「まちづくり提案」の感想

国際社会学科3年磯谷萌

やっと終わったなあ。私は当日家に帰ってから見事に熟睡した。前期から取り組んでいた「宇都宮市まちづくり提案」だったが、これだけ同じテーマのものを勉強し続けるのは私にとって今までにない経験だった。

 

 私たちの「なるほどおり」の提案は遊び心を持ちつつ、決めるところはしっかり手を抜かずに仕上がっていたと思う。しかし、これは私以外のみんなががんばっていたところだ。なっちゃん、みかちんとグループを組めたことで「細かいところまで手を抜かない」ことの大切さを学んだ。

 

 私は代表者ではあったこともあり、市役所からの連絡を受けたり伝えたりした。市役所とメールのやり取りをするなんて!!私にも少しはマナーが身についたのではないだろうか!?また、ポスターセッションでは、他の団体メンバーや市民・大学関係者・行政関係者と、話したことで、いろいろな話を聞きだすことができ、わたしの興味や知識が深まったはずだ。

 

 最後に、前期から後期までも手伝ってくれた高橋さん、発表会を見に来てくれた先輩方々、中村先生、緒方さんをはじめとする市政研究センターの方々、ゼミにみんなに感謝しています。お疲れ様です。ありがとうございました☆

 

 

 

 

宇都宮まちづくり提案に参加した感想

  国際社会学科3年 斉藤久恵

 益子町出身の私が宇都宮に来る主な目的は、1に通学、2に通学・・・です。大学に来たついでに買い物をすることはあっても、わざわざ買い物やなんらかの目的で、宇都宮に来るということはあまりない。ほとんどの用事は益子から近い真岡で済んでしまうからです。また、私がとんでもない方向音痴であるため、(ご存知の方もいるかと思いますが・・)交通が複雑な宇都宮では、カーナビがあっても迷うことが多く、1人で運転して市街地に行く気にはなれないのが大きな理由でもあり。このようにしか宇都宮を身近に感じることができなかった私にとって、益子のまちづくりならともかく、宇都宮のまちづくりに対する提案をと言われても、初めはなかなかとっつきにくいものになりました。しかし、栃木県に住んでいることには変わりなく、今回の提案に参加すること

で、私のように宇都宮を感じることができない人にとっても、宇都宮のまちを知るきっかけとなるような提案をしたいと思ったのです。

 

そんな中、私のグループでは宇都宮ジャズを取り上げることに決まりましたが、調べれば調べるほど、音楽によるまちづくりというものは、何をもって成功したということができるのかさえ示すことができない、まちづくりにおいてとても難しいものでした。大体、なぜ宇都宮でジャズなのか?渡辺貞夫さんがいるから言っているだけなのではないか?このような質問は最後まで悩まされました。しかし、このジャズという題材をもとに、進めていくことで様々なアイディアを出せたのも事実。ジャズ広場、ジャズコンクール、ジャズ喫茶横丁、小中高生によるジャズバンド育成、ご当地キティちゃんジャズバージョン、鬼怒川ジャズフェスティバルなど、本番の発表ではどれをつめていくか迷ったほど。先生がコメントしてくださった餃子+ジャズ=「ギョージャズ」という命名もかなり印象的だったかと。私的にはツボでした。

 

発表が近づく準備の段階では、怒涛のジョイント合宿が終わったことからの開放感、本番は五分+質疑応答時間なしという条件に、私たちは無意識のうちに準備があまくなり、直前になって詰め込むことになる・・など反省点も多々ありました。それでも、私たちの意図する「ジャズ広場」の提案を伝えようと、最短時間で説明をまとめ、また、ポスターセッションに足を運んでくださった方々への対応・意見交換もでき、本当によい機会になったと思います。また、発表前に市役所でお話をうかがった際の担当の方が、提案を聞きに来てくださり「いい提案ですね」と進んで点数シールを貼ってくださったことをとても嬉しく思い、人と関わること、人とのつながりを本当に大切に思える機会でした。

 

