大学生によるまちづくり提案に参加して―感想―
国際学部国際社会学科3年 上原
尚之
自分たちのチームBは、『宇都宮市と大学の架け橋を ―学生による生活情報局の設置とスマートフォンアプリの活用−』として発表を行った。表彰においては1位を頂くことができた。
9月から、ジョイント合宿での分科会発表、「若者と年長者の情報収集事情―大学生の事例を中心として―」に並行して調査・分析を進めてきた。テーマ設定時期には、どのようなもののどのような点に着目し、どのようなことを目指す提案を創り上げるべきか、暗中模索であり、大変苦しい時期があった。しかし、グループ内で議論を進め、実際に調査へ動き出してみると、先が開けてきた。グループ皆で意見を出し合い、論文をまとめ上げ、創意工夫しながらよりわかりやすいものをめざし、パワーポイント・ポスターを作り上げた。発表の3週間ほど前に、ジョイント合宿での分科会発表があったことも大きい。内容には変更が加えられているが、ジョイントにおいて頂いた質問や、問題点などの指摘を踏まえて内容に反映することができた。また、ゼミにおいて、先生や先輩の的確なご指導・ご指摘により、内容をより充実したものとし、来場者に「伝える」ことができたのではないかと思う。
今回、第1位を受賞することができたのはグループの仲間たち皆の努力とチームワークの功績に他ならないと思う。皆に感謝である。調査から発表までの過程で学んだ多くのことを今後の将来に生かしていきたい。
国際学部国際社会学科3年 増田
渚
私たちのグループは、基本的な発表の軸はジョイント合宿と同じものを使った。しかし、合宿の時との違いは、市に対する提案であるという点である。私たちは発表方法やスライドのデザインなど、「提案」がメインになるように工夫した。具体的には、ジョイント合宿のときは問題提起や聞き取り調査の内容を事細かに説明したが、ジョイントでは制限時間が25分だったのに対し、まちづくり提案は10分だったため、提案を目立つようにし、それ以外のところは簡単な説明にした。ポスターセッションもあるので、詳細な説明はその場でもできるからである。
実際の発表の場面では、演台にマイクが一本たてられていた。ほかの発表者はほとんどが1〜2人での発表だったのでそれが想定されていたのだろうと思った。しかし、私たちのグループは6人で、私がパソコンの操作をしていたため他の5人がかわるがわる話すというようだったが、順番をしっかり決めていたためスムーズに動くことができた。
国際学部国際社会学科3年 山内
翔太郎
11 月の末にあったジョイント合宿に続き、12 月 19 日で大学生によるまちづくり提案を終えた。始めは20 団体中 1 位という素晴らしい結果を残すことができるとは全く予想しなかった。
10 月上旬、ほぼゼロベースからスタートした私たちのグループにとって、昨年度の先輩方の2つの提案はそのどちらも活動開始 当初の私からは手が届かないほどに完成度が高く見え、とてもプレッシャーだ った。私自身、伝達不足であったり、無責任なことをしたり、グループには沢
山迷惑をかけてしまった。それでも、時間のない中皆で顔を合わせて話し合い、 考えを出し合っている時の鋭さは素晴らしかったと思う。6 人はそれぞれ個性豊 かで、普段の生活ではなかなか接する機会がないような感じであったが、それ が返って一つのグループになった時、発想や考え方の繋がりが化学反応を起こしているようで面白くもあった。課題を設定し、裏付けアンケートや聞き取り
調査を行い、自分たちの論文を作り上げたが、多くの未熟な点もあった。
しか し、ジョイント合宿で一度他大学の先生、他大学の学生たちに改善点を指摘していただいたことで、まちづくり提案ではそれを踏まえて、より完成度の高い
ものを準備することができた。最終的には不完全であり、突っ込みどころが沢 山ある私たちの発表ではあったが、中村祐司先生や4年生や大学院の先輩方を
はじめ、多くの人のサポートを受けて、それによって自分たちができる以上の ものを作り出すことができ、課題も明瞭に見つけることができたという達成感 を得ることができた。
自分たちの発表が終わり、審査員の方をはじめ発表を聞きに来てくれた人たちへの説明をし、最後には佐藤市長に「これはできるよね」
