国際文化学科3

980554A 和代志保

http://www.ohararyu.or.jp/

生け花

 

 

1、初めに

生け花とは、茶道と並ぶ日本の伝統芸術の一つである。私も4年前からこの世界に足を踏み入れたが、とても奥深く、魅力的である。しかし、現実として未だに「花嫁修業」と考える人も多く、若い人の生け花人口は年々減少している。そこで、生け花とは何かを調べることで、少しでも多くの人にその魅力を知ってもらえたらと思う。

 

2、生け花とは

(1) 生け花とは

生け花は日本で700年も前から独自に発展してきた、枝や葉や花などを器に美しく飾る芸術である。その技術を一通り習得するまでには35年かかるといわれる。いけ方の様式は様々であるが、代表的なものとしては、坪型の器に生けるヘイカ(瓶花)(またはショウカ、セイカ、ナゲイレ、リッカ)、皿型の水盤という器に生けるモリバナ(盛花)などがある。

 

盛花 瓶花

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  1. 生け花の歴史

@ これまでの変遷

生け花の始まりは、仏前の供花といわれ、それが宗教的な意味合いから、次第に鑑賞の対象に変化していく。室町時代になり、「書院造り」の床の間が完成すると、そこにおける床飾りの一つとして定着するようになる。これまでは移動できる場所に置かれていた花が、定位置に飾られるようになり、座敷飾りの花から「立花」という最も古い生け花の様式となる。(ここで全ての流派の源の「池坊」が生まれる。)桃山時代に大成された立花は、江戸時代に最盛期を迎える。また江戸時代の中頃になり、茶の湯の流行にともない「なげいれ花」が生まれ、複雑な立花に対して、庶民にも受け入れやすくなる。(そこから、「古流」、「遠州流」が生まれる。)その後、なげいれと立花の中間を行く花(これが現在の「生花」あるいは「格花」)が確立される。明治時代に入り、洋風の生活化に伴い、時代性にふさわしい生け花が出来てくる。(このころ、「小原流」、「安達流」、「草月流」などの様々な新しい流派が生まれる。)

A 現在の形

これまでは床の間に飾られることが多かった生け花が、時代の流れにより、玄関や今などに自由に生けられ、公共建物のホールやショーウィンドーなどにも飾られている。それに伴い洋風空間にマッチする多面的な生け花も生まれている。

 

3、現代の生け花

(1) 生け花とフラワーアレンジメント

クリスマスアレンジhttp://www.nissekigas.co.jp/fleur/beadsx'mas.html

現在、カルチャースクールなどで生け花と並び人気なのが、欧米の生け花、フラワーアレンジメントである。(大きく言うと、生け花の英訳も含まれるがそれは除く。)フラワーアレンジメントとは、たくさんの花を使い一つのまとまりを作る、とても華やかなものである。それは、食卓を飾るものや、ブライダルブーケ、広くはガーデニングを含むこともある。材料もビーズや食べ物を用いるなど、実に様々で自由であり、それだけにその人気もうなずける。

フラワーアレンジメントと生け花を比較すると、フラワーアレンジメントが次々に花を挿していくのに対して、生け花はできるだけ枝や葉を省略し、いかに少ない花で美しく見せるかを工夫する点である。最近では伝統的な流派でも、生け花の基礎を踏まえながら、フラワーアレンジメントの要素を取り入れた技法もある。しかしこの場合でも、空間のバランスを活かした生け方をする。

 

2)生け花とインターネット

@ホームページの多様化

インターネット上でも、生け花に関するホームページは数多く存在する。その内容も実に様々で、各流派の公式ホームページから個人の趣味の記録、さらに海外からのものもある。公式ホームページは、生け花の歴史の説明や教室の案内などの情報を提供している。個人のホームぺージでは、その人の作品や感想などを見たり、情報交換なども可能である。

実際の生け花の世界は流派により確立されているため、他の派の活動を知る機会は少ない。しかしネットを使うことによりその情報は容易に手に入り、それも国内のみならず、海外の活動さえも知ることができるのである。

Aパソコンの世界での生け花

上で記した様々なホームページの中で、特のCGの技術を生かしたものを2つ挙げて紹介したい。1つは『バーチャル生け花』である。自分でマウスを動かすことのより、画面上で「生ける」という体験ができる。実際に生けることは大変だが、これは簡単に作品を作ることが出来、生け花へのきっかけとして楽しめると思う。2つめは、『Hyper華道教室』である。これは3Dを使い、作品を360度どの方向からも見られるようになっている。生け花は写真でその立体感を表すことは難しいため、立体的に表現できるということは画期的である。生け花を知らない人のみならず、習っている人にも役立つと思う。

 

4、終わりに

実際に生け花をインターネットで調べてみて、実にたくさんの人がそれぞれのやり方で生け花を楽しんでいることが印象に残った。また、各流派も生け花を広めるべく、多くの努力が為されていることも分かった。確かに生け花は外から見れば、古めかしく、敷居の高い世界かもしれない。また実際に習うには時間もお金もかかる。しかし、本当の生け花とはその作品を見て美しいと感じる、それだけでよいのである。そのための簡単な機会として、インターネットは非常に有効である。インターネット上で「花を生けて」みたり、「花展に行って」みたりして、より多くの人に生け花に親しんで欲しいと思う。

 

 

《ホームページの紹介》

http://www2.wbs.ne.jp/~haru/

個人の記録のホームページで、生け花とフラワーアレンジメント、習字まで見られる。

http://www.st.rim.or.jp/~pon/katen.html

常に78くらいの作品が写真で見慣れる。

http://www.hbs.ne.jp/home/suzuki/

生け花の海外での活動が紹介されている。

http://www.ohararyu.or.jp/

小原流の公式ホームページで、生け花の歴史から、小原流の活動状況、教室の案内などの情報が得られる。

http://www.ikenobo.or.jp/

池坊の公式ホームページで、生け花の歴史、稽古場の紹介などがある。

http://www.st.rim.or.jp/~pon/kadou/

CGを使い、生け花が立体的に見られ、詳しい作品の解説もついている。

http://jin.jcic.or.jp/kidsweb/virtual/ikebana/virtual-ikebana-j.html/

CGを使い、画面上で花を生ける体験が出来る。