712日 卒論指導レジュメ

国際社会4年 瀧 純代

 

広域連携物流特区は北関東に利益をもたらすか

 

     日本の物流の現状 ☆ ⇒ 日本における輸送手段は、トラックが主流

 

長距離間の輸送

     内航海運が主

     内航海運[1]&鉄道(1872年〜)の2分体制

     トラック輸送(昭和30年代〜)

理由@ 人口の都市集中化が進んだことにより、小回りのきくトラックの利用率が高まった

理由A 性能の向上により、遠距離輸送にトラックが多く利用されるようになった

 

国内輸送機関の分担率の推移(トンキロ[2]基準)

     1960年度

鉄道39.2 営業用自動車[3]6.9 自家用自動車[4]8.0 内航海運45.9 航空0.0

     1985年度

鉄道13.1 営業用自動車19.2 自家用自動車16.7 内航海運50.9 航空0.1

     1995年度

鉄道4.5 営業用自動車39.9 自家用自動車12.8 内航海運42.6 航空0.2

     35年間で、鉄道は約9分の1にまで減ってしまったのにも関わらず、反対に営業用自動車は約6倍に増加している。

(余談)←そんな鉄道貨物の利用を増やそうと、JR貨物では環境をウリにアピールしている。

国際比較すると…

鉄道

アメリカ(1991)37.4、フランス(1989)24.8、西ドイツ(1992)19.5、イギリス(1992)7.2、日本(1995)4.5

トラック

フランス(1989)66.8、イギリス(1992)61.0、西ドイツ(1992)60.4、日本(1995)52.7、アメリカ(1991)26.3

内航海運

日本(1995)42.6、イギリス(1992)26.4、アメリカ(1991)16.0、西ドイツ(1992)15.6、フランス(1989)3.4

*日本は、トラックと内航海運の比率が高い*

だからこそこの広域連携物流特区は、トラック輸送を中心としたものになっているのでは?

 

キーワード

・プラント輸出

→工業として必要なものいっさいを輸出すること。工場の建物、機械類など全部をひとまとめにして輸出する。

・加工貿易

→輸入した原料や材料を使って製品にしあげ、できた製品を外国に輸出する。

・中継(なかつぎ)貿易

→外国の物資は輸入するが、自国では加工したり、製品にしたりはしない。貨物の取扱いのみ。

・専門船

→タンカーのように、ひとつの貨物を専門に運ぶ船。鉱石専用船、石炭専用船、冷凍専用船、自動車専用船、コンテナ船etc.

 

     日本に2000ある港のうち、80港が貿易港。

日立港、鹿島工業港(人工的につくられた)は工業港。

 

*日本の自動車における輸出相手国は、アメリカ、ドイツ、イギリス、カナダ、サウジアラビアetc.

                            

参考文献

菊地家達『総合的な学習に役立つ 新社会科学習事典D交通・運輸・貿易を調べよう』(国土社、2002年)

田村正隆『図解 物流のしくみ』(ナツメ社、1999年)



[1] 海上輸送のうち、国内輸送を内航海運、海外との輸送を外航海運とよぶ。

[2] 輸送重量に輸送距離をかけた数字。輸送量を表わす。

[3] 国土交通省から許可を得た運送業のトラック

[4] 荷主自らによる運送に利用されるトラック