卒業論文
国際学部国際社会学科4年 澤田 勝弘
テーマ:フリーマーケットにみる地域振興のあり方について(仮題)
6月24日
・フリーマーケットの起源(又はその始まり)
フリーマーケットは英語表記ではFlea Market(蚤の市)と記す。一般的にFree Market(自由市場)であると考えてしまいがちであるが、やはり日本語で蚤の市というように、Free(自由)でなく、Flea(蚤)と記す方が正しい。
それは、広辞苑によればパリの北郊ラ‐ポルト‐ド‐サン‐トゥアン(地下鉄のポルト‐ド‐クリニャンクール駅近く)に毎週立つ古物市に転じて、一般的に古物市の事を指すとある。
・フリーマーケットとバザーの相違点
フリーマーケットと同じような意味で日本では使われる事の多いバザーという言葉。フリーマーケットを知る上で、バザーについてはたして蚤の市のような意味で使われているのであろうか。Baza(a)r:バザーは元々はペルシア語で市場の意味であった。しかし、市場といっても公共事業・社会事業などの資金を集める目的で催す市との見方が一般的であり、慈善市とも考えられる。また、バザーの他にバザールという言葉も存在する。Bazar:これはバザールと発音するが、主にインド・中央アジア・中東諸国などにおける市場の意味で、他には種々雑多な品物を売る小店。一般的に私達がよく使う使い方だと百貨店などの大売出しの事を指す事が主な使い方のようだ。私が考えたこれら2つの相違点は、やはりフリーマーケットは大規模〜中規模レベルの蚤の市がほとんどである。それは、フリーマーケットと呼ばれるものの多くが以下のような市民団体により運営されているのに対し、バザーと呼ばれる形態の蚤の市は学校、幼稚園・保育園等による保護者会やPTA主催、または、企業などによるかなり狭い意味で地域に密着し、慈善的な意味を含めたものであるためである。これは、アメリカ国内においてもその意味付けは同じである。それは、アメリカのフリーマーケットと呼ばれるものはRose Bowlと呼ばれるアメリカンフットボールの競技場で毎月第2日曜6時から行われるものと、Long Beachと呼ばれる毎月第3日曜8時から行われる2つがそれである。これは、かなり広い地域で行われるため、ロサンゼルスの市民の週末の楽しみのひとつになっているようだ。これに対し、アメリカのバザー的な位置付けのものは各ストリートや公園、学校などにおいて行われているものを指す事が多い。また、アメリカでのフリーマーケットにおいて売られているものは揺り籠から墓場までではないが古着や小物の他、車やログハウスなどもある。
それらの情報はhttp://fleamarketguide.com により検索する事ができる。これは、全米各地で行われているフリーマーケットの情報が、開催日時、場所、その行き方、内容とすべて一目瞭然に見る事ができるサイトである。アメリカ国民は自宅のコンピューターやインターネットカフェによりこれらのサイトから情報を入手し、フリーマーケットに出かけていくようである。これは、国民性としてフリーマーケットを町興しのイベントとして位置づけている事や、環境問題に熱心な事が背景にあるからではないだろうか。
・フリーマーケットを運営している市民団体等一覧
リサイクル運動市民の会(北海道本部・静岡本部)
リサイクル運動市民の会(東京本部)
東京リサイクル運動市民の会
日本フリーマーケット協会
中部リサイクル運動市民の会
中部フリーマーケット連盟
西日本リサイクル運動市民の会(福岡事務局)
山口県リサイクル連合会
おびさんロード商店街振興組合
沖縄リサイクル運動市民の会
調べた限りでは、以上のような代表的な市民団体があり、リサイクル=環境保全という視点でフリーマーケットを運営している市民団体が多いのに驚かされる結果となった。以上で示した市民団体が主催するフリーマーケットが全国各地で一ヶ月間の間に約60近くあり、人々のフリーマーケットに対する興味の深さが窺える。