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国際学部 国際文化学科 岡田 展幸
迷惑メールの処理で人類の時間がどの程度失われているか
インターネット上では日々数え切れないほど迷惑メールの送信が行われている。本来迷惑メールは処理する必要が無い。しかし実際には毎日のように迷惑メールを見かける。その処理にどのくらい時間を奪われているかが気になった。
本レポートでは、迷惑メールの実態とインターネット人口を示した上で、その処理をするとどの程度時間がかかるかをまとめる。
はじめに迷惑メールの実態を示す。迷惑メール送信は、大規模に送信が行われる場合と小規模に送信される場合が考えられる。大規模な迷惑メール送信業者の送信容量は一日あたり1000億通と言われている1。また、日本には小規模な迷惑メール送信業者は1万件程度と推測される2。これらの業者は迷惑メールの送信能力を示しているため、一日あたりの迷惑メール送信能力は8000万通以上と推測される3。日本のインターネット人口は世界の13.8%である4。そこで、1日あたり8000億通が世界全体の13.8%だとすると、世界では一日5兆7971億144万9275通、年間2115兆9420億2898万5507通にもなる。大規模送信業者とあわせると一日あたり5兆8971億144万9275通、年間では2152兆4420億2898万5507通になる。
次にインターネット人口を示す。世界のインターネットユーザー数は7億4700万人4といわれる。仮にこれを全員に等分すると一人当たり一日7760通、年間283万2586通の迷惑メールが送信されることになる。
仮に、受信トレイの迷惑メールの処分に30秒、迷惑メールの一括削除に10秒、一人当たり40秒かかるとすると、世界で毎日298億8000万秒が迷惑メールの処理に使われている。一年間では10兆9062億秒になる。一日につき947.4年分、一年間で34万5833年分の時間が迷惑メール処理に使われることになる。
また、アメリカでは1週間で2,290万時間、1年間では10億1,900万時間が迷惑メールの処理に費やされているという統計もある5。1日当たり2791780時間に相当する。アメリカのインターネット人口の比率は20.5%と言われる4。アメリカのインターネット人口に占める迷惑メールを受け取る割合は78%と言われる5。そのため、世界全体では1日あたり1062万2385時間、1年間38億7717満731時間の浪費と推測される。1日あたり1212年、1年間で44万2599.年分の時間が失われている。この結果は、先の推計より
調べる以前はせいぜい1日あたり1年程度と考えていたが、実際に調べてみると1日で1000年近い時間が失われていた。迷惑メールを送信する手口も日に日に巧妙化しており、迷惑メールは今後も増え続けるだろう。このような無駄はなくなるべきだし、なくすようインターネットユーザーは努力するべきだと考える。
参考
1ボットネットの迷惑メール送信容量は1日1000億通 ITMedia News
http://www.itmedia.co.jp/enterprise/articles/0804/10/news039.html
2008/07/01時点
2主要三検索エンジンの検索結果上位1000件から推計
3中国経由で54億通の迷惑メール、出会い系サイト社長ら逮捕 Internet Watch
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2007/01/17/14481.html
2008/07/01時点
4世界のネット人口、1年で1割増加 ITmedia News
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0703/07/news036.html
2008/07/01時点
5迷惑メールの削除に1週間あたり2,290万時間が浪費されている Internet Watch
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2005/02/07/6384.html
2008/07/01時点