2019まちづくり提案に参加して

 

 

宇都宮大学地域デザイン科学部コミュニティデザイン学科3年 川口直樹

 

 今回のまちづくり提案では、先に行われたジョイント合宿の担当テーマに合わせ「スポーツ」を使った提案をした。最初は何をすれば良いか、そして何より「自分が何を提案したいか」が全く分からずに初っ端から壁にぶち当たった気分であったが、先生から「ゆるスポーツ」なるものの存在をお教えいただき、現在宇都宮にゆるスポーツは存在しないということで方針は決まった。その後は脇目も振らずに「宇都宮ご当地ゆるスポーツ」作成に邁進した。

 この提案を通して、スポーツを作る難しさを知ることができた。基本ルールやコートの広さなど基本事項の決定はもちろん、ご当地ゆるスポーツならではの、思わず興味を持ち、やってみたいと思わせるゲーム作りに腐心した。新しいスポーツの提案というのは斬新であったと思うし、これまでのまちづくり提案の歴史の中でもあまりなかったと思うので、そういう点では良かったと思う。

 反省点としては、そもそもの話になるが、「新スポーツの提案」は今回の提案に合わなかったと感じている。プレゼン時間10分とポスター1枚で、未知のスポーツについて知ってもらうには限界があった。また、発表前に実際にプレーする機会を作れなかったことも悔やまれる。もちろん、用意しなければいけない備品があるので完璧に再現することは難しいが、何となくでもイメージできる動画等を準備できれば聞く側の理解も深まっただろう。

 まちづくり提案を通して、プレゼン、論文・パワーポイント作成、ポスター作成など様々な経験を積むことができた。今後の生活に活かしていきたい。

 

 

宇都宮大学地域デザイン科学部コミュニティデザイン学科3年 小島隼平

 

大学生によるまちづくり提案2019に参加して、率直な感想としてはあまり良い経験にはならなかった。

その理由としては、ポスターセッションを聞きに来る人数が非常に少なく、その上で審査員の興味関心事に偏りがあるため、審査員の興味のあるグループの発表しか聞きに来ない人が多く、その他のグループには人が来ず、審査の対象にすらならなかった。

発表をしても質疑応答の時間がないため、発表したら終わりの何のリアクションも無い発表会であった。折角の機会であったため、様々な人の意見や感想を得る時間があった方がよかった。

また、事前に提出した資料を当日に配布するため、発表の内容を全く知らない人に説明しなければならず、細部までの情報を説明しきれなかった。配布資料を読み込まないのであれば、事前に資料を提出する必要もないのでは無いだろうか。

さらに、会場には学生控室と言う部屋が用意されていたのだが、そこに発表が終わったゼミの教員が入ってきて、他のゼミの発表を大声で批判し始めた。非常に不快であった。何のための学生控室なのかを考えていただきたかった。

宇都宮市役所の職員の方の対応も良いものとは言えず、当日の流れや、市長への説明の時間配分など曖昧にされているところがいくつもあったように感じられた。発表会前の事前の資料集めの際も、細部の情報を開示しない、現地調査に行こうとしてアポを取ろうとすると止められるなど、不信感を抱くような点もいくつかあった。

以上のように多くの不満が残る結果になった。特に我々の発表に意見や感想がなかったことを考えると、我々の発表が心に響かなかったのだなと思った。短い期間ではあったが、一生懸命に力を合わせて頑張ってきたのに、何の反応も無く終わってしまい残念だ。

 

 

宇都宮大学地域デザイン科学部コミュニティデザイン学科3年 橋絵重二

 

 今まで学習してきたことを実践に活かすことのできる場として、グループで活動してきたが、メンバーで協力してできた成果物の結果として満足している。反省点としては折角自分の育った宇都宮市でのまちづくり提案だったので、一市民としての視点を盛り込むことが出来れば良かったと感じている。

 

 

宇都宮大学地域デザイン科学部コミュニティデザイン学科3年 今野裕太

 

 まちづくり提案を通して、活動の軸であった調査と発表からたくさんの学びがあった。

 調査では、チームの代表として、メンバーと議論を重ねて宇都宮市と向き合うことができた。テーマ設定から分析、提案にいたるまで何度も行き詰まることがあったが、先生や他のゼミ生、調査に協力してくれた方の助言もあり、最後にはチームで熟考した提案を出すことができた。審査員の方や発表を見に来てくれた方からは、おもしろいという声を多くいただけたことが嬉しかった。しかし、助言や疑問点も多くぶつけられたので、さらに考えて今後の卒論へ活かしたい。

