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余暇政策論  990132Z 関谷恵梨子

 

*国際ワールドゲームズ協会

国際ワールドゲームズ協会(IWGA)は、国際オリンピック委員会(IOC)の公認団体、国際スポーツ団体総連合(GAISF)の関連団体のひとつで、4年に一度ワールドゲームズ大会を開催するほか、IWGA会員スポーツ種目の普及、発展のため各種活動を行う。  

会員は、GAISF会員で、オリンピック競技に含まれていないスポーツの国際統括団体であることを条件に、年次総会で加盟が承認され、1997年次総会終了時で33団体。

*日本ワールドゲームズ協会

1985年に国内の競技連盟などによって、日本ワールドゲームズ委員会が発足。国際ワールドゲームズ協会(IWGA)との連絡やワールドゲームズの普及に努めてきた。 199112月、日本ワールドゲームズ委員会は、日本ワールドゲームズ協会(JWGA)に改組。以後、IWGAの事業に参画し、ワールドゲームズの日本誘致や、国内大会の開催等を目指して活動中。

 

・ワールドゲームズ

 “もうひとつのオリンピック”とも言われ、国際スポーツ団体連合(GAISF)加盟競技のうちで、オリンピックの競技以外のスポーツ約30競技について4年に1度開催される。国際ワールドゲームズ協会(IWGA)主催、国際オリンピック委員会(IOC)後援。

参加選手はオリンピックのように国、または地域の代表ではなく、世界最高レベルという基準で各競技の国際団体によって選ばれた選手である。

競技とは別に、「sports for all」の普及を目的とした市民参加型イベントのほか、コンサートや展示会などの文化的イベントも実施される総合的文化イベントでもある。

 

・ワールドゲームズの特徴

 『1.開催都市は既存の施設及び計画中で開催までに完成する施設を使用して行うことが原則であり、正式競技種目のすべてを実施できなくても開催都市に立候補できます。

2.各国の代表選手によって競技が行われるのではなく、選手は世界最高レベルという基準により各競技のIFが検討し、国の競技団体に派遣を要請します。

3.開会式・閉会式の入退場や宿舎は国別でなく競技種目別にまとめられ、同じスポーツを通じての国際交流が促進されます。

4.10日間の大会期間中、大会参加者が一同に集える「ワールドゲームズ・パーティ」を開催し、参加者の交流を深めます。

5.正式競技・公開競技の他にも伝統的、民族的スポーツ種目を追加プログラムとすることができます。

6.競技大会とは別にコンサートや展示会など文化的イベント、一般市民の参加を求めるスポーツイベントなどを実施し、ワールドゲームズを幅広い、すべての人のための総合的な文化イベントにすることが義務づけられています。』(http://www.ssf.or.jp/jwga/3_chara.htmlより抜粋)

ワールドゲームズは個人の自主参加で国別参加ではない。選手は自分で手続きをして、自分で航空券を買って大会会場へやってくる。開会式の入場も、宿泊する場所も競技別にまとめられ、さまざまな国から集まった同じスポーツを志す選手たちが期間中親しく触れ合うよう配慮されている。

また、表彰式に金・銀・銅のメダルは授与されるが、あくまでも参加する選手により世界トップクラスの競技を競い合い、行き過ぎた国威発揚や勝利至上主義を排除するという趣旨から当初、国旗の掲揚や国歌の演奏は行われていなかったが、第5回ラハティ大会から国際色を出すために、国旗の掲揚と国歌の演奏を行っている。

ワールドゲームズの受け入れは、オリンピックと同様に会場提供都市単位で行われる。会場提供都市はホストシティと呼ばれ、当該大会の5年前に開かれるIWGA年次総会で決定される。 ホストシティでは、大会の受け入れにあたり組織委員会を組織し、開催に係る競技場、宿舎、プレスセンターなど諸々の施設の手配や、観客動員のための広報、競技のテレビ放映などメディアとの協力体制の確立、スポンサーの獲得等にあたります。また、ワールドゲームズは既存の施設を使用して開催することを原則としているため、ワールドゲームズの正式競技の全てを実施できなくてもホストシティとして立候補することができます さらに、公開競技の決定にあたっては、ホストシティの意向が考慮されるようになっています。

 

・これまでのワールドゲームズ大会

 