三年生として迎える活動は今回のまちづくり提案をもって終わったわけですが、ジョイントにまちづくりという山場を越えて私たちはちょっぴり大きくなれたかな?と思います。今後は卒論に各個人打ち込んでいくことになるかと思いますが、今まで経験してきたことを生かし、研究室みんな仲良く頑張っていけたらいいなと思います。でも、まだまだ未熟な私たちは、先生や先輩(M先輩→パソコンのフォルダの件本当にすいませんでした。)に多大な迷惑をかけていたりします。今後はもっと周囲に目を配り、しっかりやっていかなければ!頑張っていこう〜!と改めて思うのでありました。

 

最後に、まちづくり提案においてご協力していただいた市役所の方々、市政研究センターの方々、ジャズのまち委員会の方々、コメントをくださった先輩方、最後までご指導いただきました中村先生、一緒に頑張れたみんなに感謝いたします。本当にありがとうございました。

 

 

 

 

宇都宮まちづくり提案の感想

国際学部国際社会学科3年 大橋友梨

 

約半年間続けてきたまちづくり提案、ついに終わったという感じです。終わってみれば本当にあっという間だったような気がします。                

 

まずは一緒に頑張ってきたジャズメンバーにお疲れ様、そして見守ってくれた研究室のみんなありがとう、と言いたいです。何度も何度も提案を見直し考えを出し合って夜中まで残り頑張った毎日がすでに懐かしく思えます。無事終えることは出来ましたが個人的には反省点もたくさんあったように思います。                                     

 

まずはまちづくり提案発表前日の模擬発表。練習したつもりの発表もカンペを見ずに前を見て伝えよう、と思うあまりに、そしていつもの人前に出る事への抵抗(?)から本当にひどく、本番は明日なのに、と真剣に落ち込み、真剣に焦りました。どのように言えば伝わりやすいのか、どうすれば自分は間違えず言えるのか。たった5分の発表ですが、私の中では恐ろしく長い時間のように思えました。

 

発表当日、順番が近づくにつれ緊張もピークに達し倒れそうでしたが、この5分で出し切らなければもったいないと思い、どうにか押し通したような感じでした。みんなに「よかったよ」という言葉で本当に安心しました。         

 

しかし、パネルディスカッションではあまり積極的に提案をアピール出来るような動きが出来なかったので、どんどん行けばよかったと思っています。あとは、他大学・団体の提案がとてもよく考えられているものが多く、私自身とてもおもしろいと感じるものがたくさんありました。私達の提案ももっともっと練り上げるべき部分もあったのかな、と思いました。

 

反省点もあった今回のまちづくり提案ですが、みんなで頑張ったこの半年間はきっとこれから始まる卒論研究の際に役立つ経験になったと思います。 

 

 

 

 

まちづくり提案発表をおえて

国際社会学科3年 川端さやか

 

 JOINTISFJが終わり、残る困難は市政研究センターの行う「大学生によるまちづくり提案」の発表だけであった。しかし、これがなんとも難しかった。まず、提案を裏付けるデータなどが乏しく、分析に頼らない提案として進めて行くことに不安を感じていた。しかもテーマは「JAZZ」。音楽によるまちづくりの難しさを、これまでの調査過程でいろいろな方から指摘されており、自分たちの扱うテーマの複雑さに始めはみな頭を抱えていた。

 

しかし、もう論文提出は目前。その方針で突っ走るしかない!ということで、ジャズ広場の提案を練り上げた。その過程では、複数人で一つのイメージを具体化させることの大変さを身にしみて感じた。みな、ジャズ広場というものに対して異なるイメージを持っており、それを絵に書いたり言葉に書くことで伝えあってやっとまとめることができた。が、自分の頭の固さに少しへこんだりもした。

 

 いよいよ迎えた発表は、想像以上に大規模なものだった。発表5分ということでみくびってしまっていたことを後悔した。しかし、大橋さんの堂々たる発表には驚いた。なんて本番に強い人なのでしょう。隣でクリックしていた私も鼻高々であった。発表は一番だったのでは?なんて思ってしまう。自分たちの発表だけでなく、他研究室の発表を見れたことも貴重であった。特に工学部のCGやらを駆使したパワポやポスターセッションにはため息が漏れた。また、提案するだけでなく実際に行っていることを発表した研究室もあった。「ソノヨコ」はもう1年も活動しているらしく、発表者の立ち居振舞いも大学生ではなく、まるで店長さんのようで感心した。実際に活動していると、その提案にも非常に説得力がある。とても魅力的な発表だった。

