情報公開請求の過程について

平成13年7月9日

国際社会学科 福田 拓郎

 

平成13年7月6日、宇都宮市役所が使用している情報システム(HP、庁内LANなど)を委託している業者や、年間の運用費について情報公開請求を試みた。

 

l         宇都宮市の情報化について

(宇都宮市 企画部 情報政策課 情報化推進担当係 谷田部正一殿のお話より)

 市のホームページは職員の方が作っている。開設当初は業者に委託していたが、現在は各部署がそれぞれの担当業務に関する情報を独自に作成し、掲載している。これは情報を載せたいときにすぐ載せられるという即時性や、委託した場合のコスト等を考えた結果。

 また、内部で使用しているシステムについても、庁内LANの運用管理といった一部の業務を除いて、委託はしていない。基本的に導入当初は委託し、その後は職員が自分達で使用しているという流れ。また、庁内の全システムを一つのメーカーが一括して受注している訳ではなく、部署によって様々だという。システムの更新が必要になれば改めて競争入札によって業者を決める。現状はそれぞれの部署で情報技術に詳しい職員を育てて対応している。

 

l         庁内LANの運用費について

(情報政策課で氏名、住所等を記入し閲覧した資料より)

 「インターネットシステム運用管理業務」

毎年4月1日〜3月31日までの年間契約

H11  3,700,200円 松下電器産業

H12  4,292,400円 同上

  H13  4,292,400円 同上

このシステムの運用管理に関しては、業者が頻繁に変わることが好ましくないため、随意契約となっている。

 

l         情報公開制度:請求から開示までの流れについて

 (宇都宮市 総務部 総務課 情報公開担当者殿のお話より)

市の基本的なスタンスは「あるものはなるべく公開する」というもの。請求があった場合、まず総務課と担当部署の職員との三者で面談。話し合いによって解決できるものは解決することになっている。それでも納得できないという人が初めて請求の手続きに入る。その際には、対象の情報が存在するかどうかや、対象となる情報の範囲などを相談したうえで用紙に記入し、手続き完了となる。しかし、大抵の情報は口頭で聞くことができたり、担当部署の窓口で閲覧可能なため、実際に請求までいくことは少ないようだ。

今後の情報公開制度について、将来的にはHP上から請求できるようになるのかと質問したところ、前述したように、手続きしなくても情報を得られるケースが多いこと、請求する際に対象となる情報を具体的にする必要があることから、直接会って対応することを基本に考えているとのこと。また庁内の文書の電子化もまだ進んでおらず、すぐに実現するとは考えにくいようだ。

 

l         その他感じたこと

・職員の対応:アポイント無しにも関わらず、かなりの時間を割いていただくなど、非常に丁寧な対応だった。

・縦割り行政:他の部署の業務を把握しきれていない様子も見受けられた。情報化も各部署がそれぞれ独自に対応しているように感じた。

 

l         今後の方針

今回のことを通して、よほどの事がない限り、公開請求までは至らないのではないかいう印象を受けた。今後、「情報公開制度」のみに絞って見ていくべきか、それともホームページの活用方法などのように、「情報公開に対する取り組み」全般に対象を広げ、市民に公開されるべき情報とは何かを検討するべきだろうか。