030421 maeday

国際学部国際社会学科 前田佑介

 

[第一回卒論レジュメ]

PFIPrivate Finance Initiative)について』

 

1、テーマ設定に関して

取材調査等のことを考え、研究対象の設定はできるなら関東圏か自分のホームである北海道にという希望が先ずあった。道庁のページでPFIに関するページを発見し興味を持てたこと、構造改革特区において留萌市が提案を検討していること(実際に提案を行うかは未確認です)、埼玉県内の自治体職員によるPFI手法の導入に関した研究チームがあり、そのあり方が研究されてきたことなどからも研究対象として適していると考えた。また、こうした地理的な好条件を抜きにしても、PFIに関する研究は「行政改革について」「地方や民間への権限委譲」「地方財政について」といった自分の興味に合致することであり、魅力的に思えた。

 

〜上記関連リンク〜

[道におけるPFI導入のための指針]

http://www.pref.hokkaido.jp/skikaku/sk-ssnji/pfi/pfi-index.htm

[あなたのまちにPFI]

http://www.ksky.ne.jp/~sacci/

[構造改革特区構想の第2次提案の概要一覧]

http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kouzou2/kouhyou/030120/gaiyou.pdf

 

 

2、キーワードとその説明

     PFIPrivate Finance Initiative

日本語訳の定説はないが「民間資金を活用した公共施設整備」と訳すことができ、公共施設等の建設、維持管理、運営等を民間の資金、経営能力及び技術的能力を活用して行う新しい手法のことを言う。

民間の資金、経営能力、技術的能力を活用することにより、国や地方公共団体等が直接実施するよりも効率的かつ効果的に公共サービスを提供できる。

我が国では、「民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律」(PFI)が平成117月に制定され、平成123月にPFIの理念とその実現のための方法を示す「基本方針」が、民間資金等活用事業推進委員会(PFI推進委員会)の議を経て、内閣総理大臣によって策定され、PFI事業の枠組みが設けられた。

英国など海外では、既にPFI方式による公共サービスの提供が実施されており、有料橋、鉄道、病院、学校などの公共施設等の整備等、再開発などの分野で成果を収めている。

(以下メリットをまとめていきます)

@      設計・施工・運営を一括して民間の裁量に委ねるため、民間は、創意工夫によりコストを下げることができる。

A     一般的に、公共事業では、後年度になればなるほど施設の維持管理費や補修費、更新費が増加する傾向があるが、PFIでは、民間が責任をもって事業の運営を行うため、公共側の後年度負担の増加を抑制することができる。

B      PFIでは、「リスクを最もよく管理できる主体がそのリスクを引き受ける」との原則により、リスクに対する対応策や追加支出の分担を、契約の中でできるだけ具体的に明確に規定する。

このように、リスクを公共と民間の間で適切に分担することによって、事業の安定性を高め、リスクを管理するためのコストを最小化することができる

C      これまで公共には、「1.計画策定」、「2.事業実施」、「3.事業の品質(安全性、環境性、経済性等)の監視」、という「3つの役割」があった。

PFIでは、民間が事業の実施主体となるため、公共側は、「1.事業計画の策定」と「3.事業の品質の監視」に注力することができる。特に、運営期間中は、公共は事業の品質面の監視に注力できるため、公共サービスの質の向上を期待できる。

 

(これらのメリットを生かしやすい分野)

     PFIのメリットを最大限に生かすことができる分野としては、廃棄物処理や上下水道などの環境分野を挙げることができる。

    廃棄物処理事業では、施設の運営期間が1520年間と長いうえ、高度で複雑な処理が求められるため、民間のノウハウ発揮の余地が大きい。特に、施設の建設段階に加え、期間の長い運営段階で、より多くのノウハウ発揮の余地がある。

 

注:@、Aはライフサイクルコスト(企業が生みだすものの生涯に必要なすべてのコストのこと)について。Bはリスク管理の最適化について。Cは官民の役割分担の明確化についてです。また前半のPFIについての説明は

[内閣府PFIホームページ] http://www8.cao.go.jp/pfi/

より引用。後半の@〜Cについては

[創発戦略センター] http://www.sohatsu.ne.jp/theme/environment/case.html

より引用しました。

 

〈今後の方針〉前期は取り敢えずインターネット中心の情報収集でテーマに関する問題意識を深めていきたい。PFIという制度全般というのではなく、PFIを導入するある自治体にスポットをあてるという形で進めたいと考えている。