という言葉をいただいた。この一言で自分たちの発表が認められ、私たちが作 り上げることを目標としていたものを完成させられたという達成感を得ること ができた。自分自身、この発表を通して、審査員の前での発表はもちろんのこと、ポスターセッションで多く説明する機会があり、学生ではない、様々な立
場の人たちからの意見をもらって、自分たちの発表に対して多角的で深みのある理解ができるようになった。
国際学部国際社会学科3年 渡部
萌子
私はこのまちづくり提案を通して、私たち大学生だからこそ気付ける目線があるのだと知りました。まちづくりは行政だけがやることでもなく市民だけがやることでもなく、まちをつくっている人みんなが考えるべきだと思いました。実際私自身もこのまちづくり提案に参加しなければ、自分たちが考えたことを現実に実行できるなんて考えもしなかったのもあり、改めてまちづくりを考える場を与えていただきとても感謝しています。
それに加え、直接市長さんと話すことやまちづくりに携わってる方々にface to faceで意見交換のできるパネルディスカッション等もあり、生の声を聞く大切さと伝えて理解してもらう難しさを知りました。結果として賞をいただき、自分たちの考えが少しは認めてもらえたのかと思うとかなり嬉しく思います。
また他のチームの発表もとても興味深いものが多く、かなり深くまで勉強してあるものや、技術を駆使したものもあり感心させられました。同じ大学生としてそれぞれの得意分野を生かしながらまちづくりができたら、どんなに素晴らしいだろうとさえ思いました。また発表方法として人を退屈させないのはもちろん、引き込むことができる発表はどんなものだろうと勉強になる面もたくさんありました。
最後に学ぶことの楽しさを改めて気づいたまちづくり提案でした。このような機会を与えていただきありがとうございました。
国際学部国際社会学科3年 五十嵐 茜
私たちの提案は、「大学構内にサテライトの設置、大学生による大学生のためアプリ作成」
という案でした。具体的にまちづくり提案に取りかかったのは9月からで、決して取りか かりとしては早くありませんでした。最初は不安でいっぱいでしたが、グループのみんな
で協力して最終的には優勝することができ本当によかったと思っています。ただ直前の発 表準備はとても大変なものであったので、後輩たちには私たちのようにならないよう助言
したいと思います。
まちづくり提案に参加するにあたって一番難しいと感じたことは、提案の内容を考える
ことでした。私たちのグループは「大学生ならではの提案」をしたいと最初から考えてい ました。ただその大学生らしい提案を考えるのに苦労しました。まず宇都宮市の現状を踏
まえ、どんな問題点があるかを考えました。その問題点を考えることは苦労しませんでし た。しかしその問題点から提案まで結び付けるのに私たちにグループは苦労しました。そ
の代わり全員が納得するような提案が思いついてからは、意見交換も以前より活発になり、 提案書作成もスムーズになりました。個々の作業も当然ありましたが、グループとして助
言しあい発表準備ができたと思います。
準備期間も私にとって有意義なものでしたが、まちづくり提案発表会当日もとても有意 義なものでした。他団体の発表を聞くことはとても勉強になり、自分では思い付かなかっ
たような問題意識に気づかされました。またポスターセッションでは直に提案について質 問を受けるので、自分たちの言いたいことを説明することの難しさを感じました。
ジョイント合宿に引き続き、貴重な体験をすることができました。この経験をこれから
取り組む卒業論文へと生かしていきたいです。最後に、発表に至るまでに助言をしていた だいた中村先生、そして中村ゼミの先輩方、本当にありがとうございました。
国際学部国際社会学科3年 大柿
彩華
宇都宮市のまちづくり提案に参加して、よかったなと思う。これからに活きていくなと感じている。まちづくり提案の論文の〆切がジョイント合宿の論文の〆切と一緒で、時間
に追われたあの時期がいまとなっては懐かしくも思う。ポスターセッションのときに、多文化共生について学んでいる宇都宮市民の方と話す機会があった。多文化共生のまちづくりを提案しているのにも関わらず、私自身が多文化共生について知ったかぶりをしていた
なと痛感した。知ったかぶりをしていたことを指摘してもらったことによって、知識のなさを改めて感じて、もっと学ばなければならないと思った。
