国際社会学科2年 神林泰暢

私は、この2016年大学生によるまちづくり提案を通して、ジョイント合宿とはまた違ったものを得られたように思う。ポスターでの発表があったため、外部の方と顔を合わせ、意見を交換することは、非常に価値のあるものであった。実際に宇都宮で長年暮らしている方からの生の声は、住み始めてから2年もたたない私の考えるものとは大きく違っていた。そこから、ジョイント合宿と同様にまちづくりの難しさ、いかにやりがいがあるかを学ぶことができ、大きな充実感を得られた。

 また、ジョイント合宿とは違い、時間に余裕をもって準備を進められたことで、自信をもって本番に臨むことが出来た。これはジョイント合宿に関しても言えることであるが、時間のない中で地道に準備を進めてくれた2人の先輩方には頭が上がらない。それと同時に、全てが終わった今振り返ってみると、もっとこうできた、もっと時間をかけるべきだったという後悔もある。結果は2位という素晴らしいものではあったが、やりきれなかったところも多くある。しかし、私にはまだ大学生活の半分以上の時間がある。今回なにかの縁で出会えた、この「まちづくり」という分野を、さらに突き詰めていきたいと思う。

 

国際社会学科3年 小瀬理恵

まちづくり提案では、非常に貴重な経験をたくさんさせてもらったと思う。

一般的に中核都市レベルのところで「まちづくり」というと、市街地の活性化に目がいきがちであるが、今回のテーマである「超魅力的なまち」を実現していくには、忘れ去られがちな周縁地域から考えるまちづくりが必要なのではないかと考えた。そこで、周縁地域で苦戦していると聞いた篠井地区に焦点を当てると決めてから、何度か実際に現地に足を運んだが、現地調査を通して、机上では学べないことをたくさん学ぶと同時に、様々な人との関わりの重要性もひしひしと感じた。

まちづくり提案は夏休み頃から3人でじっくり取り組み始めたが、途中で行き詰った際、自分が所属しているインカレサークルの先輩という、第三者との会話から突破口を開けたことが個人的には大きな学びの一つとなった。何かに集中すると考えも硬くなりがちだが、絶えず柔軟に構えておくことも重要だと感じた。

そして、チームで取り組むことの最大の魅力は、それぞれが持っている長所で、互いの短所を補い合いながら、最高のパフォーマンスが可能になるという点であると感じた。この3人でなければ、ここまでこれなかったと思う。

当日は市役所の職員だけでなく、市民や篠井地区でお世話になった方々にも来て頂き、様々な人と話す機会を持てたことは貴重であった。ただ、10ページに及ぶ論文を10分のプレゼンとポスターにまとめるのは至難の業であり、またそれをいかに分かりやすく的確にポイントを説明できるかという点は非常に難しかったが、とても勉強になった。

そして最後に、熱意というのは感情論ではなく、どれだけそこに誠意を持って投入してきたかで伝わるものなのではないかと、今回のまちづくり提案に取り組んでみて思った。

 まちづくり提案においても、チームの2人をはじめ、毎度丁寧に対応して下さった篠井地区の方々、様々なアドバイスをくれた先輩、先生、応援に来てくれた研究室の皆さん、ほか関わってくれた全ての人に感謝したい。

 

国際社会学科3年 芹澤由佳

結果からいうとジョイント合宿に引き続き、こちらでも2位という好成績をいただくことができてとてもうれしかったです。

この発表のための準備も、ジョイント合宿の準備と平行して行っていたので苦労はたくさんありました。まず、10ページにわたる文章を書くのは私にとって初めてのことでした。書く項目の指定は一部ありましたが、どのような流れで書いて、どのような文章を書いたら説得力があり共感してもらえるのかという点が非常に難しかったです。発表に関しては時間が10分しかなかったため、スライドには何を盛り込むのか。ポスターに関しては、大きさはそこそこありましたが、たった1枚の紙に何を載せるべきなのかということを悩みに悩みました。

