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黒川佳美「テーマパークの取り組み

〜入場者増加への取り組み・地域との関係〜」

 

 

1.   はじめに

 

現在日本には数多くのテーマパークが存在する。日本にあるテーマパークでは、「東京ディズニーリゾート(東京ディズニーランド・東京ディズニーシー)」や「ユニーバーサル・スタジオ・ジャパン」が代表として挙げられる。休日ともなればテーマパークには家族連れや友人と訪れる人など多くの人でにぎわっている。それだけテーマパークは多くの人たちに親しまれている場所である。また1度だけでなく何度も同じテーマパークに足を運ぶ人も多い。上記に挙げた2つのテーマパークは日本の中でも入場者数が多いテーマパークである。また、遊びに行きたいテーマパークとしても上位に挙げられている[i]。本レポートでは、これだけ多くの人から支持や入場者を得るためにどのような取り組みをしているのかに注目して考察していきたい。

ここでは入場者数や支持が高い上位2つの「東京ディズニーリゾート」と「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」についてみていく。

 

 

2.   東京ディズニーリゾート、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンについて

 

東京ディズニーリゾートは株式会社オリエンタルランドによって運営、経営されている。1983年に東京ディズニーランドがオープンし、2001年には東京ディズニーシーがオープンした[ii]。ユニバーサル・スタジオ・ジャパンは株式会社ユー・エス・ジェイによって運営されている。2001年にオープンした[iii]

 

 

3.   ゲスト(入場者)に対する取り組み

 

パーク内の取り組みとしてゲストに対する取り組みがある。

 まず東京ディズニーリゾートでは「アトラクションの安全に関する基本方針」「エンターテイメントショーの安全に関する基本方針」「商品の安全・品質方針」「OLCグループ食品安全方針」を定め、ゲストが安心して楽しめる場所を提供する取り組みがなされている。さらにゲストからの意見の収集や満足調査を行い、サービス・安全に関する改善策を検討実施している[iv]

 ユニバーサル・スタジオ・ジャパンでも同様に、ゲストに安心して楽しめるように安全と衛生面での取り組みを最優先している。また情報提供を行ったり、ゲストの声に耳を傾けクオリティの追求を行っている[v]

 2つのパークに共通しているものとして、まずゲストに対するホスピタリティがとても優れていることが挙げられる。従業員のおもてなしによってさらに楽しい時間を過ごすことができる。次に新しいアトラクションやパレードの導入を行っていることが挙げられる。常に新しいものを提供することによって、1度来た人も楽しめる内容になっている。そのためゲストはまた行きたいと思うようになる。東京ディズニーリゾートでは入場者の9割が過去に1度以上訪れたリピーターである[vi]。何度訪れても楽しい空間や魅力があるからこそ多くの人がリピーターとなる。そのリピーターをどれだけ獲得できるのかが最大の課題だと考える。多くの入場者や支持を得るためには、来場者がまた来たいと思えるような場所やサービスを提供することが一番大切である。

 

 

4.   テーマパーク外の取り組み

 

ゲストに対する取り組みはパーク内での取り組みであるが、パーク外にも様々な取り組みを行っている。特にここでは地域社会貢献への企業の取り組みについてみていく。

 東京ディズニーリゾートを運営するオリエンタルランドでは地域社会貢献として、浦安市が実施するイベントへの協力を行っている。2001年度からは浦安市の成人式を毎年東京ディズニーランドで行っている。また浦安市内の小中学生の職場体験学習にも協力するなど幅広い面で地域との共生をはかっている[vii]。また要請を受けた企業や団体などに出向いて接客・おもてなしの心、人材育成術を伝える出前授業を行ったりしている[viii]。さらに「地球のためにできること」と題した環境学習の出前授業で、オリエンタルランド創立50周年記念事業の一環として、浦安市内の小学校で巨大絵本を用いて地球温暖化問題をわかりやすく説明する授業が行われた[ix]。オリエンタルランドの地域社会貢献は、東京ディズニーリゾートがある浦安市にとても密接した取り組みである。

