先々週の続き

あれからHPを経済・ビジネス関係を中心にいろいろと探ってみた。結果はあまり芳しくないものである。経済関係のページを探っても、二つの異業種統合ブランドを取り上げているのは無いに等しく、少ないものの多くは異業種統合ブランドの誕生という「ニュース」止まりであり、その動き自体に興味を示す記述はないようだ。(俺の観点は正しくないのだろうか?)

 テーマの変更が少し(けっこう大幅に?)必要になってきた。

 

視点の変更

 軌道修正を図るため、視点を離したり近づけたりすることにした。そこで考え出された二つの案件。

     更に視点を近づける。すなわち、二つの異業種統合ブランドの中の共通点である「車」を取り上げてみてはどうか?

     更に視点を遠ざける。すなわち、二つの異業種統合ブランドの原点に立ち返り、「繋がること」をテーマに、二つの異業種統合ブランドに限定せず、様々な分野同士のコラボレイトを考察する。

この二つの案件について思案してみたところ、前者の場合では、大幅な趣旨の変更が迫られる。つまり、「Will Vi、Vs」、「マツダトリビュート」という共通した商品について考察したところで、それが「繋がること」から遠くなるということに気付いた。ここからは、先々週の内容を引き継ぐ形になってしまうが、二つの異業種統合ブランドについて掘り下げていく。ただし、視点の中心は「車」である。先々週の俯瞰的な視点から、一つの商品に視点を移し、そこから他のものをみわたすという思考は、とても意義深いものであったと思う。それも二つのプロジェクトに車という共通項があったからこそなせる技なのだが。

「Will Vi,Vs」を中心に・・・

  この車は、商品の金額、知名度ともにこのプロジェクトの花形とも言える存在である。「Vi」の斬新なデザイン(カボチャの馬車をモチーフにしたらしい)はトヨタヴィッツ(丸みを帯びたデザインの大ヒット車。)の兄弟車とは思えない。個性的な外観と家庭的な乗用車を造ってきたトヨタの技術の結晶ともいえるこの車は、個性を重視する若者、特に女性の人気を得た。街でも意外によくみかけるこの車、乗っている人も女性が多い。その女性人気が狙いどうりだったのか、不本意だったのかは分からないが、次なるWill車第二弾、「Vs」では、女性的な丸さは少なく、どちらかといえば男性的な外観であり、ステーションワゴンに近い大きさからも、ターゲットは男性が中心なのだろう。

  車自身についてはそのようなものだ。問題は、この位置から見たプロジェクトの全体像である。

  この車と他の「Will」プロジェクト商品との関連性はないに等しい。全ての商品についても同様であろう。すなわち、このプロジェクトにおいて全ての商品は「Will」という名の同一平面上にあるものの、それらを繋ぐ線は存在しない。異業種統合プロジェクトという言葉から俺がイメージしたものとはだいぶ異なるということがわかった。同じブランドというより、同じ店の同じショーケースの中に違うブランドの商品が並んでいるような感じだ。となると、繋がることの意義が問われる。「Will」という巨大な名前を利用するだけのためにあの大企業達は手を組んだのか?「夢の競演」が「烏合の衆」であるならば、俺様のこのプロジェクトへの評価は大変低いものとなるだろう。

「マツダトリビュート」を中心に・・・

   言わずもがな、このプロジェクトはマツダが中心となって立ち上げたものである。で、あるからして、必然的に円の中心にマツダが在るのであり、同じところにこの車も在るのであろう。基本的にマツダが中心である以上、マツダトリビュートのCFにはソニーミュージックのアーティストの楽曲が使われ、登場する人たちはTKタケオキクチの服を着ていた。そして「サトラレ」の映像も挿入されるという徹底っぷりだった。これはマツダトリビュートのCFだったのであるが、TRIBUTE.linkのCFのようなものだった。烏合の衆と評価するわけにはいかないだろう。コラボレイトする相手が複数に渡る場合、中心となるモノの存在は必要なのかもしれない。その存在によって有機的な関係を保つことが出来るのではないか?しかしながら、その効果はと問われれば、簡単に回答は出来ないだろう。要はその経済的メリットである。少なくとも、ソニーミュージックにおいてはその効果は期待できそうだ。いわゆる「タイアップ」という代物なのだが、CF、または映画の主題歌などに自社のアーティストが起用されることによって売上の向上が見込める。映画「サトラレ」についてはどうか。CFへの映像の挿入のみで集客率の増加は見込めるのだろうか。最も重要なのは立ち上げ元であるマツダである。新車「マツダトリビュート」の発表と同時にこのプロジェクトを立ち上げたのだが、CF上の演出、映画への登場(俺は見ていないので推測だが、きっと登場しているだろう)などによってどれだけの売上への効果が見込めるのだろうか。疑問に思えてくる。繋がりは良くとも、その完全な相乗効果が見込めない限り、その価値は余り良いものとは言えない、そう思うのだ。それが企業の繋がりの上で最もシビアな点であり、本音を言わせれば最重要案件なのではないか。

 

このような考えから、二大異業種ブランドプロジェクトについての考えがいささか変わってきた。「心意気」を重要視していた感のある先々週のノートとは大分方向性の異なるものとなってしまったが、心意気だけでは飯は食えないということか。マツダトリビュート・リンクの閉鎖されたHPと、関連各社それぞれからリンクが張られているWillのオンラインショップを見ながら、少しだけ切なくなった。

 

どうする?これから。

さきほどの案件そのA「遠方からの視点」を選択し、広がった視点のなかでレポート作成に臨みたい。視点を広げるといったが、それは、最初の視点以上に拡張されることはないだろう。今まで異業種統合ブランドというごくごく小さな視点で見ていたが、それをもとの視点、すなわちキーワードとしてノートに書かれたようなところまで視点を戻すことで、過去のものをさらに見直し、現在、結果が見えつつある異業種統合ブランドを踏まえ、そしてあくまでも空想に過ぎないが、未来の「繋がること」の可能性を模索したい。