自分が提案することについて、基礎的な知識、さらに現在討論されていることについても知っていなければならないと感じた。ジョイントやまちづくりと通して、自分の発言の根拠をなる知識をもっともっと身
につけなければならないと感じた。もっともっとたくさんの本を読もう。
国際学部国際文化学科3年 黒井
千春
今回の大学生による「まちづくり提案」に参加するうえで重要視したことは、ジョイント合宿を通して自分には足りない能力だと感じた「即座に理解する能力」「批判的な視点をもつ能力」を意識して他大の発表を聞くことである。もちろん自分たちの発表に集中することも大事だが、他大の大学生が自分たちと同じまちづくり提案という共通テーマでどのように考えて発表までにもっていったかを知ることも普段経験できない貴重なことである。また自分たちの発表やポスターセッションと他大のグループの発表の仕方、伝え方、ポスターの作り方等がどのように違うのか自分たちの良い点、悪い点を客観的に比較しながら改めて自分たちの提案を見直すことができた良い機会でもあった。
他大の発表を聞くにあたって、まず発表前に簡単ではあるものの発表グループの提案書を読むことを意識した。「即座に理解する」には初めて聞く発表よりも少しでも情報を得ていた方が理解するのが早いと感じたためである。そして発表を聞きながらメモを取ることも意識した。ジョイント合宿の時もそうであったが、やはりメモを取らないで人の話をその場しのぎで理解したつもりであっても後になって何の話をしていたのか、何が重要であったのかを忘れてしまうことが多い。そのため今回は発表の中で提案者が強調していたこと、また発表を聞いているなかで自分なりに気になった点、疑問に思った点、これからの研究に活かすことができること、初めて知ったこと等様々な視点からメモを取ることができた。他大のグループの発表を聞いていくうちに、メモを取ることで理解が深まるだけでなく、発表や提案書に対して興味や関心が深まっていくのを感じることができた。
「批判的な視点をもつ」ことに関しては発表のあら捜しをするわけではないが、自分たちが提案を作成するにあたって重要視していた「宇都宮市に何を求めるのか」「現状の問題・課題の分析がしっかりできているか」「正確な情報のデータ化がされているか」「実現性があるか」の4点に的を絞って発表を聞いた。講評でも話があったが、提案をするにあたって政策されたテーマであるかどうか、提案までの過程、問題までの組み立てがしっかりしているかどうか、インタビューやアンケートの質はどうか、また今回だけのテーマに限らない持続性のある提案であるかどうか等、自分だけでは気付かなかった批判点、評価点を知ることができた。自分たちの提案を批判的な視点でみる上で他者からの講評は不可欠なことであり、他の提案を批判的な視点でみる上でも自分が少し批判的な目をもつことを意識しただけで、その提案に対する質問や疑問点を次々と考えられるのだと感じた。
今回のまちづくり提案ではジョイント合宿で学んでこと、反省したことを活かして自分たちの発表につなげることができた。ジョイント合宿でも感じたが、他者の発表、意見を聞くことは想像以上に勉強になり、刺激を受けるものであった。その結果、自分のもつ興味分野が広がっただけでなく、様々なことに好奇心を感じるようになった。普段の生活の中でも地元で地域活性化のために活躍している人との交流に興味をもったり、現在宇都宮市に住んでいることを利用して、栃木県内の市町村の現状を直接足を運んで見たいと思ったりなど、今自分にできることは思った以上に多いと実感した。この環境を十分に活用しつつ、自分の能力をさらに高めることができる行動をしていきたい。
国際学部国際社会学科3年 秋山
勇貴
ジョイント合宿から解放されたと思ったのも束の間、今度はまちづくりの原稿を作らな
ければとあまり気持ちが切り替わらないうちに始まってしまった記憶があります。まちづ くり提案はその一か月前に提案書を提出しなければならないので、内容の変更はできませ
ん。そこが後になって困るところでもあります。大体ジョイントのレジュメと提出時期はかぶるので、切羽詰まってくると、「とりあえず出さなきゃいけないから出そう」といった
