<授業の目標>
「インターネットと政府情報」と題し、とくに中央政府関連の政治情報、行政情報に注目し、
インターネット情報提供の現状と課題について論じると同時に、各自の興味に応じた発表を通じ
て政府関連情報への理解を深めることを目標とする。
こう書くとこのセミナーは非常に難しい内容を取り扱うと思われるかもしれないが、受講する
上で最も必要となるのは電子情報に対する「好奇心」である。インターネットの普及により大量
の政府情報を瞬時にパソコン上で把握することが可能となった。そのことによるメリットとデメ
リットはどのような点にあるのか。また、電子情報が私たちの知的活動に及ぼす影響にはどのよ
うなものがあるのか、このセミナーを通じて受講生全員で共に考え追求していきたい。
<授業内容>
インターネットとはそもそも何なのか。「世界中のコンピュータを相互接続したネットワーク
の総称」(マイクロソフトエンカルタ百科事典)とされているが、これだけではどうもしっくりこ
ない。要するに、技術的な仕組みはともかく、少なくともその国の使用言語という障壁を除け
ば、従来の紙媒体では考えられなかった「速さ」「多量性」「連結性」を兼ね揃えた媒体であ
る。
授業では、受講生の日常的なインターネット利用と、アクセスする情報の中身について受講生
自身に説明してもらうと同時に、これだけインターネット情報が拡大・普及してきた背景につい
て、歴史的経緯も踏まえた説明を行う。同時に現代社会において「デジタルディバイド」と呼ば
れる情報格差が生じてきた社会的背景も探っていく。
インターネットを取り巻く課題環境を押さえた上で、政府がどのようなIT(インフォメーショ
ン・テクノロジー)戦略を打ち出しているかについて、政府が提供するインターネット情報のう
ち、最も関心のある政策領域を選定し、各自の好奇心に沿って調べた上でレポートにまとめても
らう。
<前提とする知識・経験>
インターネット情報、とくに政府が提供する電子情報に多少でも関心があることと、将来的に
何らかの形でインターネット情報を利用してみようという考えがあることである。これに加え
て、政府が提供する電子情報は現代世界の諸相を映し出している側面があることから、たとえ漠
然としたものであっても、現代社会に対する好奇心を持っていること。
<成績評価法>
出席(30%)、期末に提出するレポート内容(40%)、毎回のセミナーやレポートをめぐる
ディスカッションの際の積極的発言と発言内容(30%)から成績評価を行う。
<教員からのメッセージ>
政府関連のインターネット情報に興味を持つ学生の参加を望む。コンピュータについての知識
は一切問わない。インターネット情報に触れ、考察する絶好の機会となる。また、このセミナー
の成果を積極的にインターネット上に公開していきたい。なお、履修を検討するにあたって受講
生には「宇都宮大学国際学部行政学(中村祐司)研究室」のホームページ
http://gyosei.mine.utsunomiya-u.ac.jp/
を参照願いたい(Yahoo Japan!等の画面で「中村祐司」で検索すればアクセス可)。
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