 

 うれしいことに、私たちの研究室の「なるほどおり」の提案が最優秀賞を獲得した。みなさまお疲れ様です。これでやっと一息つき、あとは卒論です。就活です。公務員試験です。実はみんな研究大変だといいつつ、そっちのほうが嫌なのでは?なんて思ったりしました。。。

 

 

 

 

「まちづくり提案」に参加して

国際社会学科3年 石田奈津美

 

 去年の前期に行われた中間発表会の時点では、目的がはっきり定まっておらず、内容も薄い提案だった。後期に入って新たにみかちんがメンバーに加わり、新しいアイデアがつぎ込まれ、前期以上のチームワークが発揮されたことで、納得のいく提案が出来上がった。

 

発表時間が5分だと聞いたとき、その短さに実は少しやる気を失った。みかちんの存在は、そんな自分を振るい立たせてくれた。論文も、パワーポイントも、ポスターセッションも、妥協をせず、こだわり抜いたと思う。楽をしようと思えばいくらでもできたけど、そうしないでよかった。

 

ただ、こだわるあまりに二人が作ってくれたものに対して口を出しすぎていたなと反省している。出来ているものに口出しするのは簡単だけど、一から作ることは大変だ・・・。それでも私の意見にいちいち耳を貸してくれた二人には申し訳ない気持ちでいっぱいだ。

 

そんなこんなでなかなかの力作となったこの提案が、たくさんの方から支持をいただき、さらに賞までいただいて、本当に嬉しかった。ポスターセッションの際、実際に歴史軸の整備も携わっているという市職員の方が「参考にします」とおっしゃって下さったことは印象に残っている。一緒に頑張ったみかちんがその場にいなかったことは非常に残念だった。市にはぜひ、今回参加した各団体の提案について検討し、何らかの形で次期総合計画に反映していただきたいと思う。

 

この提案を作り上げるにあたって、高橋さんには色々とお世話になった。そもそも、この提案は高橋さんの「歴史資料館」のアイデアが大本となっている。さらにアイデアを広げるために実際に博物館に行くことを提案して下さったり、鋭いアドバイスを下さったりもした。本当に感謝している。ありがとうございました。そして、市政研究センターの緒方さんには、中間報告会後、提案内容に対して非常に詳しいご指摘とアドバイスをいただいた。後期いざ内容を詰める際に、大いに参考にさせていただいた。お忙しい中、心強いサポートをありがとうございました。

 

そしてもえもえとみかちん、どうもありがとう。色々と迷惑もかけてごめんね。短い間の作業だったけど、とても楽しかったです。(なるほど子さんとか!)

 

今回の「まちづくり提案」で研究室のメインイベントは終了、グループでの共同作業も学生時代ではおそらく最後になる。何人かで一つのものを作り上げるのは、精神的にも体力的にも大変だった。でも、この研究室に入るまでそうした経験のなかった自分にとっては、人ととことん向き合うことで学ぶことが多かったし、刺激になった。出来上がった時にみんなで喜ぶことができるのも、グループ作業の醍醐味だ。何より、作業の合間のちょっとしたおしゃべりが楽しかった。前期からの様々な活動を振り返ってみると、本当に貴重な経験だったと思う。こうした機会を与えてくれた中村先生に心から感謝したい。

 

 

 

 

うつのみやまちづくり提案発表会 感想

 国際社会学科4年 水粉孝慎

 

 この「うつのみやまちづくり提案」は、今年度の3年生の集大成であり、また演習の終了を意味するものである。そのために、期待してその発表会に聴衆としてはあるが参加させていただいた。

 

 参加しての率直な感想は、参加団体によって発表のムラがあったということだ。しかし、それは各団体の立場と、このよう催しが初めてであったため、むしろそれを統一する必要自体必要のないことであったのかもしれない。しかし、曲がりなりにも「宇都宮市の総合計画に盛り込む」という御旗が掲げられている以上は、自由な発想はもとより、文の体裁、必要な情報の取捨選択は不可欠であると思われる。この点において、客観的視点から見れば、宇都宮大学農学部農業環境工学科の「地域自然エネルギーを活用したU-LOHAS構想」が最もすばらしい提案であったように思われる。彼らはこのまちづくり提案の企画がなされたときから一貫してこのことについての調査や取り組みをしており、その一貫性は如実に提案に現れている。