 発表には、練習を重ね、自信を持って臨むことができた。今まで大学でも発表を行う授業は多々あったが、当然まちづくり提案は一番大きな規模であった。私は発表への苦手意識があり、上手くいかないことが多かったが、今回は程よい緊張感でしっかり頭を回転させながら、伝えたい内容を話すことができた。しかし、今回の1位であったチームの発表は圧巻で、まだまだ満足はできないと感じた。表情から話し方まで参考になることがたくさんあった。今回の経験を今後の就活さらにはその後の仕事にも活かしていきたい。

 入賞できなかったことには悔しさが残るが、最大限やり遂げることができたので、今後も励んでいきたい。

 

 

宇都宮大学地域デザイン科学部コミュニティデザイン学科3年 会田紗瑛

 

 まちづくり提案で、私の班は陽東地区を中心にした政策提案を行った。ポスターセッションの中で聞かれた問で最も多かったのが「なぜ陽東地区なのか」というものだった。他の班は宇都宮市の中心部や全体のことを取り上げており、少し挑戦的な提案だった。宇都宮市全体でも陽東地区はあまり目立った課題や取り組みのある地域ではない。「高齢者の居場所づくり」という課題も高齢化率の低い地域よりももっと行うべき地域があるだろうという意見も当然ある。

 しかし、夏のインターンシップなどを通じて、宇都宮市中心部では様々な取り組みが行われていると感じた。さらに「健康な高齢者を健康なままで」という今回の前提となったテーマは地域にも言えるのではないか。過疎地域を切り捨てるわけではないが、陽東地域のような安定した地域がそのまま安定し続けることもこれからのまちづくりに必要だと思う。

もしも地域デザイン科学部が陽東にキャンパスを持っていなかったならおそらく私は陽東に目を向けることはなかっただろう。それに、陽東に住んでいるからこそ、この地区が抱える問題や逆にポテンシャルに目を向けることができたのだと思う。そういう意味で私たちが陽東地区を舞台にした政策提案をすることは意味があった。

 

 

宇都宮大学地域創生科学研究科社会デザイン科学専攻

コミュニティデザイン学プログラム1年 穆 ト

 

 去年は応援の立場からまちづくり提案を参加し、今年はいよいよ自分もまちづくり提案をチャレンジした。私たち福祉チームはレジュメやパワーポイント、ポスターなど必要な文書を一緒に作成し、チームワークの重要性を深く感じた。私たち提案した「新たな居場所づくりの形−地域・商業施設・キャンパスをつなぐ−」は優秀賞を受賞していなかったが、今回の経験は自分に対し一番の優秀賞だと思う。

 

 

宇キ宮大学行政学研究室担当教員 中村祐司

 

 既に市における毎年の恒例イベントとして定着している中、今回のまちづくり提案の参加団体は、これまでで最も多かったのではないだろうか。ほぼ終日かけて発表に耳を傾けることとなった。それでもあっという間というか、時間が非常に短く感じられた。いずれの発表者からも限られた時間内での必死さが聞き手に伝わってきたからであろう。

 まちづくり提案に参加する学生は三つの課題をクリアしなければならない。

提案書(原稿論文)の作成には、発表当日こそその成果は前面には出てこないものの、後々に残っていく重要な成果物である。地道でしんどい取り組みの蓄積が要求される。研究室では前期が個人のゼミ論で個々が力を付け、後期はジョイントとまちづくり提案の二つの論文作成にチームで向き合うこととなる。そこにはどうしてもチームメンバー間での意見のやり取りや役割分担、結論に至る調整など、いわば協働作業が不可欠となる。

そのことはポスターやプレゼンについてもいえる。ただ、ポスター作成にはある意味で、平面の物体を作成する美術・工芸的なセンスが求められ、プレゼンには短・中距離走のような瞬発力とアピール力が求められる。

論文、ポスター、プレゼンに向き合うことは、学生にとって各々異なる知力を付けることができる極めてありがたい機会なのである。そこから逃げ出さすに果敢にチャレンジした学生に敬意を払いたい。また、このような貴重な場が準備段階から行政の力によって与えられたことに感謝したい。