<授業の目標>
本演習では、各自の興味・関心にもとづき、実際の行政活動を対象とした実証的な調査活動を
行う。例えば、各省庁や自治体が抱えている政策課題について、政府刊行物や面接取材によって
一次資料や最新の情報の収集に努め、変動する社会状況への行政対応の在り方ついて考察する。
また市民意識調査の実施や市民活動への参加を通して、「現場」における市民と行政の在り方を
探る。
今までの関連授業における個人によるレポート作成の経験を踏まえて、チームによる論文作成
を目標とする。共同研究における役割分担や調整、チームワークの維持、さらにはゼミ内の人間
関係についても深めていきたい。
<授業内容>
この演習では講義形式の授業では得られないような、自分から学び、調査し、書くという研究
活動を経験してもらう。個々人が関心を持つテーマを尊重しつつも、数回かけてゼミ生同士の話
し合いによりこの演習での統一テーマを設定する。統一テーマ決定後、適切な役割分担を図り、
一チーム2名以上で共同調査に着手する。
書籍文献やインターネット情報を利用すると同時に、実際の行政サービスの現場に足を運び、
いわゆる「足でかせいだ」資料収集活動に従事する。論文作成にあたっても章立てから執筆担当
までゼミ生同士で話し合い、共通理解を維持しつつ、論文の完成を目指していく。毎回の演習で
はレジメを作成し、これをもとに調べた事項の報告と質疑応答を行う。論文は研究室HPに掲載
する。
個人的にレポートを仕上げるのではなく、互いに議論しながら、意見の相違を乗り越えて「共
同作品」としての論文を作成する。この経験を通じてゼミという一組織におけるチームワークや
互いの協力関係についても学んでほしい。
<前提とする知識・経験>
行政に対する関心があること。2年終了時までに行政学概論と地方自治論を履修済であること
が望ましい。また、ゼミと並行して余暇政策論を履修することが望ましいが、たとえこれらの科
目を履修していなくても、本人にやる気があればゼミ履修の妨げにはならない。チームを組んで
研究に従事することに多少なりとも前向きな姿勢を持っていること。
<成績評価法>
毎回の出席は大前提。ゼミ運営やHP作成、新規アイディアなどをめぐる意欲的な意見提示と
実務面での貢献(40%)、論文作成に対する貢献度(40%)、とくに行政学研究室の卒論生や
院生との積極的なコミュニケーションの達成(20%)。
<教員からのメッセージ>
本演習の内容は受講生の問題意識により左右される。行政活動に関わる具体的な政策領域に関
心を持つ意欲的な学生の参加を期待する。この演習の成果はその途中経過も含めて積極的にイン
ターネット上に公開していきたい。研究室の活動内容について、
http://gyosei.mine.utsunomiya-u.ac.jp/
(Yahoo Japan!等の画面で「中村祐司」で検索するとアクセス可)を参照して欲しい。
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