Takeia010605
余暇政策論
日本のフリーター
労働省は「200年版労働白書」で、フリーターの数を151万人という推計を報告した。総務庁の97年の就業基本調査から、男性61万人、女性90万人であり、92年の101万人からこの5年間に50万人も増加した。
フリーター:年齢は15歳〜34歳でパートやアルバイトで働く者。男性は継続就業年数が1〜5年未満、女性は未婚者、現在は無業だがパート、アルバイトを希望している者。(労働白書)
20歳〜24歳が82万人と最多、次いで25歳〜29歳が35万人、15歳〜19歳が20万人、30歳〜34歳が14万人。学歴別では高卒が35.4%、大学・大学院卒が17.5%、高専・短大卒で12.7%だった。
仕事はコンビニやスーパー店員などサービス業務が6割強。平均月収は10万〜14万円の人が最も多く、3割強を占めている。
卒業しても、正社員として就職せず、アルバイトで生活するフリーターに「魅力を感じる」と考えている高校・大学生が3割近くに達することが、アルバイト情報雑誌を発行するリクルートフロムエーの調査でわかった。
「フリーターに魅力を感じる」と回答した高校生、大学生の理由は、「いろいろな職種を体験できる」「正社員より自分の時間が多そう」「正社員より仕事が楽そう」などである。
* パラサイトフリーター
経済的な自立が難しく、家族と同居する「パラサイトフリーター」。8割弱をしめている。
* 1年のときから就職指導を始める大学
1年生を対象に「卒業後」の進路指導を始める大学が増えてきた。最近の厳しい就職環境に対応した動きで、どんな仕事に向いているかを探る適正検査もさかんである。しっかりした職業意識が育てばフリーターの増加を抑えることができる、と大学側はもくろむ。今年4月初め、東京の帝京大が新入生ガイダンスの一環で講演会を開いた。講師はリクルート社の石川純一・前「就職ジャーナル」編集長。約3500人の学生を前に、企業が実力本位で人材を選ぶようになったことを挙げ、自分の得意分野を早く見つけて磨くようアドバイスした。
「人間力養成」をうたい、1、2年生向けの連続講座を開いているのは専修大。商社の元人事部長らが「人生の基本」「組織と個人」「マナーと品格」などのテーマで語る。「いざ就職活動を始める時に自分の意見をはっきり言える学生を増やしたい。講座はその地ならし」(同大就職課)
立教大では、就職部の提案で、昨年から「仕事と人生」という科目名の授業がスタートした。働く意味や就職の実態、仕事と家庭のかかわりなど職業選択に役立つ内容で、1、2年生が受講者の中心。計13回の授業を受け、試験に通れば2単位が与えられる。
まとめ役の井上雅雄教授(労働経済学)は「就職先を短期間で辞めたり、フリーターの道を望んだりする若者の多さが問題になっているが、就職のノウハウを教える前に、職業意識を培うことが大切だ」と話す。
昨年、「適職発見」に役立つ就職雑誌「JM」を発刊した亜細亜大。1年生の読者も意識し、OBの活躍などを紹介しながら、働く意味を考えさせる体裁だ。
学生に将来の道筋を考えさせるために適性検査を使う大学も目立つ。松山大(愛媛県)は今春、入学したばかりの1200人の検査を行い、その結果を学業、生活両面の指導に反映している。同大就職課は「受験から解放され、ほっとした気分の学生には気の毒だが、適性を知り、就職への気持ちを高めるためには早い方がいい」と説明する。
聖学院(埼玉県)、阪南(大阪府)、宮崎産業経営の各大学も、1年生対象の適性検査を進路指導に結びつけている。
早めの進路指導は私立大学が熱心だが、最近は国立大にも動きが出てきた。愛媛大の就職指導室は「自分に合った進路を見極めるために」というパンフレットを新入生に配っている。広島大は2年生以上を対象にした講義「職業選択と自己実現」で職業意識を高める試みをしている。
* フリーター支援の事業費
フリーターのうち安定的な雇用を希望している10代、20代の若者への就職支援を行うための事業費が22日、坂口力厚生・労働相と宮沢喜一蔵相の復活折衝で認められた。フリーターが特に多い東京、大阪、神奈川、兵庫の4府県の職業安定所を指定し、個別指導を行う職員を配置。安定した雇用を求めて職業安定所を訪れた若者に対して、就職できるまでトータルに支援する。
具体的には若者に求職登録をしてもらったあと、職業適性診断や、個々の状況に応じた職業指導を実施するほか、パソコン講習など能力開発も行う。さらには求人の開拓や求人情報の提供、企業への働きかけも行い、雇用につなげる。フリーターは全国で約150万人余りいるとされ、そのうちフリーターであることに不安を感じている若者は約4割という。
http://osaka.cool.ne.jp/ungifted/freeter/jittai.htm