感じで考察しきらないうちに提出ということもあります。実際これでとても苦労しました。この二つのイベントにかかわらず通常のレポートでもそうですが、問題点は何かということと、何が求められていて、だから自分たちはこういう提案をするという一つの流れがし
っかりしていないと、それを見聞きする人たちも、さらには提案している自分たちでさえ も何が言いたいのか、何が今までと違うのかが見えてきません。なぜこのようなことを書いているかというと、これが自分のグループの提案で出てきた問題点だったからです。
それから自分がこうしたいという思いがそのまま提案にうまく結びつくとは限らないこ
とを認識すると同時に、その思いは本当に必要なものか、人々の考えに沿っているか、ジ ョイント合宿やまちづくり提案に限って言えば、テーマやニーズに沿っているかどうかが
人の心に届くかどうか、賞をとれるかどうかにかなり影響を及ぼすことがよくわかりまし た。もちろん理論や分析がしっかりしているかどうかも必要になってきますが、テーマや
ニーズに沿っているか、これが本当に重要だと思います。このほかにも団体行動ならでは の困難や楽しいこともあります。結果がどうであれ、その後の卒業論文や通常レポートを
作成する際のいい糧になるのではないかと信じています。
国際学部国際社会学科3年 周管
夏美
12月19日まちづくり発表当日。発表を終え、ポスターセッションをながめながら泣きそうになっている自分に気が付きました。この5か月たった10枚の提案書と10分のプレゼンテーションおよび1枚のポスターセッションのためにたくさんの時間を費やしてきました。良いアイデアが思い浮かばずいらだったこと、グループ内での意思疎通が上手くいかなかったこと、本番1週間前にもかかわらず先生に厳しい指導を受けたことなど様々なことが思い出されます。目に見える結果は得られませんでしたが、こうした四苦八苦した経験や市長や市民また他の学生からの評価はこれからの卒論や就活で大いに語れると思います。
また今回は20団体と過去最高の参加団体が発表し、他団体の発表を聞くことも勉強になるとともに面白かったです。ポスターセッションの場で少し話はしましたが、もっと他大学の学生と意見交換する場があればいいなと思いました。
5ヶ月かけ発表を成功させることができたのはグループのおかげです。私のグループは3人と少なかったですが、それぞれ個性が強く、ジョイントの発表研究も並行していたため苦労も多かったです。しかし私1人では完成できなかったし、グループでやると何倍も良いものができるのだとこのまちづくり提案を通して実感しました。ペルー人なみの適当でルーズな私のせいで迷惑をかけたことも多々ありましたが、他の2人には本当に感謝しています。ありがとう。3人でまちづくり提案をやれて良かったです。
最後に添削、指導を行って下さった中村先生、たくさんのアドバイスをくれた同じ研究室のメンバーにも感謝を伝えたいです。来年、まちづくり提案に挑戦する後輩にも同じようにアドバイスを少しでもできれば良いなと思います。
国際学部国際社会学科4年 菅谷
祥太
今回のまちづくりは発表をしない、サポートとしての立場ということで去年よりも発表を聞くこととポスターを見ることに専念出来、本当の意味でのまちづくり提案に初めて参加できたような気がしました。発表そのものを聞けたのははじめの方にいくつかと、ポスターセッション担当でない時の数回だけでしたが、その聞いた発表のどれも独創的・画期的なアイデアで非常に惹き込まれる内容ばかりでした。
その中でも三人という少ない人数で参加したA班と、今回グランプリを取得したB班の努力と功績にはただただ感動するばかりです。原稿を読んで時間をだらだら過ごしてしまった去年の我々の苦い思い出に比べて、原稿を準備し、暗記し、流れを作りという前準備にしっかり時間を掛けてこその今回の成果だと思います。発表そのものを聞けなかったのが非常に悔やまれます。
サポートとしてポスターセッションに立っていてほしいとのことで今回は参加しましたが、ポスターセッション自体も私は本当に立っていただけで、最後の質問は3年生の皆が対応していたのでポスターに関しても3年生が頑張っていて、気を張りっぱなしの一日だったと思います。本当にお疲れ様でした。
国際学部国際社会学科4年 鈴木 宏章