 

 今回の提案で中村祐司研究室から出された提案ある2案についての率直な感想を述べてみたいと思う。まず「なるほどおり」についてであるが、提案における現状分析や考察については申し分ない。そう思う理由のひとつに、私の意見が多少なりとも組み込まれていることもあるのかもしれないが、実際に現場を訪れたことによるその率直な意見と、それに対する提言には鋭いものがあり評価に値する。確かに宇都宮、特にあの地点を歴史軸として位置づけるためには、既存の歴史資源が埋もれてしまい、有効に生かされていないことはまちづくりの観点においては、非常にマイナス要因である。その点を実際に調査することで指摘することはすばらしいことである。

 

しかし提言の内容そのものを見ると、いささか疑問を生じることがある。それはまちづくりにおいて重要な街づくりの主体となるその地域にかかわるステークホルダーからの視点が欠けている、という点である。提言の内容を見ると、まちづくりの主体が提案を計画する者からの視点で行われており、地域やそれらを取り巻く商店街などの意見を集約する要素に乏しい。地域の人々はこの計画を実行する協力者であり、あくまでも彼らが人材の供給源として機能しているような印象を受けるのである。まちづくりにとって地域の人々の協力は必要不可欠であるが、最も重要なのは、彼らの利害を「まちづくり」というひとつの方向に向かうことができるように方向性を見せることである。まちづくりをするために地域の人々に協力を得るということは、まちづくりをする上での優劣はむしろ逆である。

 

この点においては、宇都宮大学教育学部環境教育学科の「ソノヨコ」の提案が的を射ている。彼らは実際に地域コミュニティとしての飲食店「ソノヨコ」を運営し、その主体は学生、主婦などさまざまであり、また、地域のお祭りや日々の活動を通して地域のとのつながりを最重要としていることにまちづくりとしての原型を残している。しかし、この提案自体はあくまでも「ソノヨコ」の理念やその活動内容の紹介に終始しており、また、本人たちも指摘しているとおり、現実的にまちづくりとして拡大していくには行政面をクリアするだけにとどまらず、収益性や特に継続性の点において問題がある。だが、実際にこのようなコミュニティを運営しているという点が、特に行政からの絶大な評価を受ける要因となったのだろう。

 

しかし、「なるほどおり」のプレゼンテーションは非常にまとまっており、短い時間のプレゼンではあったが自分らの主張を余すところなく盛り込んだことは今回の提案における際だの賞賛点であっただろう。むしろ、そのプレゼンで行った内容をさらに膨らませ提言の内容であったらさらに評価されたのだろうと思う。提言自体にはよく調査し、よく考えたが上の、不必要な考えや表現が多少盛り込まれているのが残念な点であった。

 

「ジャズ」班の提案は、お得意の音楽におけるまちづくりの提案であり、同じく音楽をする私自身にとっても身近な話題であり、また考えなくてはならない重要な指摘であると考える。

 

この提案において重要な点は、市民が容易に音楽に親しめる環境を整備することであり、その重要な地点は、宇都宮の顔でもあり再開発の中心でもある駅東地区に新たに建設される施設を用いるというものであった。

 

音楽を気軽なものとするという提案は問題の本質をついており、これが解決されれば音楽によるまちづくりは可能であろう。しかしこれには重要な問題が隠されている。それは、音楽、特にジャズを愛好するもの特にリスナーにとってはそのある種メジャーになりきらないところに魅力を持ち、それがステータスとなってジャズという、強いて言うならばかっこよさが成り立っているということがあるからだ。

 

具体的に例を出して言うと、ジャズの町として知られている横浜、仙台、神戸いずれの都市においても、決してジャズは市民の音楽ではなく、ジャズバーに行くのは一部の愛好家のみに過ぎない。確かに愛好家でない人も客として利用するが、それは非日常を演出するための手段としてジャズバーを選んでいるに過ぎないからだ。

 

音楽でまちづくりをするということは、音楽をメジャーにすることであり、メジャーになることを性質的に嫌うジャズにおいてまちづくりをすることはかなり大きな障壁を乗り越えなければならない。

 

