行政学卒論ゼミ

平成13716日(月)

                         980142 宮田 弘美

 

 

1.      自治体から見たIT政策

     地方関連の法制度の確認

     2000.8.28地域IT推進本部)「IT革命に対応した地方公共団体における情報化施策等の推進に関する指針」

     3つの重点分野…“住民ニーズに対応した質の高い行政サービス”、“情報通信基盤の整備による社会・経済活動の活性化”、“行政の簡素・効率・透明化”

      総務省…アクションプランの策定・公表し、見直し

      連携体制…国・地方、都道府県・市町村

 

     2000.12.25地域IT推進本部)「地域IT推進のための総務省(旧自治省)アクションプラン

     推進8項目…行政のオンライン化、住民申請・届出のオンライン化、地域における情報通信基盤の整備、住民基本台帳ネットワークの整備、消防防災分野における情報通信の高度化、各行政分野の情報化、電子化推進のための体制づくり、コンピュータ・セキュリティ対策、個人情報保護対策

 

 

2.      総務省の定義

   【電子自治体】 

    住民の利便性の向上、行政の簡素効率化・透明性の向上に資するため、インターネット等ITを活用した地方公共団体の行政運営を図ること

    (具体的には⇒)電子認証、電子調達、電子決裁、電子申請、原本性保証、インターネット・LANCATV

 

 

3.      IT戦略本部:(2001.6.26

  「e-Japan2002プログラム」正式決定…次年度のIT関連予算の基本方針

    @  高速ネット推進、A教育の情報化・人材育成、Bコンテンツの充実、C電子政府実現、D知的財産権等の国際ルールづくり 

    「e!プロジェクト」着手

      電子投票制度、空港での出入国手続きのICカード化、電子救急システム

 

 

 

4. 総務省発表:(2001.7.6

高速インターネット利用可のDSL(デジタル加入者線)加入

→(6月末)291333人…半年で約30倍の増加

 

 

5.厚生労働省:(2001.7.6

2001年度版労働経済白書」…2000年中心の労働経済の動向分析、IT革新による雇用量・働き方への影響

   事務部門での影響(大)→ネットワーク化、アプリケーションの発展

   日本での雇用→(90年代〜)200万人以上の雇用創出効果

 

 

6.毎日新聞の関連記事

    「情報通信に関する現状報告」(情報通信白書)

     →インターネット利用者、インターネット普及率、「IT資本」(情報機器・ソフト)と経済の関係

 

 

 

【感想・意見】

現時点で見てみると、官よりも民間の、ITに関する取り組みの早さがうかがえる。安定志向で現状維持のイメージが強い行政機関と、市場のなかで常に効率性・採算性を確保しなければならない企業。その取り組みの差は、当然の結果であるともいえるが、先進国のなかでも目立って日本は遅れているのを感じる。

私は先日、民間企業の、電子自治体に関する講演会を聴きに行ったけれども、実際に日本が電子政府・電子自治体を2003年までに実行できるのか、その実感があまりわいてこなかった。自分がまだ直接、サービス等を通して関わっていない、ということもあるけれども、国民のなかには、まだピンとこない人のほうが多いのではないだろうか。

また、本来から言われているIT導入による「ペーパーレス化」についても、逆に、紙を大量に消費してしまっている事実を、浦安市役所の職員の方から聞くと、国の政策がどこまで上手く実行されるのか、不安な面もある。職員に関しても、IT担当の部署が急激に多忙になり、他の職員よりも残業が増えたりするなどの問題も生じている。何年も前から議論を呼んでいる、ICカード導入に関しても、まだ具体的な解決策が見出されていないようだ(この問題については次回また触れたい)。

私たちはITの長所にばかり目を向けてしまいがちだが、実際、ITによってもたらされる恩恵とは紙一重で、新しい問題が生じていることも念頭に入れて調査していきたい。