今回は、発表ではなく後輩のサポートとしてまちづくり提案発表会に参加しました。後輩たちの発表聞いたが、チームAは、教育と国際化に目をつけたのは面白いと思いました。また、発表では、寸劇みたいなことを織り交ぜていたのは斬新でとてもインパクトがあったように思えました。チームBに関しては、私にとって非常に興味深い内容でした。私の卒論の内容に参考になるような部分もあり、とても聞きがいのある内容でした。結果的にも、チームBが一位になり、本当に嬉しい気持ちでした。おめでとうございます。後輩たちは、いろいろと忙しいなか、まちづくり提案発表会お疲れさまでした。
まちづくり提案発表会に参加して、たくさんの発表を聞いたが、とてもいい経験になった。卒論において参考になる点もあれば、とても面白い提案にもありました。とにかく、三年生の皆さん、ジョイントとまちづくり本当にお疲れ様でした。
国際学部国際社会学科4年 小野塚
夕佳
去年とは違い発表者ではないため、余裕をもって周囲を見渡すことが出来た。今回は3年生のみんなの補佐をしたが、緊張しているというのがひしひしと伝わってきた。しかしながらそれ以上にみんな楽しんでいるように見えてよかったと思う。
発表に関して、チームBの発表は模造紙展示の方に出ていたため、見ることが出来なかった。チームAは、非常にはきはきと発表しており、“プレゼン”という要素がしっかりと入っていてとても良かったと思う。お疲れ様でした。
結果的にチームBの内容が1位に選ばれ安心した。両チームとも最後の最後まで提案内容、発表方法について等々議論し合った甲斐があったのではないだろうか。
また、中村研究室以外の学生からの発表も非常に面白いものが多かった。すべての人に必要とされる“食”を通したまちづくりや、IT技術を駆使したまちづくりなど、普段行政学を取り扱っており、そういった視点からまちづくりを見ることが出来ていない事を痛感させられた一日だった。
3年生のみんな、きついスケジューリングの中、本当にお疲れ様でした。
国際学部国際社会学科4年 齋藤 梓
これまで3回まちづくり提案を見てきたが、一番楽しかった。このような思いをさせてくれた3年生に強く感謝している。
私の今年のまちづくり提案への関与のしかたは、楽しいところだけを掻い摘んで味わったという感じだ。駅前の小汚い居酒屋で、一部の3年生に「まちづくり提案大変だね〜」と無責任に話を振り、発表を作り上げる過程での様々な出来事に対し、偉そうな大して有難くもないアドバイスをして、酒の肴にしたことが楽しかった。時々ゼミに特大のスタバを持って現れては、また偉そうに意見を言ったことも楽しかった。まちづくり提案当日、他校の年々精度の上がる発表を見たことも楽しく、またポスターセッションで行政学ゼミのOBやOG、自分の論文製作でお世話になった市役所職員や地域の方々と会い、中村ゼミと宇都宮市のつながりの強さを再実感したことも楽しかった。
楽しさと同時に抱いたのは、羨望だった。ゼミ時間外も研究室に集い目的に向かって努力するということは、もう4年生にとっては過去の出来事であり、私は自己の驕りと慢心によりその多くを逃してきたからだ。その感情は全て卒業論文にぶつけることができたと思う。論文に多くの時間とエネルギーを傾けることができたのも、全ては近くで3年生の努力を見ていたからであり、感謝している。
3年生には私と同じ編入生が多くいるが、中村ゼミに強く(半ば強引なこともあったが、最後は本人の決断なので問題なし)勧誘して良かったと確信している。編入生は4大卒という学歴を得るために編入学をしたと認識されることも多いが、短大・専門時代に一度自分の進みたい専門分野を明確にし、問題意識を持って選んで大学に進んでいる。私の場合は専門があまりにも明確であったため皆に迷惑をかけたが、やはり問題に対するアプローチの効率性と、とにかくまとめあげる力、そしてこれまで得たそれぞれの経験は、全て課題研究に重要なものであり、編入生の長所である。中村先生は大変かもしれないが、これからも編入生の多いゼミであったら楽しいと思う。
このホームページに掲載されている各レポートや論文を読み、問題意識を刺激される高校生や短大・専門生が多くいることを期待し、同時に彼らに支持されるような論文を多く持つゼミとして存続していくことを強く望む。そんなことを思った、ゼミ生活を振り返るまちづくり提案であった。
国際学部国際社会学科4年 成田 尚樹