しかしながら活動に当たって良い経験や嬉しい経験もしました。実際に篠井地区に出向きヒアリングや空き家物件を見て回るといった経験は、文章を書く際、スライドを作る際に大いに役立ちました。また、私たちの活動のためにたくさんの情報をくださった篠井地区市民センターの職員の方から嬉しい言葉をたくさんかけていただきました。

発表当日は他大学の発表を聞くこともでき、こんな発想もあるのかと良い刺激をもらうことができました。ポスターセッションの時間では、篠井地区市民センターの職員の方、インターンシップでお世話になった市役所の経済部の方を始め、多くの市役所職員の方ともお話をすることができました。やはりポスターだけでは伝えきれない部分があり、このように実際に会話する場というのは非常に大切だと実感しました。市長にも短い時間でしたが、実際に説明する時間をいただく事ができ、お褒めの言葉をいただきました。

来月は上位3団体と市長との意見交換会があるので、有意義な時間にしたいと思います。

 

国際社会学科4年 黒井千春

 今回の大学生によるまちづくり提案を通して、宇都宮市が目指すまちづくりの新たな方向性が見えてきた。その方向性とは、話題性と広い市民参加のあるまちづくりである。表彰式の批評において、審査員の方がグランプリの提案へそのように述べていたのが印象的であった。以前まちづくり提案に発表者として参加した際は、他グループの発表を聞きながら当時の自分に足りない点を反省していた。しかし、今回は客観的な視点から提案発表自体を捉えることができたことで、宇都宮市の今後のまちづくりの可能性について深く考えさせられる機会となった。

 発表したゼミ生のみなさん、ジョイントに引き続き、まちづくり提案での発表お疲れさまでした。この経験を来年4年生として、次の後輩へと繋げていってください。

 

国際社会学科4年 吉田正絵

今年の町づくり提案のレベルは全体的に高いのではと感じた。どの発表もよく調べられており、根拠がしっかりとした上の提案であった。また研究室や大学ごとに見る視点が異なるところに毎年面白さを感じる。

 私の個人的な印象としては、どの発表も優劣つけがたいものであったと感じる。大学生が真剣に調べたものが地域の人や市役所の職員など様々な人の前で発表できる機会はそうそうないと思うので、後輩にとってとても良い経験になったのではないかと思う。私も今年は現役ではなかったが、いろいろな発表を聞き勉強になった。また私の場合は国際学部ではなく、工学部や教育学部の同級生が数人発表していたので刺激をうけた。

 ジョイント合宿に続き、町づくり提案では接戦の中、一つのグループが第2位を獲得したのは大変うれしいことであった。私は去年悔しい思いをしていたので、実際にその喜ばしい瞬間に立ち会えたことは誇らしいことであった。

 ペリフェリーからの町づくりはこれからの町づくりに必要な考えかたであると考えるので、この提案を機に実際の取り組みが行われることを楽しみに願っている。

 

国際社会学科4年 佐川琴美

こちらも、今年は多角的な角度からの提案が多く見られた。中心市街地のみに留まらず、宇都宮市全域を対象にしたり、周縁(ペリフェリー)に焦点をあてたりすることで、発表側も聴く側も、それぞれが宇都宮市のことをどう見るか、改めて考えさせられたと思う。

ポスターセッションでは、ポスターにカラー印刷のパワーポイントを並べて発表しているグループが多々見受けられた。だが、ポスターを補足説明や気持ちを個人個人に伝えるものと考えると、味気ないようにも感じた。

こちらの発表でも第二位となったことは、当事者でなくとも本当にうれしく思う。お疲れさまでした。

 

国際社会学科4年 橋隆浩

2016年のまちづくり提案は応援という立場として参加した。今年は研究室の3年生のみならず、2年生や他の研究室の学生が研究室メンバーと共に提案に参加するなど、中村研究室の新しい道を模索する形で提案発表となった。後輩の頼もしい姿で堂々と行う発表と分かりやすくまとめたポスターにとても感化され、私自身、後輩に負けないように日々努力し続けなければならないと改めて考えさせられた。

3年生にとって少ない人数で、かつ多忙なスケジュールのなか、本当にお疲れさまでした。

 