 一方ユニバーサル・スタジオ・ジャパンを運営するユー・エス・ジェイでも多くの地域社会貢献の取り組みが行われている。近隣地域で助けを必要としている人々への支援を目的にチャリティ・ディナーショーを実施し、豊かな地域づくりを目指している。子供向けの職場見学や、障がい者・ホームレスの方へのサポート、大阪府を通じて府立病院へ車椅子を寄贈している。さらに外部団体NPO法人などと協力し、大阪市一斉清掃なども実施している。大阪市を中心に近隣の地域に密接した取り組みが行われている[x]

 この2つのテーマパークはパーク内の取り組みだけにとどまらず、地域との共生を考えた様々な取り組みが行われている。地域住民への迷惑行為や地域住民の反対があればその場所で運営ができなくなるのは当然である。よってテーマパークが存続していられるのも地域住民の支持がなければ成り立たないと考える。そのためにこのような地域と密接した関係を築き上げることも重要な取り組みの1つである。

 

 

5.   まとめ

 

上記に挙げた2つのテーマパークの取り組みを比較しても大きく異なるものはなかった。どちらも入場者に対する取り組み、地域社会貢献への取り組みを行っている点で共通していた。このようにパーク内、パーク外の様々な取り組みが評価され多くの人からの支持を得ていると考えられる。

 私自身も東京ディズニーリゾートに訪れるリピーターの一人である。季節ごとにイベントが違ったり、新しいグッズが販売されたり、新しいアトラクションが導入されたりと、何度行っても朝から夜まで楽しめるテーマパークである。そしてまた行きたいと思ってしまう。テーマパークで楽しめる裏側には企業側で多くの取り組みがなされ、従業員を含めパーク全体で入場者に楽しい時間や空間を提供していることがわかった。よって多くの人がまた来たいと思うような場所になっている。何度いっても常に新しい発見があることも魅力のひとつである。近年地方の遊園地は来場者が来なくなり、経営ができなく閉園しているところも増えている。遊園地やテーマパークは入場者がいないと経営が成り立たないために、このようなパーク内の取り組みを中心として多くの入場者の支持を集めることが最も重要な取り組みである。

しかし入場者の支持だけではテーマパークは存続できないと考える。周辺地域や地域住民の支持がなければ、その場所で長い間運営することは難しい。テーマパークと地域の共生をはかり、地域と密接な関係を築き上げていくことも重要な取り組みのひとつである。地域との密接な関係を築くことで地域住民の支持を得られ、地域住民もテーマパークへ足を運ぶことが多くなり、入場者増加にも繫がっていく。またテーマパークがあることでその地域に訪れる人も増えるため、テーマパークと共生することは地域活性にも繫がっていくと考える。



[i] http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/trend/jisan/20090615-OYT8T00152.htm

「夏休みへ新企画用意」 2009615日 読売新聞 (最終閲覧2010/07/05)。

[ii] http://www.olc.co.jp/company/history/index.html

OLC GROUP 沿革 (最終閲覧2010/07/05)。

[iii]  http://www.usj.co.jp/company/about/history.html

株式会社ユー・エス・ジェイ 沿革 (最終閲覧2010/07/05)。

[iv]  http://www.olc.co.jp/csr/activity.html

OLCグループCSRの取り組み テーマパークの安全に関する取り組み

(最終閲覧2010/07/05)。

[v] http://www.usj.co.jp/company/about/vision.html

株式会社ユー・エス・ジェイ 企業ビジョン (最終閲覧2010/07/05)。

[vi] http://mainichi.jp/life/travel/disney/news/20100418ddm013100021000c.html

「ディズニーの夢づくり:第1部・巧みな演出/2 来るたびに新発見」

毎日新聞 2010418日 東京朝刊 (最終閲覧2010/07/05

[vii]  http://www.olc.co.jp/csr/contribution.html

OLCグループCSRの取り組み OLCグループらしい社会貢献 (最終閲覧2010/07/05)。

[viii]  http://job.yomiuri.co.jp/news/ne_08041106.htm

「「魔法」の接客・人材育成術、企業などに伝授」2008411  読売新聞

 (最終閲覧2010/07/05

[ix]   http://mainichi.jp/area/chiba/news/20100528ddlk12040256000c.html

「出前授業:巨大絵本で温暖化解説 OLCが浦安小で」

毎日新聞 2010528日 地方版 (最終閲覧2010/06/29

[x] http://www.usj.co.jp/company/about/area.html

株式会社ユー・エス・ジェイ 社会貢献への取り組み (最終閲覧2010/07/05)。