しかし、この提案で出されているものは無料で気軽に演奏ができる、また聞ける環境を作ることであり、それについては実施の難しさはあるだろうが、その考えには賛成する。はじめから無料が前提となっており、開放した環境で聴くことのできるジャズの演奏は、いつもは敷居の高いジャズにも親しみを持って聞くことができるだろう。たとえば、私が参加していたジャズ研究会の演奏を生協のグリーンステージでするときには、知り合いのみならず、さまざまな人が昼食を外に持ち聞きに来てくれることが多々ある。彼らはジャズを聴くときに敷居の高さやステータスなどの前提を持たずにジャズを聴きに来てくれるのであって、これは音楽を親しみのあるものにする上で非常に重要である。

 

だが「親しみのあるもの」がまちづくりの主体として機能するということは直接リンクしない。聞くことは誰でもできるだろうが、ややもすると聞いて終わりになってしまうのでなかろうか。

 

これまで、本当に率直な感想を述べてきたが、全体的に重い口調となってしまい、書いていくうちに落ち込みつつある。そもそも「まちづくり」自体にも検討が必要なのではなかろうか。例えば、ISFJが発表していたとおり、大店法が規制の対象になり、郊外における大規模店舗の出店に関して規制がかれられる方向が見えてきたが、これに関して、イオンの岡田社長が猛烈な抗議をした記事がインターネット上に載っていた。イオンらの考えるまちづくりと、これからの流行であるまちづくりには大きな隔たりがあるように思うが、実は消費者や市民の利便性を考える上では、どちらも間違っていない。一番の目的はまちづくりそのものではなく、あくまでも「実際に市民が暮らしやすい環境を作ること」なのである。

 

 

 

 

感想

国際社会学科4年 豊田浩司

 

5分間で発表をするのは非常に難しく、自分たちの研究を存分に伝えられるかどうかと思っていました。当日は練習に練習を重ねてきているというのが感じられ、非常に頼もしく感じました。宇都宮市の行政担当者に自分たちの思いを取り入れてもらえるチャンスはなかなかありません。中村研のネームバリューも急上昇したかも?

 

ジョイントとISFJを乗り切っても、今年はまだ乗り越えなければならない関門があり、3年生は本当におつかれさんと言ってやりたいです。今年の活動は必ず活きてきますので、卒論や進路選択にも自信を持ってやっていってください。

 

 

 

 

「まちづくり提案」発表会に参加して

                               森 三奈(院1年)

 

平成18111日、市役所にて大学生等による「まちづくり提案」発表会が行なわれた。16団体から発表があり、中村ゼミからは2グループが参加した。うつのみや市政研究センターが主催するこの発表会は初めて行なわれたもので、提案は宇都宮市で進められている第5次総合計画の参考にもされるという。

 

16団体の発表は教育学や農学、工学、福祉、芸術など様々な分野においてなされ、それぞれが興味深かった。各団体5分という短い持ち時間の中でパワーポイントを上手く使ったり、寸劇などを取り入れるなど工夫を凝らした発表ばかりだった。また、宇都宮大学の参加したゼミは「ひやもなかの」の先生方のゼミばかりで驚くと同時に、異なる分野の中で共通するものを発見できた気がした。次回の「ひやもなかの」が楽しみである。

 

中村ゼミの2つのグループは前日に模擬発表会を行なった。この模擬発表の段階で、大変分かりやすくまとまった内容にできているという感想を持った。内容はすばらしかったが欲を言えば他をひきつけるようなインパクトのある発表ができればと私を含めてギャラリーから求められ、残り時間が少ない中で最終調整をした。発表当日、発表者は堂々と発表をし、パワーポイントもさらに視覚に訴えるものに仕上がっていた。ゼミ生が場数を踏んでますますたくましくなっていくようで頼もしい。

 

大学生等による「まちづくり提案」は宇都宮市が行なう行政参加の一環である。大学生がまちづくりに関心を持つきっかけとなり、さらには大学生の提案が実際に政策に影響を及ぼす可能性を考えればこの発表会が持つ意義は大きい。発表会の開催が今後も続くことを期待しており、個人的にはこの提案に対する行政の方々の意見を聞きたいと思った。会の開催で終わらずこの提案をもとに議論を深めることのできる場などが設けられれば新たな参加スタイルが生まれてくるのではないか。

 

