参 照


授業科目名 初期セミナーA 科目コード G103474
科目区分 初期教育科目 開講時期 前期
学部・学科等 共通教育  曜 日 水曜日
必修・選択区分 選択 時 限 1 〜 2 時限
標準対象年次 授業形態 演習
単位数 2 単位 教室名 イメージラボ(峰)
担当教員名
中村 祐司
e-mailアドレス(代表者) yujin@cc.utsunomiya-u.ac.jp
オフィスアワー 特に設けないが、e-mailか電話による事前連絡を受け、面会の日時調整を行う。
対象年度 2003 年度
授業の概要
<授業の目標>
 「インターネットと政府情報」と題し、とくに中央政府関連の政治情報、行政情報に注目し、
インターネット情報提供の現状と課題について論じると同時に、各自の興味に応じた発表を通じ
て政府関連情報への理解を深めることを目標とする。
 こう書くとこのセミナーは非常に難しい内容を取り扱うと思われるかもしれないが、受講する
上で最も必要となるのは電子情報に対する「好奇心」である。インターネットの普及により大量
の政府情報を瞬時にパソコン上で把握することが可能となった。そのことによるメリットとデメ
リットはどのような点にあるのか。また、電子情報が私たちの知的活動に及ぼす影響にはどのよ
うなものがあるのか、このセミナーを通じて受講生全員で共に考え追求していきたい。

<授業内容>
 インターネットとはそもそも何なのか。「世界中のコンピュータを相互接続したネットワーク
の総称」(マイクロソフトエンカルタ百科事典)とされているが、これだけではどうもしっくりこ
ない。要するに、技術的な仕組みはともかく、少なくともその国の使用言語という障壁を除け
ば、従来の紙媒体では考えられなかった「速さ」「多量性」「連結性」を兼ね揃えた媒体であ
る。
 授業では、受講生の日常的なインターネット利用と、アクセスする情報の中身について受講生
自身に説明してもらうと同時に、これだけインターネット情報が拡大・普及してきた背景につい
て、歴史的経緯も踏まえた説明を行う。同時に現代社会において「デジタルディバイド」と呼ば
れる情報格差が生じてきた社会的背景も探っていく。
 インターネットを取り巻く課題環境を押さえた上で、政府がどのようなIT(インフォメーショ
ン・テクノロジー)戦略を打ち出しているかについて、政府が提供するインターネット情報のう
ち、最も関心のある政策領域を選定し、各自の好奇心に沿って調べた上でレポートにまとめても
らう。

<前提とする知識・経験>
 インターネット情報、とくに政府が提供する電子情報に多少でも関心があることと、将来的に
何らかの形でインターネット情報を利用してみようという考えがあることである。これに加え
て、政府が提供する電子情報は現代世界の諸相を映し出している側面があることから、たとえ漠
然としたものであっても、現代社会に対する好奇心を持っていること。

<成績評価法>
 出席(30%)、期末に提出するレポート内容(40%)、毎回のセミナーやレポートをめぐる
ディスカッションの際の積極的発言と発言内容(30%)から成績評価を行う。

<教員からのメッセージ>
 政府関連のインターネット情報に興味を持つ学生の参加を望む。コンピュータについての知識
は一切問わない。インターネット情報に触れ、考察する絶好の機会となる。また、このセミナー
の成果を積極的にインターネット上に公開していきたい。なお、履修を検討するにあたって受講
生には「宇都宮大学国際学部行政学(中村祐司)研究室」のホームページ
http://gyosei.mine.utsunomiya-u.ac.jp/
を参照願いたい(Yahoo Japan!等の画面で「中村祐司」で検索すればアクセス可)。

授業の方法
<授業計画>                     予習文献は各回毎に適宜提示する。

 第1週 インターネット情報の拡大・普及の背景
 第2週 現代社会におけるインターネット情報と波及課題
 第3週 インターネットに対する規制をめぐる諸問題
 第4週 匿名ネットと社会変容
 第5週 ハイテク社会とe-mail
 第6週 中央省庁とインターネット
 第7週 「電脳社会」とは何か
 第8週 インターネットにおける表現の自由とは何か
 第9週 インターネット政府情報の社会的影響力
 第10週 インターネットと国家及び社会の変容
 第11週 政府のIT戦略と課題
 第12週 サイバーテロの脅威と政府対応
 第13週 ハイテク社会の落とし穴
 第14週 政府による電子情報提供をめぐるシステムの課題
 第15週 インターネット情報を将来の政府像

<授業の具体的な進め方>
 インターネット情報を取り扱う性質上、電子情報画面をスクリーンに大写しできる教室を使用
する。受講生には毎回意見を述べてもらうが、自分の見解をパソコン画面を用いて他の受講生に
伝えてもらうこととなる。また、できるだけ互いの意見交換を徹底させていきたい。

<教科書・参考書・教材と入手方法>
教科書:特になし。

参考書:立花隆『インターネットはグローバル・ブレイン』(講談社、1998年)。
    野口悠紀雄『インターネット超活用法』(講談社、1999年)。
    立花隆他『新世紀デジタル講義』(新潮社、2000年)。
    クリフォード・ストール『コンピュータが子供たちをダメにする』(草思社、2001年)。

<その他>
 私たちはインターネットや電子情報に否応なしに向き合い、付き合っていかざるを得ない。こ
のセミナーの受講は1年生がこれからの大学生活を送る上で有益な何かを提供するはずである。