余暇行政論レポート 国際学部国際社会学科 990102X 阿部真理子

CMの効果

テレビをつければ、どこかのチャンネルで必ずCMが流れている。現在その数は数え切れないほどあるだろう。ぱっと目をひくロゴや、耳に残るメロディー、心に響くキャッチ・フレーズ、強烈な印象を与えるキャラクター。視聴者の注意を引き、好感を得るために、CMには実に様々な工夫が凝らされ、戦略が練られている。「ヒット商品はCMが生み出す」と言っても過言ではないだろう。実際、私も好きなCMの商品を買いたいと思うし、例えば食品CMでおいしそうに見えたら、食べたいと思うし、大好きな芸能人やキャラクターが出演している商品など、あまり必要でなくても欲しくなってしまう。消費者の心をうまくつかみ、売り上げ、そして景気までもを左右するTVCMについて調べてみる。

1.最新TVCM好感度オリコンランキング http://news.yahoo.co.jp/ranking/ori/cm/cm_w.htmlより

CM好感度(ウィークリー200065日号)

毎週月曜日 更新

 

 

順位

商品名

企業名

出演者

1

タカラcanチューハイ サワー<モルト>

宝酒造

藤原紀香

2

サッポロ黒ラベル〜Love Beer

サッポロビール

山崎 /豊川悦司

3

BOSS7

サントリー

香取慎吾

4

キリン 生茶

キリンビバレッジ

松嶋菜々子

5

ハイブリッド携帯通信 H"(エッジ)

DDIポケット

江口洋介/トータス松本

6

EZweb

ツーカーセルラー東京

浜崎あゆみ

7

飲茶楼

日本たばこ産業

モーニング娘。

8

コーセーヴィセ

コーセー

浜崎あゆみ

9

新・スーパー カラリオ・プリンタ

エプソン販売/セイコーエプソン

10

キリン一番搾り<生>

キリンビール

中山美穂

11

ケンタのサンド〜チキングルメサンド

日本ケンタッキー・フライド・チキン

12

ファイブミニ

大塚製薬

江角マキコ

13

日清焼きそばUFO〜トータスUFO登場篇

日清食品

トータス松本

14

エメロン アクアピュア

ライオン

PUFFY

15

Qoo

日本コカ・コーラ

-

16

アスパラドリンク〜アスパラマンシリーズ

田辺製薬

ハニホー・ヘニハー

17

ジャイアントコーン

江崎グリコ

18

日清Spa

日清食品

深田恭子

19

利用促進広告キャンペーン

ビザ・インターナショナル

藤井

20

なっちゃん

サントリー

田中麗奈

上の表から分かることは、ほとんどの商品がヒット商品であり、誰もが見ても「あー。あのCMね。」と分かるものだということ。大企業ぞろいなので、これらのCMは何度も繰り返し放映されているに違いない。 “繰り返し流す”というのは消費者に印象づけるためにも欠かせないことだ。この効果はいわゆる“サブリミナル効果”に繋がるのではないかと、私は思う。すり込み効果は絶大なものなのではないか。その他、出演者は人気有名人ばかりを登用している。先ほども延べたように、「ファンだったら特に欲しくなくても好きな芸能人のCMしている商品は手に入れたい!」という人間の心理を巧みに利用していると思われる。

2、ヒット商品を生み出す「三面一致の法則」

では次に、ヒット商品を見分けたり企業の快走・疾走状況をいち早く察知する3つの条件である「三面一致の法則」について注目してみる。其の条件とは A:情報力 B:商品魅力度 C:販売力 の3つである。

↑(”田村正和”http://www.nttdocomo.co.jp/i/ より)

↑(”図”http://www.tokyo-datacenter.co.jp/TOKYOKKK/cm/scene/9711/sanmen.htmlより)

この3つの条件の同時達成においてのみ、市場での企業とその商品の成功は許される。あらゆる企業において、この3つの要素の欠落や不調和は、“消費者離れ”という厳しい現実に見舞われる。今や、「情報の力」がモノやサービスの“人気”をリードしている。情報にたけた現代の消費者は、企業が発信してくるメッセージ、つまりCMに触れながら、現実の商品に触れる前に自分の心との“一致”と“不一致”を素早く的確に判別し、評価する。クルマやビールや食品CMの消費者好感度と売り上げの関係に多くの一致が観測され、近年CMの貢献度が改めて注目を浴びてきた。消費者は、日ごろ触れる無数のCM情報の中で“自分の心と一致したメッセージ”の方に引かれ、向かっていく。合わない“不一致”の方向に向かっては、決して購買行動を自発することはない。其の動向を観察し、検証して、手を打っていく企業が成功を収めるのだろう。