参加したゼミ生、指導された先生お疲れ様でした。

 

 

 

 

「うつのみやまちづくり提案発表会」に参加して

宇都宮大学国際学部行政学研究室担当教員 中村祐司

 

 昨年7月に大学の一室を借りる形で「ジャズ」と「歴史軸」をテーマにうつのみやの活性化に関わる中間提言発表を研究室主催で行ってから既に、半年以上が経過した。その時に今回の「まちづくり提案」の開催にあたって、いろいろとお世話になった市政研究センターの緒方さんも顔を出してくれ、終了後に貴重なアドバイスを与えてくださったのを思い出す。

 

また、今回一緒に発表した宇大の廣瀬研究室や野口研究室の面々もその時の発表を聞きにきてくれた。準備の段階を含めれば、昨年前期のゼミ活動はまさに「まちづくり提案」に向けた準備がメインであった。

 

考えてみれば既にその時点以降、「うつのみや」をどのようにすれば、もっともっと良いまちにできるのかについて、学生が真剣に知恵を絞り取り組むようになったのである。

 

振り返れば、昨年春先に参加するかどうかについてゼミ生と話し合った際、地元に対するあまりの関心のなさに、教員として正直唖然としたのを思い出す。それがどうであろうか。今や市の総合計画に反映されるかもしれないほどの質の高い政策提言に至ったのである。その成長ぶりに驚かざるを得ないし、こうした若者の成長を目の当たりにできるのが大学教員の一つの「役得」である。

 

ジョイントやISFJの準備に追われるなかでも、発表に向けた準備を最後まであきらめず、緊張感を切らさなかったことが、最優秀賞という今年度の研究室にとって最高の「プレゼント」獲得につながった。二つの発表が会場にやってきた市民や行政職員からいずれも高い評価を得たことは、今後の研究室活動にとって非常に大きい。「あきらめずにやればできるし、何かを掴める」ということを学生が身をもって認識できたことが何よりも大きい。

 

発表当日の会場の雰囲気に身を置いた経験は、とても貴重だったのではないか。どちらかといえば他の研究室の学生や院生と行政担当者との和気あいあい的な交流の場という認識があったのだが、当日あれだけの人数の人々が集まり活気に満ちたものになるとは、教員側も予想していなかった。また、宇都宮市に就職した研究室OBや大学の地方自治論の授業を過去に受講したり過去の委員会・審議会でお世話になったりした市の行政職員ともあの場で久しぶりに「再会」でき、さらに学生や院生を紹介できたのも個人的には大変嬉しかった。

 

「歴史軸」も「ジャズ」も、発表者はいずれも背筋をきちんと伸ばして、顔を会場の人々に真っ直ぐに向け、メモに目を落とすことを極力避け、それでいて凛凛としていた。二人の最後まであきらめない発表準備とその真摯な姿勢は会場の人々にそのまま伝わったのではないだろうか。その姿は身内ひいきであることを差し引いたとしても、とても頼もしく飛び抜けてかっこよく、そして輝いていた。

 

「迷った時にはとにかくやってみる」という教訓を今回まさに実践し証明したことになる。今年に入って、朝日新聞栃木版にここ数年書いている「大学の窓」というコラムに以下のように書いた(一部抜粋)。

 

「研究室の学生と教員の今年の仕事初めはまさに地元発である。他学部や大学院、他大学など合計17の研究室や研究チームが一同に会してアイデアを競い合う『大学生等によるまちづくり提案発表会』への参加がそれである。(宇都宮市役所主催。1113時から市役所14階大会議室で開催)。学生は今、発表の中身やポスターセッションの準備と追い込みの真っ最中である。」

 

教員としてやったことは、これまでの準備を見守り、上記のような極めて間接的なサポートを行っただけである。しかしそれでもあたかも自分のことのように嬉しく、大きな充実感を持つことができた。これも教員冥利に尽きる一つの事例である。

 

最後に今回のような貴重な機会を学生に与えてくださった市政研究センターのスタッフの方々をはじめ、宇都宮市の関係者の方々、宇大における他の研究室所属の学生・院生、先生方、他大学の学生・院生・先生方、当日会場に顔を出してくれた参加者、そして、共にまちづくり提案に向けて真剣に取り組んだ全ての関係者に感謝したい。