参 照


授業科目名 行政学概論 科目コード K130343
科目区分 専門教育科目 開講時期 前期
学部・学科等 国際学部 国際社会学科 曜 日 月曜日
必修・選択区分 選択 時 限 3 〜 4 時限
標準対象年次 授業形態 講義
単位数 2 単位 教室名 1351(峰)
担当教員名
中村 祐司
e-mailアドレス(代表者) yujin@cc.utsunomiya-u.ac.jp
オフィスアワー 特に設けないが、e-mailか電話による事前連絡を受け、面会の日時調整を行う。
対象年度 2003 年度
授業の概要
<授業の目標>
 教科書の理解に努める。行政の概念から始めて、現代行政学が成立するに至った現代国家の特
質、政治と行政との関係、行政サービスの範囲、政府間関係論、行政官僚制、行政管理、行政計
画、行政能率、行政裁量といった行政学の基礎概念を体系的に説明する。受講生の理解を深める
ために、日本における規制行政やサービス行政、施設管理運営行政など実際の行政活動について
も補足的に取り上げ、いくつかの事例を紹介しつつ行政学の基礎的理解を深める。
 行政学における全体の体系を理解することにより、受講生にとって今後の専門領域における研
究の手助けとなるようにする。また、結果として国家公務員試験、地方公務員試験、就職試験に
も対応する講義として、特定の問題を深く掘り下げるというよりは、幅広く「概論」を習得する
ことを目標とする。

<授業内容>
 20章からなる教科書を丁寧に読み切ることに目的を置くため、1回の講義で2章分ずつ進んで
いくことになる。10章が終わった段階で中間試験を実施し、20章が終わった段階で期末試験を
行うことで理解の達成度を見極めることとする。
 講義ではとくに各章毎のポイントを指摘し、受講生の理解の手助けとなる事例を挙げながら、
また、板書や質問を通じて緊張感を保ちながら進めていく。
 章と章とのつなぎの部分の説明も行う。教科書の記述をそのままなぞるのではなく、分かりや
すい表現に変え、かみ砕いた形で説明を行う。例えば、官僚制の概念についても、現代における
国や地方の行政職員の行動について受講生が持っているイメージに引き付け、身近な事例を出し
ながら理解させる。また、中央政府―地方政府の政府間関係についても、権限や財源の点でどの
ような融合・相互依存関係にあるのかを、施設設置サービスなど具体的なサービス領域を挙げた
講義を毎回積み重ねていきたい。

<前提とする知識・経験>
 国際組織にしろ、国家や地方の組織にしろ、政府活動に関心を持つ者であること。政府が提供
する特定のサービス領域のうち、自分が関心を持つ領域を具体的に指摘することができる者、あ
るいはNGOやNPOの活動や公共サービスに関心がある者。講義を通じて「これだけはやっ
た」という達成感を得たいと考えている者。

<成績評価法>
 出席(30%)、講義中の質疑に対する真摯な応答(10%)、中間と期末に行う2回の試験
(60%)。

<教員からのメッセージ>
 行政活動の範囲は森羅万象に及んでいる。その意味で受講生に求められるのは社会事象に対す
る知的好奇心である。意欲的・積極的な問題意識を持つ学生の受講を期待する。行政学は決して
堅苦しい学問ではない。
授業の方法
<授業計画>
                                  予習文献
(以下は進捗予定の教科書の章名) 
 第1週 授業計画の説明、行政サービスの範囲          教科書第1章
 第2週 官僚制と民主制                    教科書第2章
 第3週 アメリカ行政学の展開、行政学の構成          教科書第3章、第4章
 第4週 現代国家の政府体系、戦後日本の中央地方関係      教科書第5章、第6章
 第5週 議院内閣制と省庁制、現代公務員制の構成原理      教科書第7章、第8章
 第6週 官僚制分析の視座、官僚制組織の作動様式        教科書第9章、第10章
 第7週 中間試験
 第8週 官僚制組織職員の行動様式、第一線職員と対象集団    教科書第11章、第12章
     の相互作用
 第9週 官僚制批判の系譜、政策形成と政策立案         教科書第13章、第14章
 第10週 環境変動と政策立案、日本の中央省庁の意思決定方式   教科書第15章、第16章
 第11週 予算編成過程と会計検査                教科書第17章
 第12週 行政活動の能率                    教科書第18章
 第13週 行政管理と行政改革、行政統制と行政責任        教科書第19章、第20章
 第14週 期末試験
 第15週 総括講義

<授業の具体的な進め方>
 講義形式とする。しかし、教員からの一方的な説明で終わるのではなく、適宜質問をし受講生
の理解をその都度確認する。一人でも多くの受講生が行政学の基礎知識を一つ一つ習得していく
ようにしたい。

<教科書・参考書・教材と入手方法>
教科書: 西尾勝『行政学』(有斐閣、2001年)。

参考書: 寄本勝美編著『公共をささえる民―市民主権の地方自治』(コモンズ、2001年)。
     西尾勝・村松岐夫編『講座 行政学(第1巻〜第6巻)』(有斐閣、1995年)。
     縣公一郎他編『行政の新展開』(法律文化社、2002年)。

教材 : 講義においてプリントを配布する場合がある。

<その他>
 この講義に予習をした上で毎回出席し、真剣に理解しようと努め、試験もクリアした受講生は
行政学の基礎知識を体系的に身に付けることとなり、他の学問領域の研究においても必ず生きて
くるものと確信している。