう配慮するとともに、職業能力の開発及び向上、社会福祉等に関し生涯学習に資するための別に講じられる施策と相まって、効果的にこれを行うよう努めるものとする。

ここでの特徴は、国民の自発的意思で、生涯学習に参加すること。(強制でない)

国や地方公共団体は効果的に行うよう努めること。(生涯学習の基盤をつくること)

http://www.tcp-ip.or.jp/~syaraku/sinkouhou.htm

4、横浜市における生涯学習の取り組み

  生涯学習は,「変わりつつある社会において,一人ひとりについて,主体的に生きる力をつける手段」と位置ずけ,次のような取り組みを行なつている。

1,市民の自立的な生涯学習の推進

2,多彩な学習資源を生かす環境つくり

3,暮らしやまちの創造につながる学びや活動の推進・支援

4,子供と大人がともに学ぶことができる環境つくり

  わかりやすくいえば,

  学びがいの充足

  生きがいの充足〔心の豊かさや自己の充実を図るために〕

  働きがいの充足〔自己をたかめ、充実した職業生活を営むため

         に」   

  創りがいの充足〔明日の地域や社会を創るために〕

http://www.city.yokohama.jp/me/gakusyu/concept/index.html

 横浜市の生涯学習支援センターについて

生涯学習支援センター(または相談コーナー)は,市内18区全てにある。学習相談・学習情報の提供・学習機材の 貸出し,交流コーナーの提供などを行っている。

 (相談コーナーでは,学習相談・学習情報の提供のみ行なう。)

 

情報提供コーナー 

  資格習得など、生涯学習に関する図書や雑誌が置いてあり、自由に閲覧できる。講座のパンフレツト・催し物のチラシ・施設のリーフレツトもある。

インターネツトコーナー

  センターには6台のパソコンが設置され、開館時間中、無料で情報が検索できる。

学習相談コーナー

  開館時間中、学習相談員が、来館者の相談や問い合わせに応じている。また、面談だけでなく電話やFAX、E-mailでも相談を受け付ける。

横浜市の生涯学習支援センター・相談コーナー

 磯子区・栄区/火〜日曜日 10時〜17時
その他の区/月〜金曜日 8時45分〜17時15分

5、横浜市におけるIT講習

  IT講習とは?

IT講習とは,パソコンの基礎的な操作方法を習得し,インターネツトや電子メールを楽しんでもらう講習である。パソコンにまつたく触れたことがない方でも安心して,受講できる。

横浜市では,平成143月までに,約10万人の方を対象とする講習会を開催する予定である。

  どんな内容か?

1,パソコンの基本操作,2,文書作成,3,インターネツトの利

用,4,電子メールの送受信,等,初心者向けの講習となつている。

対象者は,満20歳以上の横浜市在住・在勤者(在勤は神奈川県在住

の方)となる。

講習時間は全12時間で,受講料は無料である。

「一般コース」と「ゆつくりコース」の2種類ある。自分のレベル

に合つたコースを選ぶことができる。

  募集方法

第1期から第5期までの5回に分けて,募集を行なう。「平成13年 

度実施 横浜市IT講習のご案内」を区役所等で,入手し,添付され

ている「IT講習専用申込用紙」と「あて先」を,官製の往復はがき

に貼り付けて,申し込む。

 IT講習に関する問合せ先  

横浜市 I T講習募集・受付センター

TEL:329―3071 FAX:664―9386

お問い合せ時間:9時から19時まで

http://www.city.yokohama.jp/me/soumu/ipd/it/

 

6、おわりに

以上,横浜市における生涯学習について,リポートしたわけであるが,生涯学習は,一人ひとりの生きがいとなることはもちろん,図書館をはじめとする文化施設の有効利用,刻々と変化し変わつてゆく環境や,社会を,生きぬくためのひとつの道しるべとなる。また,人生の充実感,新しい出会いとなることであろう。