中国茶 余暇行政論レポート
国際学部国際社会学科2年
990128A 佐藤美和
最近、日本でも人気のある中国茶。先日「世界ふしぎ発見」というテレビ番組で、私達のお茶のルーツを中国茶に探るという興味深いものをみました。私達が普段飲む「茶」とつくものは全部中国茶の分類の中に含まれ、茶の原点が中国茶にあることが分かりました。さらに、中国茶は中国の文化の一つであり、その歴史に深く関わっているということも分かりました。これらの中国茶の魅力、そして疲れたこころと体を癒してくれる中国茶のその実用法を探ってみようと思います。
●中国茶の種類
ひと口に中国茶といっても、その種類は3000以上といわれており、それらは発酵の弱い順に緑茶、白茶、青茶、紅茶、黒茶、黄茶と6種類に分類されます。(これを中国六大茶と言う。)
●緑 茶(不発酵)
上海系の人々を中心に飲まれています。日本茶と同じ不発酵茶にあたりますが、製法が違うため味も風味も違います。
●白 茶(軽発酵)
中国福建省特産の珍品で、生産量も種類も少ない貴重なお茶。主にマカオ、シンガポールに輸出され、広東人にも好まれています。清新な香りと柔らかい風味が特
徴です。
●青 茶(半発酵)
少し緑がかった色味をもったものの方が高級と言われ、お茶の甘みが魅力的。高級銘柄として凍頂烏龍茶が有名です。
●紅 茶(全発酵)
紅茶は、もともとは中国福建省が発祥の地。世界3大銘茶のひとつの「キーマン」や「ラプサンスーチョン」は既に英語になっています。
●黒 茶(後発酵)
雲南省原産の麹菌を使った後発酵茶で、お茶は焦げ茶色をしており、独特のかび臭さに特徴。有名なのがプーアール茶です。脂肪分を洗い流す効果があり、広東人
や香港人が好んで食事中に飲みます。
●黄 茶(後発酵)
湖南省特産の高級茶。唐代から中国皇帝への献上茶として名高い。黒茶より発酵度が低い。
その他のお茶として、
●花 茶
ジャスミン茶が代表格。主に緑茶に花の香りをつけて作り、花が混ざっていない方が高級。北京をはじめ、華北・東北部で広く飲まれています。
http://floracity.hitachi.co.jp/go/yy/sinkan/speech/vol26/ocya.html
●基本的な中国茶の入れ方
1 はじめに、全ての器(急須・茶海・茶杯・聞香杯)を温めます。
2 急須の2分の1くらいまで、お茶葉をいれます。写真の茶葉は東方美人です。
3 お湯を急須に入れて蓋をします。数秒ほど蒸らします。お茶の種類によって蒸らす時間が異なります。
4 次に、お茶を茶海に注ぎます。茶葉の種類によっては1煎目を捨てる、「洗茶」をする場合もあります。
5 茶海に入れたお茶を、聞香杯に注ぎます。
6 聞香杯から茶杯にお茶を移します。空になった聞香杯は残り香を楽しむためのものです。香りを楽しんでから、茶杯のお茶を
飲みましょう。茶葉は開ききるまで何煎でも飲めます。
●保存方法
お茶の保存は、お茶の持つ特性を知った上で考えることが重要です。お茶の特徴としては@水分を吸収しやすい、A匂いを吸収しやすい、B酸化しやすいと言うことがあげられます。これらの特徴はお茶が変質しやすいことを如実に表しています。したがって、いかにこれらの特徴による影響を遮断するか、それがお茶を保存する場合のポイントになります。しかし、湿気、匂い、温度と言う要素は、私たちが普段生活している環境には通常のこととして存在していますので、どうしたらこれらの影響からお茶を守ってあげられるのかを考えてみましょう。一番手っ取り早く有効な方法は、乾燥剤をいれて真空パックにする方法でしょう。しかし、一般家庭ではなかなか真空パック用の装置を持っていないでしょうし、またすぐ飲むお茶をわざわざその都度真空パックするのも手間がかかります。したがって、次善の策を取らざるを得ません。いくつかの保存方法のある中で、次の方法が比較的有効であると思われますので、参考までにご紹介しましょう
◆お茶の保存法1:ジプロックに入れ冷蔵庫の野菜室で保存
茶葉をジプロックに入れ、できれば乾燥剤を入れてしっかりとチャックを閉めた上で、冷蔵庫の野菜室に入れます。なお、野菜室には様々なものが入っていて、それらの匂いがお茶に影響を与える恐れがありますので、必ず脱臭剤を入れておきましょう。