国際部国際社会専攻研究1年生 趙経超

留学生は日本の「まちづくり提案」を参加するチャンスがなかなかないと思います。先生のおかげで今回は2016年大学生によるまちづくり提案を参加いだたきました。

私たち四人のチームAは「宇都宮市における自転車電子賃借システム導入の可能性について」を発表しました。優秀賞が入賞しないですけど、今回の発表もよい経験だと思います。大体一カ月の時間にグループの四人の知恵を出して貰って、論文とパワーポとポスターを完成しました。チームワークの重要性はジョイント合宿と同じもう一回表しました。

 私今後もずっと挑戦の気持ちを持って、よい留学生活を!

最後に、指導先生中村先生と同じ研究室のメンバーたちに感謝の気持ちを表したいです。

 

国際部国際社会専攻研究1年生 孔凡旭

自分たちのチームAは、『宇都宮市における自転車電子賃借システム導入の可能性について』として発表を行いました。9月から、中国に戻って、調査・事例分析を進めてきました。宇都宮市は自転車のまちと呼ばれているが、自転車に関して様々な問題があります。宇都宮市自転車現状の分析は結構時間がかかって、ちょっと苦しい時期がありました。しかし、グループの皆は実際に調査へ動き出してみると、私はもっと自信になりました。

毎週の火曜日にグループ皆は中村先生の資料室に打ち合わせ、4人の意見を出し合い、もっといい論文をめざし、パワーポイント・ポスターを作り上げました。また、毎週の月曜日のゼミにおいて、中村先生のご指導・ご指摘により、内容をより充実しました。まちづくり提案の発表は10分だったため、提案の現実性の部分を目立つようにし、それ以外のところは簡単な説明にしました。

今回、奨励賞を受賞することができたのはグループの仲間たち皆の努力とチームワークの功績に他ならないと思います。中村先生のおかげで、留学生の私は貴重な体験をすることができました。最後に、発表に至るまでに助言をしていただいた中村先生、そして中村ゼミファミリーの皆さん、本当にありがとうございました。

 

国際部国際社会専攻研究1年生 渡辺裕介

●自転車電子貸借システム

内容もまとまっていて、発表もよかったと思います。可能ならば、もう少しだけ

ゆっくり話せたほうがわかりやすかったかも しれません。「自転車のまち」のPR、放置自転車問題、短期滞在者の自転車事情など、着目点も現実的でしたが、今回「超・魅力的なまち うつのみや」というテーマがあったため、判定者サイドにとってみれば、「自転車関連の事業」は新鮮味が薄く感じられたのかもしれませんね。

 

●ぺりフェリーからのまちづくり

発表自体はわかりやすかったです。空き家を有効活用した宿泊・滞在という点から、定住人口増へ、商店施設増、交通インフラ再整備へという流れは理想だが、なかなか「若者」に「最初のきっかけを与える・最初の一歩」という部分がやはり難しいように感じました。訴えるターゲットでの「若者」がやや漠然としていた面もあるかもしれません。

自転車愛好家向け、オートバイ好きの方向き、など特化したほうが誘客しやすいですが、ターゲットが狭くなるのも難点ですね。

 

国際部国際社会専攻研究1年生 嶋田望

拝聴して感じたキーワードは4つある。

「地域にある原石を磨く」「ストーリーを発信する」「作るから緩和」「ひとづくり」

共通するのは、新たなモノを作るのではなく、今現場にあるヒト・モノ・チエを活用する、そして費用対効果をあげる視点があったことが良かったとともに、深掘りすべき課題である。

 

「パワースポットによる超魅力的なまち」では、新たなモノを作るのではなく、地域にある原石を磨くことで、光輝くようにする視点、人は場所を見るために来るわけでなく、ストーリーに魅かれて訪れるという視点をいれたところが良かった。

 

「ベリフェリーからのまちづくり」では、規制緩和による民泊の概念を入れたことが素晴らしかった。

人口減少社会をむかえて、新しいモノを作ることに関しては、費用対効果を考慮せざるを得ず、必要最小限にとどめるべきである。そして行政の規制緩和を活用すること、規制緩和をさせることが、予算がかからず、費用対効果は甚大である。