3年生の時に参加した宇都宮市まちづくり提案に、4年生となってサポートする立場で関わらせて頂きました。
3年生の提案については、ゼミの時間に、発表の態度やパワーポイント、ポスターセッションの改善点について話し合いましたが、それを活かして両チームとも完成度の高い発表を行っていたと思います。寸劇も取り入れた発表も見ることができて、発想力の豊かさに感心しました。
まちづくり提案という宇都宮市への市政提言については、今年も多くの学生が宇都宮市のために考えられる工夫を提案し、それを受けてポスターセッションに集まった市民の皆様や関係者の皆様から多くの質問を頂いたことで、市政への高い関心と期待を強く感じた一日でした。
3年生のみんなお疲れ様。サポートを通して、一緒に活動できたことをとても嬉しく思います。
大学院国際学研究科修士課程2年 陳懐宇
3 年生の皆さん、お疲れさまでした。みなさんの発表はとてもわかりやすくてよくまとまっているなという感じでした。また、ポスターもすばらしかったです。この経験を活かして卒論や就活も頑張ってください。
大学院国際学研究科修士課程2年 李震
今回の提案会で皆さんのご活躍でいい成績を取れて、お疲れ様でした。提案会では良い提案が去年より多かった気がします。提案ナンバー3番、6番、9番、17番、19番が面白いと思います。提案会の中では半分ぐらいの提案で高齢少子化が提起しました。確かに少子高齢化が日本では深刻な問題であり、世界でもこれから厳しい課題になると思います。今から色々な対策を考えなければなりません。
今年の街づくり提案会は去年より良い成績を得たのが素晴らしいです。「1位」おめでとうございます。来年の提案会でもこの調子で行ったらいいですね。
宇都宮大学国際学部行政学研究室担当教員 中村祐司
参加団体数が増え、午前と午後のほぼ終日を費やして発表を聞くことになったので、「これは相当な長丁場になるな」と思い、当日は構え気味て臨んだ。ところが、いざ発表が始まると、参加大学だけでなく参加学部の個性の違いが興味深かったし、いずれも10 分弱という時間枠に準備の成果を凝集しており、聞いている側も不思議なほどあっという間で、「もう終わりか」といった感じであった。
発想の斬新さや実現性に向けた説得力などにも感心したが、それ以外に教員にとって勉強になったのはプレゼンであった。授業の準備、研究・研修会での話題提供、講演など、話すべき内容を書いたレジメや自分用の説明メモなどを作り終えると、その時点で安心してしまうことが多い。あとは書いたことをしゃべるだけでよいからである。実質的には終わったという安堵感である。
ところが実際、それだけでは聞き手に対するインパクトが相対的に弱くなってしまう。相手が手元の虎の巻に視線を落としたままで話し続けると、聞く方はその内容にはどうしても夢中になれない。聞き手を引きつけるためには、もう一工夫も二工夫も準備が必要なのである。その点で各発表の明暗は分かれていたようだ。
時間の経過以外にもう一つ不思議な経験をした。毎回、いよいよ自分の研究室の学生が次に登場するとなると緊張するのが常であった。ところが、今年はどうしたことか、次の次に発表という段階で早くも緊張してきたのである。前の方に移動する学生の姿を目にしたからであろうかとも思った。
実はそれ以外の大きな理由があったのである。とくに今年の3 年生はチームワーク形成の短期的集中力に秀でている(裏を返せば長期的な積み重ねの点ではやや課題ありということなのだが)と感じていた。発表会まで残された日数が限られてきた時期を迎えても、教員を相当心配させ続けたことは事実である。ところが本番で「大化け」できる能力を持っている。緊張はその期待感から来るポジティブな緊張だったのだ。
結果として最優秀賞を獲得できたことは嬉しいし、このような貴重な舞台を用意してくれた関係者の方々に感謝したい。しかし、賞よりも二つのグループが準備段階終盤の最後の最後で凄まじい追い込みを見せたことを誇りたい。犬と飼い主が似てくるというたとえは学生に対してあまりにも失礼かもしれないが、今回のプロセスを見ていると普段の自分の姿を投影しているようでもあった。
一方で、学部時代における個々の研究の集大成である卒業研究は、1 年間煉瓦を一つ一つ 丁寧に積み重ねていくような根気と粘りに掛かっている。さあ、次の目標に向けてスタートを切ろう。