◆お茶の保存法2:1回分ずつに小分けし、冷凍庫で保存
茶葉を1回分(約5グラム)ずつ小さなチャック付きの子袋へ入れ、それを冷凍庫へ入れて保存します。一まとめにして冷凍庫へ入れると、出した都度、ビニール袋が結露して湿気を吸う可能性がありますので避けた方が良いでしょう。
◆お茶の保存法3:錫の茶缶にいれ保存する
香港等で買い求めることができる茶用の錫の茶缶にお茶を入れて保存します。茶缶を初めて使う場合は、あまって要らないお茶を入れて1月ほど置いておくと、中のにおいが消えます。錫の茶缶は密封性が高いのですが、それでも完全に密封されているわけではありませんから、風通しの良い涼しいところにおいておきましょう。
◆お茶の保存法4:茶箱で保存する
比較的量の多いお茶の保存には、茶箱がもっともいいとされています。うち張りが錫箔になっており、密封度も高いので、日本でもインドでもこの茶箱は使われています。これも風通しの良い涼しいところにおいておきましょう。
●花粉症対策・甜茶
今や、日本人の10人に1人が花粉症に悩まされているとまで言われていますが、今年もそのシーズンを目前にして、憂うつな思いでいらっしゃる方も多いと思います。この国民病ともいえる花粉症に効くということで昨年の春以来、薬局やスーパーの店頭に「甜茶」と呼ばれる中国茶が数多く並んだことを覚えておられる方も多いのではないでしょうか。
花粉症のようなアレルギー反応においては、肥満細胞からヒスタミンなどの化学物質が遊離され、鼻水、くしゃみ、鼻づまりといった不快な症状を引き起こすといわれます。
バラ科植物の甜茶にはヒスタミンなど化学物質が放出されることを阻害する成分(ポリフェノール)が含まれているという研究成果が平成6年秋に発表された(※)ことから、注目を集めるようになりました。※ 三重大学医学部 鵜飼幸太郎ら、第44回日本アレルギー学会(1994)
甜茶といってもバラ科以外の甜茶もありますので、花粉症などの鼻アレルギーの症状をいささかなりとも軽くさせる効果を期待して購入される方は表示をよく見て、バラ科植物を原材料とした甜茶と記載してある製品を購入するとよいのではないでしょうか。
http://www.maff.go.jp/soshiki/syokuhin/cqccs/nf26.htm
●宇大近郊のお店
レピシエ
マリアージュの東京支店開店を手がけた方がはじめたマリアージュ的品揃えのお店です。現在、全国的に店舗展開を進めており、主要都市にレピシエありという感じです。
???千駄ヶ谷店では、壁に四角い茶の箱が並び、其の前には丸い缶に入ったサンプルと解説が並んでいます。紅茶とフレバリーティー中心の品揃えですが、中国茶の品揃えも何種類か揃っています。特に98年念書からは台湾のお茶の輸入に力を入れ、凍頂烏龍、文山包種茶茶、木柵鉄観音などがずらりと揃うようになりました。また、中国緑茶が多いのも、この店の特徴といえるでしょう。中国茶入門者は、この店でまずはどんな中国茶があるのかを知るのも面白いと思います。
一度買い物をして、名前の登録をすれば、毎月お茶のサンプル付きのレピシエ便りが届きます。これはなかなか面白いです!
なお、インターネット、電話、ファックスでの注文も可能です。
*宇都宮の福田屋ショッピングセンターに支店があります。
http://www.asahi-net.or.jp/~ru4k-hrt/tea/shop/teaska-017.html
このように、お茶の魅力は幅広い楽しみ方と工夫ができるうえに、私達の心と体の健康に良い効果があることです。まだまだ宇都宮などでは本格的な中国茶の手に入るところは少ないようですが、烏龍茶などの日本人にも日常的なものなどから試してみたり、今ちょっとしたブームになっているお取り寄せなどで楽しんでみるのもいいとおもいます。ここでは、実用的なお茶の楽しみ方を中心に取り上げましたが、お茶は私達の文化や歴史に大きな影響を与えてきた飲み物です。たまには、炭酸飲料などの飲み物より、ふるきに戻りリラックスするのも今の日本人にはいいのではないでしょうか。