開催年

場所

実施競技数

参加者数

第1回

1981

サンタクララ(アメリカ)

18

1500人

第2回

1985

ロンドン(イギリス)

23

2500人

3回

1989

カールスーエ(旧西ドイツ)

41

4000人

4回

1993

ハーグ(オランダ)

29

3000人

5回

1997

ラハティ(フィンランド)

30

2000人

6回

2001

秋田(日本)

31

 2500人(予定)

 

(以上、参考:日本ワールドゲームズ協会ホームページhttp://www.ssf.or.jp/jwga/index.html

 

『表彰式で国旗掲揚へ

危機感を抱いたIWGA(国際ワールドゲームズ協会)は、メディアの関心を得るためには表彰式での国旗掲揚、国歌演奏などを排したWGの基本理念は逆効果だと判断。WGの本県開催が正式決定するころと相前後して、新世紀最初となる秋田大会を「初めて国家色を取り入れる大会」に位置付け、発足当初の

基本理念を180度転換させることを決めた。81年にサンタクララ(米国)で産声を挙げたWGは、その前年に開催されたモスクワ五輪の影響を色濃く受けている。80年の同五輪は、旧ソ連のアフガニスタン侵攻に抗議する形で西側諸国がこぞって参加を取りやめるなど、五輪に政治が積極的に介入した最初の大会であった。だからこそ、IWGAは、スポーツへの政治介入を拒むため、開会式の入場行進を国別ではなく競技別で行うなど、国家色を薄めるための独自のWGのスタイルを築き上げたのだ。だが、回を重ねてもWGの認知度は依然として低いまま。IWGAは、五輪と違い、国別のメダル争いなどナショナリズムをくすぐるような刺激の乏しさが、逆に観客やメディアの興味を奪ってしまった、とみている。

本県側には戸惑いも

WG発足当初の理念に賛意を示して大会を誘致した本県側は戸惑いを隠せないでいるが、すでにIWGA側の要請を受ける形で国旗掲揚、国家演奏の導入を決め、国別入場行進についても現在検討を進めている。だが、国家色を強めることで新たな問題も生じる。国ではなく地域代表として参加する選手たちの処遇である。組織委は、綱引き競技にイングランド、スコットランドなど地域ごとの代表を送り込んでくる英国のケースに関して「特例としていずれの代表が表彰されてもユニオンジャックを掲揚する」方針を固めているが、外交関係のない台湾をめぐっては頭を悩ませている。「最終的には台湾の五輪旗を掲揚することになるだろう」(組織委)。

スポーツと国家色。にわかにクローズアップされた問題のように見えるが、すでにベルギーや韓国のようにWG出場選手の扱いを五輪選手と同等にとらえ、国家代表として選手を派遣している国々もある。秋田大会は、当初の理念を放棄したWGの行く末を考える意味でも重要な舞台となる。

(2000.8.17付)』

参考:秋田魁新聞ホームページ(http://www.sakigake.co.jp/Sports/wg/ato/ato.htmlより抜粋)

 

→あくまでもワールドゲームズはスポーツの祭典であり、スポーツを通して普段は交流をあまり持つことのできない、違う国の人々が親交を深めるということを第一の目的とするという点は非常に評価できる特徴のひとつではないかと思う。

“国”という枠組みを主張することなく、純粋に技を競い合い、同じスポーツをともに楽しむという姿勢は、大げさではなく国際社会の協調ということにつながるのではないだろうか。第5回大会からは国際色を出すために国旗の掲揚、国家の演奏を行っているということだが、そのことが国威発揚や勝利至上主義に直接につながるものではないだろう。オリンピックにおいても、ワールドゲームズにおいても、他のどの国際大会においても、参加選手たちにとって、また、その姿を見て感動する私たちにとって、その瞬間は国威や権力とは無関係なものでありたい。

 