3.サブリミナルなCM

では次に、私が気になっている“サブリミナル効果”について触れてみる。これは「映像の中に見えない速さの映像を入れて潜在意識に直接働きかける効果」のことだ。私はこれがよくCMで使われているのだと思っていたが、調べてみたところどうもそんなに頻繁に用いられているわけではないようだ。サブリミナル話題が出てきたのは、オウムの事件のころである。TBSのニュース番組に麻原彰晃の顔が一瞬見えたらしい。それ以来サブリミナル効果については、良いイメージはないらしく今のところ「このCMには使われているぞ。」といった確信は何もないようだ。また、実際テレビの映像で使われる効果でサブリミナル効果に似ている手法でフラッシュバックというものがある。これは、ある映像の中に違う映像を入れる手法だが、この場合ははっきりと目に見えるように違う映像を流し、サブリミナルの効果は期待していない。こちらはCMの中にも多く使われている。(ex:ソニー、日清カップヌードルetc…)どちらにしろ、ポイントは視聴者の意識を引き付けはっとさせることだから、つかみとしてサブリミナルを使うことはあっても、本来の意味での(洗脳的な)サブリミナル効果はきちんと確認されていない状態のようだ。短時間のなかで多くのCMが連続して流されるので、ちょっとサブリミナル映像を刷り込んだくらいでは効果は薄いだろう。

http://village.infoweb.ne.jp/%7Efwhk5728/cm.htm参考

4.新しいCMの形態

現在インターネットが情報社会の鍵を握っているのことは周知の事だ。広告企業がここに飛びつかないはずはない!そこに目をつけてオン・ラインでのCMを扱うベンチャービジネスが現れた。多額の費用を払って制作されたTVCMの素材をインターネットでも放映しようという考えだ。メリットとしは、

  1. 広告として…カバーエリアはTV電波の比ではない。世界シェア。
  2. 無駄無く…テレビCM(素材)の二次的使用&リサイクル。
  3. 安く…今までの方式では考えられないローコストでスピーディーなアンケート調査の実施可能。
  4. ネット時代のマーケティングのスタートを支援…一対一マーケティングに役立つ情報を収集。
  5. 企業独自の戦略にも対応可能…企業のホームページへリンクサービス

以上の五つがある。確かにこれは良いアイディアだと思う。コマーシャルが紙上から電波上へ、そしてネット上へ進出してきたのだ。これらをフル活用すればインパクトは抜群に違いない。

「CM・WORLD」http://www.from.co.jp/tvcm/forcoltd.htm参考

5.私にとってのTVCM

なんだかんだいっても、最後は視聴者個人個人の好みに尽きると思う。CM界で好感度一位の女優は中山美穂らしい。ビール一番搾りのヒットは言うまでもなく、彼女をイメージキャラクターに起用しているコーセーでは去年秋のポスターやCMに彼女が使っている口紅やファンデーションの品番を大きくいれたところ、その商品は瞬く間に品切れになったという。今年は「この口紅を使えば中山美穂になれる」とのCMを流したが、その口紅は通常の倍以上の売り上げを記録した。「これほどのCM効果は業界でも異例の事」(コーセー宣伝部の製作担当課長談)だそうだ。私は彼女のは買っていないが、CMと売り文句にひかれ、藤原紀香が出ているカネボーのテスティモ&レビューシリーズ(化粧品)を集めてしまった。そして今は木村拓也がイメージキャラクターのパソコンFM/Vが欲しい。こんなものである。

以上より私の考える”好感度大&売り上げ効果抜群”なCMの秘訣とは@音や映像でつかむA世論に注意し、時代の流れに乗った好感度の高いキャラクターを登用するBリズムで記憶に残す(ex:「ススメ!ススメ!なっちゃん!」)C同じ言葉の繰り返し(ex:昔のモルツ)D音と映像で記憶に残す(ex:一番絞り・プリングルス)E軽く笑いを入れる(ex:ペプシマン)の6点に尽きる。

http://www.kose.co.jp/より fin.