5月12日(月)

                         国際学部国際社会学科 坂本香織

  

 卒論のテーマ:女性専門外来について

 

 女性専門外来とは字の通り女性を専門に診察してくれる病院のことで、ここ数年で各地に多く設置されてきている。このことを卒論のテーマに選んだはっきりとした理由は特にないが、ニュースでこの病院の存在を知ったときに、少し前まで自分の母親が更年期障害で悩んでいたことや、友達が女性の医師に診てもらいたくてバスに乗って遠くの産婦人科に通っていたことを思い出し興味を持ったのがきっかけである。また、そのようなことはわたしもこれから先お世話になっていくことかもしれないので深く調べてみたいなと思った。

多くの女性が「男性の医師に診察されるのは恥ずかしい」「男性の医師に話しても自分の痛みや悩みが分かってもらえない」といった理由から病院へ行くことにためらいを感じたことがあるようだ。女性専門外来はそんな状況を変える試みとして誕生した。その大きな特徴は、医師を含め、医療スタッフのほとんどが女性で占められていることである。そのため男性には話しづらい悩みもさらけ出すことができ、医師の方も問診にじっくり時間をかけ、患者がいま置かれている状況をしっかりと理解するように努めているという。婦人科だけではなく、総合的に診てもらえることも特徴だ。

公立病院で初めて女性専門外来を開設したのは鹿児島大学医学部付属病院、千葉県立東金病院現在で、現在では全国数十ヶ所の医療機関が設置している。独立した医療施設によって設置されているところもあり、さまざまな科の診療所が一つのビルに集結しているという形態だ。ほとんどの機関が予約制をとっており、三ヶ月先まで予約がいっぱいというところも多い。このことから見てもその数はまだまだ十分とはいえないようだ。

女性専門外来と大きく関係しているのが「性差医療」という考え方である。この考え方は90年代のアメリカから幕が開いたもので、男女の違いに注目し、配慮した医療のことだ。もともと男性と女性では体の仕組みや病気のメカニズムが基本的に異なっており、適した治療法や薬の量も違うはずだ。しかし日本では、子宮などの女性特有の病気を除けば、女性に対しても男性と同じ医療データを当てはめていることが依然として多かった。これに対してようやく日本でも性差医療が注目されはじめ、女性専門外来の設置などにつながっているようだ。

 

 今後調べていきたいこと

*「女性だけで診察していくという方針は誤りであり、男女問わず女性医学の専門家が診察するべきである」という意見も出ていることについて

      男性専門の外来の設置について

      診断やカウンセリングに十分な報酬が保証されないので経営が困難であるということについて

      診察点数が低い