<授業の目標およびねらい>
本演習では、各自の興味・関心にもとづき、実際の行政活動を対象とした実証的な調
査活動を行う。例えば、各省庁や自治体が抱えている政策課題について、政府刊行物や
面接取材によって一次資料や最新の情報の収集に努め、変動する社会状況への行政対応
の在り方ついて考察する。また市民意識調査の実施や市民活動への参加を通して、「現
場」における市民と行政の在り方を探る。今までの関連授業における個人によるレポー
ト作成の経験を踏まえて、チームによる論文作成を目標とする。共同研究における役割
分担や調整、チームワークの維持、さらにはゼミ内の人間関係についても深めていきた
い。
<前提とする知識・経験>
政策について真剣に学ぼうとする意欲。経験は問わない。
<授業の具体的な進め方>
書籍文献やインターネット情報を利用すると同時に、実際の行政サービスの現場に足
を運び、いわゆる「足でかせいだ」資料収集活動に従事する。論文作成にあたっても章
立てから執筆担当までゼミ生同士で話し合い、共通理解を維持しつつ、論文の完成を目
指していく。毎回の演習ではレジメを作成し、これをもとに調べた事項の報告と質疑応
答を行う。論文は研究室HPに掲載する。個人的にレポートを仕上げるのではなく、互
いに議論しながら、意見の相違を乗り越えて「共同作品」としての論文を作成する。
<授業計画>
第1週 行政活動の範囲と性格
第2週 法律による行政の限界
第3週 各種行政活動について−その1
第4週 各種行政活動について−その2、統一テーマの決定
第5週 中央省庁における政策課題
第6週 地方自治体における政策課題、 レジメ報告の開始(以後第13週まで毎回)
第7週 分権改革の行方
第8週 市民意識調査の手法
第9週 政府刊行物の読み方
第10週 政府関係資料の収集方法
第11週 行政活動をめぐる分析の視点
第12週 政策の立案過程
第13週 政策の実施過程
第14週 行政施策立案の試み 論文の提出、研究室HP掲載作業
第15週 行政活動の評価 論文をめぐる意見交換
<教科書・参考書・教材と入手方法>
教 材を適宜提示するが、演習生によるインタビュや一次資料の収集が中心。
<成績評価法>
毎回の出席は大前提。ゼミ運営やHP作成、新規アイディアなどをめぐる意欲的な意
見提示と実務面での貢献(40%)、論文作成に対する貢献度(40%)、とくに行政学研
究室の卒論生や院生との積極的なコミュニケーションの達成(20%)。
<教員からのメッセージ>
本演習を通じて文献の講読力、資料の収集や面接取材といった調査活動における積極
性や分析の力量、施策立案をめぐる構想力などをぜひ身に付けてほしい。同時に大学生
活における貴重な人間関係の構築や交流を達成してほしい。 |