「つくるから緩和」が最大のポイントです。

 

課題として、新しいモノを作る前に、人づくりを優先する視点が欲しかった。例えば商店街で新たな催し等にお金をかけることを行う前に、商店街の方々が、自分の店をどのような店にしたいのか、どのような商店街にしたいのかの視点が欲しい。すなわち新たなモノを作る前に、内部の人の力を引き出すことを優先すること、そして費用対効果の概念をいれることが課題と感じた。

 

国際部国際社会専攻研究2年生 王暁蕾

今回、各チームの提案を聞かせていただきましてとてもうれしかったです。皆さんは大学生の視点で宇都宮の魅力を発見し、さらに素晴らしい提案をしてくださったことに感心しています。今回のイベントは、日本人学生の活躍はもちろん、留学生の参加者も自ら感じた宇都宮の「超」魅力的なところを紹介してくださることも見どころです。留学生のまちをよくしたい気持ちに会場の皆さんも感動したと思いました。特に、研究室の二つのチームは、発表のテーマやポスターセッションなどにも興味深いものがたくさんあり、非常に勉強になると思いました。

 発表の皆さん、お疲れ様でした。感謝します。

 

  国際学部研究生 王衛澤

先週の大学生にゆるまちづくり提案を参加した本当に良かった。選手の提案を聞いた、心から先輩たちの提案と発表は素晴らしくて、中村先生は博学多才の先生と思います。先生のこれから大学院試験に合格するために、必ず一生懸命に勉強します。

 

 

ちづくりま提案を終えて

宇都宮大学行政学研究室指導教授 中村祐司

 

 今回のまちづくり提案では、そもそも研究室から参加できるのか、二つのチーム構成で果たして大丈夫なのか、無事発表に至ることができるのか、といった点で例年になく気を揉んだ。というのは前期の段階では、なかなか参加に至る道筋が見出せなかったからである。ゼミの状況(まちづくり提案に対するゼミ生の受け止め方)は毎年度異なるがゆえに、それに合わせて参加の方向に持って行くこと自体が、実は毎回結構難しいことなのだと痛感した。

 しかし、逆に言えばこの課題を何とか乗り越えれば、教員の役割は8割方終わったことになる。当初は苦肉の策であったが、卒論生所属のサークルのつてをたどったり、授業の受講生に声を掛けたりした。すると2年生から参加に意欲を示す者が現れ、同時に研究室所属の留学生院生が参加を快諾したことで、後期ゼミ履修者を中心に後期開始時には一気に参加体制が整った。

 ジョイントと同じく出遅れ感はあったものの、こうなれば後は二つのチームの意欲次第である。しかもまちづくり提案においては、毎年、宇都宮市が報告の場を与えてくれるだけではなく、準備のプロセスにおいても助言や情報提供、聞き取り先の紹介や仲介などをしてくれる。いわば貴重な舞台の提供だけではなく、そこに至る稽古・トレーニング環境においても全面的に支援してくれるのである。まさに自治体と大学との協働実践の典型ではないだろうか。

 参加学生はこうした背景を認識していなかったかもしれない。しかし、二つのチームとも、舞台に上がるプレッシャーから逃げずに正面から見据えて、堂々と全力を尽くした。もちろん、たとえば発表当日のポスターセッションなどで受けた来場者からの課題の指摘なども非常に貴重な経験であるものの、二つのチームとも市に対して若者ならではの政策案という「ボール」を「ストレート」を堂々と投げ込むことができたことが大きい。また、結果ではなくプロセスが大切とはいうものの、一つのチームが第2位を獲得したことは、チームメンバーのみならず、今後研究室の後輩に対して、やり抜くことの勇気を与えるに違いない。

卒論生はもちろん、社会人院生など研究室に属するすべてのメンバーの支えがあってまちづくり提案を無事終えることができた。発表当日の会場(市役所)に複数の研究室OBが駆けつけてくれたことにも感謝したい。こうした経験もまさに教員冥利に尽きる典型であった。