2003年6月16日

                                  坂本 香織

 

 卒論のテーマについて興味のあることは少しあるのですが問題意識をどこにどのように持っていけばわからなくて、とりあえず前回の発表のときに疑問に思ったことについて調べてみました。

 

    診療報酬について

医療機関が投薬、検査、手術など個々の治療行為に対して受け取る診療代の公定価格のことを指し、厚生労働省によって決められている。現在では、医療機関が検査や投薬の回数を増やすほど報酬も増える「出来高払い」が中心になっているが、医療費の無駄を省くねらいから病状の安定した高齢者の慢性疾患などには」治療行為を問わず一定の報酬を支払う「包括払い(定額制)」も導入している。個々の診療報酬の単価は物価や人件費などの動向に応じて定期的(だいたい2年毎)に水準を見直している。報酬の一部は患者が自己負担金として医療機関の窓口で支払い、残りは患者が加入している医療保険から医療機関に支払われる仕組みとなっている。薬や医療材料などモノの代金も診療報酬の一部として医療機関に支払われる。モノの代金は公定価格で支払われるが、医療機関は実際には公定価格より安く仕入れるので、その差額(薬価差益)も得ている。過去20年間では診療報酬のうち薬などモノの単価は引き下げられ差益は縮小してきた。一方で医師の技術料など診療報酬本体は一貫して引き上げられてきた。2001年度の診療報酬改定では賃金、物価の下落を反映して薬価を含めた診療報酬全体はマイナス2.7%と過去最大の引き下げ幅を更新して決着。診療報酬本体も−1.3%と初のマイナス改定となった。

<風邪で2日間通院した場合の診療報酬の算定例>

初診料270点、再診料74点、処置料24点、検査料28点、投薬料    

 160点で合計556点。1点=10円のため、この場合5,560円となる。

 

やさしい経済用語の解説

HTTP://www.nikkei4946.com/today/0203/05.html

 

*今回の改定の内容について

    社会的入院の是正

  社会的入院とは病状が安定し、入院治療の必要性が低いとみなされた患者で家庭の事情や後遺症などで退院ができない患者のことで、入院6ヶ月を超えた日から費用負担が大幅に増える。この日を境に「入院基本料」の15%が保険のきかない自費払いになるからだ。入院基本料は病棟も性格や看護配置によって幅があるがおおむね1日1万円程度で、15%というと1ヶ月で4万〜5万円となる。ただし、難病患者や抗がん剤を使っている患者、人工呼吸をつけている患者はのぞかれる。

    小児医療への配慮

  少子化で小児科医が減少し、親の不安が高まっているため、小児医療に配慮した。地域の小児科医が連携して診療体制を確保し、夜間や休日に外来で六歳未満の患者を診療した場合、新たに一回三千円を加算する。小児病棟が一定の職員配置基準を満たせば、患者一人につき一日三万円を請求できる制度も設けた。

  

    薬価差益の問題について

薬価とは、病院の薬の値段のことです。病院や薬局では、この値段をもとに会計し、その一部を外来窓口で請求します。おおまかにいえば、1錠10円の薬を、1回1錠、1日3回、7日分の処方で、合計210円になるわけです。ただし、実際にはかなり複雑な料金体系となっています。処方せん料や、調剤料、指導管理料などいろいろな技術料も加算されます。病院から薬をもらう場合と、処方せんで薬局からもらう場合とで会計が一致しないのは、薬の計算方法や技術料が異なるためです。
 さて、新薬の薬価の決め方には、一定のルールがあります。研究開発費などのコストが考慮されますし、今までにない画期的なものであれば、そのぶん薬価が高くなります。このような新しいオリジナルの製品を、薬価を語るうえで「先発品」と呼ぶことがあります。
 一方、新薬の特許切れの後に発売される同一成分の同種動向薬を<後発品>とか<ジェネリック医薬品>といいます。中小の製薬会社からゾロゾロと発売されてくるので、「ゾロ品」と呼ぶこともあります。開発経費がかかりませんので、先発品に比べ薬価が安いのがふつうです。ただ、日本では後発品の使用割合が非常に低く、全体の1割くらいといわれています。そこで、平成14年の技術料の改訂で、後発品の処方せん料が優遇される後発品使用促進策が盛り込まれました。薬価の安い後発品の浸透をはかり、医療費の抑制につなげようというわけです。
 ところで、医療機関では薬を薬価よりも安い値段で仕入れています。したがって儲けがでます。いわゆる「薬価差益」です。その仕入値はまちまちで、メーカーや卸との交渉にもよります。かつて、薬価差益率30%とか40%というのはざらで、病院の大きな収入源となっていました。使えば使うほど儲かるわけで、薬漬けにつながるという指摘があったわけです。さすがに最近は、たびかさなる薬価の引き下げで、先発品など薬価差10%そこそこという感じです。薬価差の縮小は、街の薬局に処方せんを出す引き金にもなっているのです。
 薬価は、だいたい2年毎に改訂されます。これは、国の医療費抑制策の一環でもあります。事前に医療機関の仕入値が調査され、これを参考に国が決めます。安値で販売されている薬は、そのぶん薬価の引き下げ幅が大きくなるものです。したがって、同じ成分、同じ効能の薬でも、薬価に差がつくことになります。

 

         薬価サーチ http://www.okusuri110.com/yaka/about_yaka.html より

 

 この薬価差益問題を是正しようとして厚生労働省では1999年に2000年度の日本型参照価格制度の導入を目指して検討していたが結局白紙撤回された。この制度は医薬品を効能や成分でグループ分けし、グループごとに保険で支払われる上限額を決め、その価格を上回る分は患者の負担とするというものであった。これにより30兆円の国民医療費の削減が可能だと言われていた。撤回の背景には、日本医師会や製薬業界、アメリカの製薬業界からの反発もあったことがあげられている。その後、これに代わる代替案が検討されていたようだが結局現在どうなっているか調べたのですが分かりませんでした。

 

    男性専門外来について

女性専門外来と同じ意味での男性専門外来というものはたぶんまだできていないいようですが、「男性更年期外来」というものは各地で設置されているようでした。通っている人の年齢層は40代前半から60代前半の人が多いそうで、特徴としてはとにかくみんな疲労感を持っているようです。

    女性医師の割合

 具体的な人数は分からなかったのですが、平成12年の時点で全体の30%を超えていてこの数字は10年前の約2倍だそうです。国公立の大学では学年により、女子医学生の割合が過半数を占めるところも出てきているそうです。しかし、私立大学のなかには女性の入学者を制限しているところもあり、また公私にかかわらず病院の診療科によっては女性の入局者を制限しているところがあるのもまた事実です。その原因はやはり、妊娠、出産、育児にあるようです。

                                 日医ニュース

                     http://www.med.or.jp/nichinews/index.html