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金原翔麻 ニュースから見る「マイケル・ジャクソン

 

はじめに

 

マイケル・ジャクソンの死からもうすぐ一周忌になる。しかし、死後の今も多くのファンに愛されている。また、自分はマイケル・ジャクソンの死後に彼の音楽を聴いて、好きになった。亡くなったあとも世界に影響を与えるマイケル・ジャクソンを見ながら、余暇との関係を考えていきたい。

 

マイケル・ジャクソンについて

 

<本名マイケル・ジョゼフ・ジャクソン>

958年8月29日にアメリカのインディアナ州ゲイリーで、9人兄弟の7番目という大家族に生まれる。69年10月、ジャクソン・ファイブとしてデビュー。その後、ジャクソン・ファイブはジャクソンズと名前をかえて活動する。80年代に入り、本格的にソロ・アーティストとして活躍する。そして、スリラーやBAD、ビリー・ジーンなどの名曲を生み出していく。2009年6月25日に亡くなるまで「キング・オブ・ポップ」として多くの魅力を世界中に伝えた。[i] 

 

ニュースから見るマイケル

1.再送:「最も影響力大きいPV」はM・ジャクソンのスリラー=調査  531313分配信 ロイター)  [ロンドン 3日 ロイター] 昨年6月に急逝したマイケル・ジャクソンの「スリラー」のビデオが「最も影響力の大きいポップミュージックビデオ」だという調査結果が、3日明らかになった。
 同調査は、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)のマイスペースが、音楽ファン1000人以上に音楽・エンターテインメントの評論家が選んだ音楽ビデオ20種類の中から好きなビデオを選択してもらう方法で実施。
 その結果、音楽と映画制作の境界を卓越したとの評価で「スリラー」が得票率15.2%で1位となった。 
[ii]

1の記事からスリラーは曲としてもPVとしてもマイケルの代表作だということがわかる。また重要なのは、この曲の入ったアルバムのスリラーが発売されたのは82年で、自分は生まれていない。しかし、この曲は聴いたことがあり、PVも知っているくらい世界中の人に浸透している点である。まったく違う世代の自分たちが聴いても「かっこいい・すごい」と感じるところに彼の死でも新たにファンを増やす魅力があると思う。

2.【音楽の政治学】名曲にネットが新風吹き込んだ 510757分配信  産経新聞)

 ■「We Are The World」
 「自分にできることをやる」。大飢饉(ききん)のエチオピアで活動する西洋人医師がテレビから語りかけてきた。
 黒人の歌手で社会活動家、ハリー・ベラフォンテはすぐに友人の音楽マネジャー、ケン・ケラゲンに電話した。
 「米国には世界で最も偉大なアーティストたちがいる。彼らを集めて、われわれ自身のレコーディングをやろうじゃないか」
 約1カ月後の1985年1月、ロサンゼルスのスタジオで、マイケル・ジャクソン、ライオネル・リッチー、ブルース・スプリングスティーンら45人が一晩かけて1つの曲を録音した。
 ♪We are the world We are the children…
 エチオピア難民救済を目的に結成された「USA・フォー・アフリカ」に参加したポップ・スター[iii]

 

2の記事はエチオピア難民を救うための活動だが、国の行う外交措置としてではなく、余暇である音楽の分野からの難民救済へのアプローチである。マイケルは音楽をとおして、たびたび平和を訴えている。音楽は余暇としてより身近な分、政府の活動よりも私たちに平和などの思いが直接伝わってくる。そのため、余暇の分野はマイケルの曲が世界中で聴かれるように影響を与える力を持っているのではないだろうか。

 

考察

 

マイケル・ジャクソン死後の人気の要因

 

@  マイケル死亡のニュースが世界的に大きく報道されたことで今までマイケルについてあまり知らなかった人がインターネットの検索などを通じて再認識された点

 

A  YouTubeなどの動画サイトを通じて気軽にマイケルの音楽を聴くことができ、PVを視聴できる点

 

B  マイケルの死後と同時期に映画「THIS IS IT」が放映され、DVD化された点

 

 以上の三点が亡くなったあとも人気があり、さらには新しいファンの確立にもつながったと考えられる。また再認識は一時だけには留まらず、新たなファン層、特に若い世代のファンが増えたのは現代のポップ・ミュージックと比較しても古く感じない点にあると考える。

 余暇という観点からみると、言語の違うでマイケルの音楽が聴かれているのは、歌詞がいいというよりも音楽性が評価されているのではないだろうか。メロディーやリズムといった音が耳に残り、親しみやすい。これは言語の違う人同士の異文化交流に大きく貢献している。マイケルの曲を聴き、アメリカに興味をもつひともいる。そして、マイケルゆかりの場所を巡る観光も存在する。そのため音楽という余暇の分野が経済効果を生んでいる。

しかもこのような経済効果は音楽そのものを世に送り出して得る利益と違い、より副次的なものであると感じる。マイケルの音楽から始まりいくつもの事柄が結びついて大きな利益につながっている。

 

音楽による社会貢献

 

 上記にも示したように、マイケル・ジャクソンは音楽による社会貢献を行っていた。とくに世界の貧困に苦しむ子供のためにいくつか活動していた。『We Are The World』は音楽による社会貢献の代表といえる。少年時代から音楽とダンスによってショービジネスの世界で活躍していたマイケルにとって、音楽で人びとに訴えかけることが一番表現しやすいといえる。マイケルのファンは世界中に何百万人といるのだから、各国が個別に政策をとるよりも貧困撲滅につながると考えられる。

 『We Are The World』はハイチの地震のときにも、多くのアーティストが集まり義援金をあつめるために歌われた。この曲は社会貢献あるいは慈善活動のためのひとつの象徴になっていると思う。マイケル・ジャクソンの音楽は実際に人を救っている。余暇の分野は利用の仕方によって社会に大きな影響をもたらすことがわかる。この場合は政府の外交と同じくらい効果をうんでいる。音楽の影響は一般の市民レベルの心に訴えることで、効率よくさまざまな効果うむことができるのではないだろうか。



[i] 西寺郷太著(2010年出版)『マイケル・ジャクソン』講談社より

[ii] http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100503-00000121-reu-ent 

Yahoo Japan ニュース

[iii] http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100510-00000035-san-int

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