余暇政策論2007/07/02 060569X 加瀬谷 咲貴
流行が人々に与える影響
１、「流行」とは
（ⅰ）流行とは、ある社会のある時点で、特定の思考、表現形式、製品などがその社会に浸透・普及していく過程にある状態をあらわす。流行にもファットとファッションの二種類がある。急激に流行し、あっという間に消えてしまう流行をファット（例；たまごっち）という。一方で、ファッションは長期にわたり流行し、その社会に定着する流行（例；携帯電話）をいう。
（ⅱ）服装に反映される流行
さまざまなものに影響を与える流行の中でも、今回は服装に反映される流行について調べることにした。私は日本での服装の変化に的を絞って考察した。
２、時代とともに変化する服装の流行
（ⅰ）５０～６０年代
世界的に流行した「ニュー・ルック」が日本でも大流行した。同時に、５０年代は映画が娯楽の中心であったため、ヒット映画に登場した服装が流行となったりした。（例；ローマの休日）また、代表的なメンズ・ファッションの流行としてあげられるのは「太陽族」である。石原慎太郎原作の『太陽の季節』が封切りとなるやいなや、その登場人物を真似た若者が多くみられるようになり、彼らが太陽族とよばれた。1964年に戦後初の大イベントである東京オリンピックが開催された頃、「みゆき族」という突発的な流行がうまれた。銀座のみゆき通りに大勢の若者がたむろするになり、「みゆき族」とはこれらの若者の総称である。特徴としては、男性はアイビー・ルックを少し崩したスタイルで女性はロングスカートにリボンベルト、そして頭には二つ折にしたハンカチをかぶるというものである。
→古い価値観を捨て、自由に生きる若者が流行の中心となっている。戦争からの解放と新しい時代への期待が色濃く反映されているといえるのではないか。
（ⅱ）７０～８０年代
６０年代後半に起こった学生運動やヒッピーのファッションから、この時代はジーンズファッション化が進んだ。自由や反抗、反体制の象徴ともいわれたジーンズは若者ならではのファッションとして流行した。また、７０年代にはファッション雑誌の創刊が続いた。そして、バブル経済が始まった８０年代にはDCブランドが流行した。また、女性のあいだではボディコンも流行した。ボディコンの特徴は、体の線が目立つようにデザインされ
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ていることである。
→ファッション雑誌が発行されたことで、東京で生まれた流行が全国区での流行となった。この時代からすでに東京はすでに流行最先端の地となったのではないか。
（ⅲ）９０年代
９０年代は海外ブランドであるグッチやルイ・ヴィトン、プラダなどのすでに確立されたステータスブランドが流行した。その中でも特に奇抜で斬新な服装をしている人々がカリスマやファッションリーダーとよばれるようになった。また、この時代がアメリカからの音楽、ヒップホップが流行し、その影響を色濃くうけている。特徴としては、サイズが極端に大きいということである。また、６０年代や７０年代に流行した服装がリバイバルしたりした。
→どんどん新しく生まれる流行だけではなく、過去に流行したものがもう一度見直され、取り入れられる。つまり、ファッションの流行は周期的にリバイバルするのではないか。
３、まとめ、感想
日本での服装へと反映される流行を調べて、服装にはその時代時代が色濃く影響されているのだと改めて思った。また、流行を反映しているのは主に若者であるということもわかった。大体にして新しい流行は年配者からみるととても理解不可能で受け入れられないものであるのではないだろうか。流行はいつしか文化となり、廃れていくものもあれば守られていくものもあると思う。今回こうして調べるまで、文化が流行に反映されていると思っていたが、逆に流行が文化を生み出しているのだということがわかった。きっと、明治時代の人々からみたら現代の私たちの服装が奇抜に思えるのではないだろうか。１００年後の日本ではどのような服装が流行しているのか、考えてみると面白いと思った。
参考文献
「ファッションの歴史」
http://www.fashion-rekishi.com/index.html
「原宿ファッションの歴史」
http://www.harajuku.jp/sanpo/fashion60/fashion60.shtml