*ボランティア

『昨年7月、4000人の目標を立てて始まった第6回ワールドゲームズ(WG)のボランティア募集。今月14日現在の応募数は663人と8団体。各団体からの参加人数をカウントしても計1015人と目標値には遠く及ばない。既に事前ボランティアたちが活動を始め、情報誌発行や広報、プレイベント運営などに携わるなどそれなりに盛り上がりを見せているのだが、大会本番に参加するボランティアの応募ペースがいま一つ上がっていない。原因の一つは、開催が決まって4年たちながら、県内でさえ思ったようにWGの認知度が上がらないこと。「PRビデオを見てもらうと、『そんなに大きな大会なの』と今でも言われる」と、秋田ワールドゲームズ2001組織委員会はPRの難しさを実感している。今年4月に始まった二次募集の期限は来月末だが、組織委は期限延長の検討を余儀なくされている。ボランティア登録者に知人への勧誘を呼び掛けてもらうとともに、新たな募集アイデアを募り始めた。

企業に協力求める

参加意欲がありながらも、大会期間中の予定が立たずに応募に踏み切れないでいる人たちへの配慮が必要だと判断。また、ボランティア登録申し込み時の業務希望調査で、最低5日間とされている参加日数も足かせになっていると考え、柔軟に運用することにした。「参加日数が少なくても依頼できる業務はある

はず。後から調整も利くので、参加したい人はまずは登録を」と、登録の間口を広げる策に出た。

「攻め」の募集も始まった。7月下旬には、秋田市を中心に従業員100人以上の企業120社をリストアップし、ボランティアへの協力を求める企業訪問を開始。「150人が手伝える」と内諾した会社もあり、一定の手ごたえを得ている。また、県内の大学・短大と秋田市内の専門学校が夏休みに入る前に、授業時間を借りて学生たちにボランティア募集の概要を説明。休み明けには、関心を示した学生に対し、より詳しい説明と応募の受け付けをすることにしている。「大会本番は夏休み期間中となるので、学生のボランティア参加に大きな期待をかけている」(組織委)。組織委は現在、14の競技会場ごとの運営マニュアルを作成中。完成すれば、これまでの大まかな募集目標とは違い、ボランティアの必要数が明らかになる。募集策の実効具合と併せて、大会運営を支える人的態勢整備は新たな段階を迎える。

先月8、9の両日、大潟村で行われたジャパンオープン水上スキーでは、WGのプレイベントの一つとして、登録ボランティアたちが運営に携わった。秋田市の川村幸子さん(新屋高校2年)は「メンバーの中で私が一番年下だったが、大会をいいものにしたいという共通の目的と情熱の中で活動し論議するのは、とても楽しかった」と話し、能動的に取り組むボランティアのやりがいを実感した様子。先月中に6つのプレイベントが行われ、ボランティア同士が交流し刺激し合う重要な機会となった。

「選手たちにとっては4年に一度のシビアな大会。ボランティアには楽しみながらも責任感とモラルを持ってもらいたい」と組織委。一昨年行われた長野五輪は、ボランティアの力があってこそ成功したと言われる。必要数確保の一方で、質向上の問題も問われている。

研修や経験が必要

組織委は、登録者の意識高揚と大会PRを目的にきょう19日、県児童会館でボランティア大会を開き、スポーツボランティアの団体代表らをパネリストにパネルディスカッションなどを行う。パネリストの一人、長野五輪組織委員会でボランティアの管理などに当たった豊田雄三さん(44)=長野県保健予防課課長補佐=は「プレイベントなどを通じて、やる気を高めていく人も少なくない」と、準備段階の重要性を指摘する。大会の成否を握るボランティア。より多くの研修、経験を積んでもらった上で本番に備えるためにも、募集促進は切実性を帯びている。大会は既に始まっていると言える。

(2000.8.19付)』

参考:秋田魁新聞ホームページ(http://www.sakigake.co.jp/Sports/wg/ato/ato.htmlより抜粋)

 

ボランティアたちの手によって語学研修なども行われている。約80の国、地域から約2500の参加者。大会のスムーズな運営に最も重要なのは文化の違いを認識すること、特に言葉の壁であろう。ホテルや飲食店従業員、そしてタクシードライバーへの講習会も行われた。ホテルなどでは、英会話のできる従業員に助けを求めるという方法をとることもできるが、タクシードライバーなどはその場を一人で乗り切らなければならない。業種別英会話マニュアルや指差し表をつくり備えている。年配の人も多いであろうタクシードライバーによる外国からの参加選手、観光客への対応は、かなり重要なポイントではないかと思う。

長野五輪はボランティアの手によって成功したといわれる。その長野五輪のボランティアに協力した人たちも、ワールドゲームズPRに積極的に協力してくれているらしい.