20080702

余暇政策論レポート

国際学部 国際文化学科 070505M 石岡 未知子

テーマ「中国人富裕層」

 私は「中国人富裕層」について調べてみようと思う。なぜこのテーマについて調べようと思ったのかというと、以前あるテレビを観ていたときに「中国人富裕層」についての特集を行なっており、興味をもったからである。その番組をみるまで私は「中国人富裕層」という人口層の存在を認識していませんでした。しかし番組を見たことにより日本に多大な影響を与えている彼らのことを詳しく知ってみようと思い、このテーマを選びました。

現在、中国国内において富裕層が占めている人口の割合は、6〜7%だという。数字だけを見てみると一見少ないように思える。しかし世界で最も人口が多く、「一人っ子政策」をしなければならないほどの中国の人口は13億人で、その6〜7%は1億人近いことになる。日本の人口は約1億人である。それを考えると中国人富裕層の数は、日本の人口全てとほぼ等しいほどいるということになる。こんなにも多く存在している富裕層の人々はいったい何にお金を使っているのだろうか?その主な使い道は主に「海外旅行」である。日本に来る中国人観光客は年々増加し、韓国や台湾の人々についで観光客数3位である。近年の中国人観光客急増のため、日本の大手百貨店では中国語が堪能な店員をおいたり、「銀聯(ぎんれん)」と呼ばれる日本でいうデビットカードに対応した端末機の導入を行ったりもしている。どこの大手百貨店も中国人観光客に対してかなりの力を入れている。なぜここまでして中国人対策を強化しているのか。その一番大きな理由として、中国人富裕層の観光客は日本の百貨店業界にとって多くの利益をもたらしてくれる人々だからだ。中国国内では売っていない化粧品やブランド品の数々、日本の観光地における高級なタラバガニを始めとするお土産の大量購入など、店舗側からすると店の売り上げに貢献してくれる重要な顧客となっている。

また最近では買い物や観光地を巡るだけのツアーだけではなく、日本の医療水準の高さを生かした旅行ビジネスが展開されている。今最も注目を集めているのが「健診ツアー」と呼ばれるものである。6泊7日で一人あたり約300万となっており、ツアーの中身はガンの検査など様々だが、もし必要であれば治療の手当てまでしてくれるという素晴らしいサービス付きのツアーである。日本には東南アジアに行って比較的安い料金で医療を受けることを目的としたツアーが用意されているが、今回のケースはわざわざ高い料金で医療を受けるという、日本人が望んでいるものとは逆のツアー展開である。このように旅行会社も様々な趣向を凝らして中国人富裕層の観光客の獲得に励んでいる。

なぜ近年、中国で富裕層が増加しているのかというと経済状況の変化によるものが一番の理由であると思われる。2000年後半から世界の先進国による中国への直接投資がはじまり、2001年に中国はWTOに加盟。2002年以降は中国のアメリカに対する輸出が増加。それとともにアメリカにおいて中国との貿易は大きな役割を果たすようになっていきました。そして今ではアメリカだけにとどまらず、日本を含めた世界で大きな役割を果たすようになっている。最近はアメリカ国内における「サブプライム」の影響もあってか経済状況もやや下降気味ではあり、専門家によるとこれからは下降の一途をたどると見られている。しかしそれ以前は世界のどこの国も目を見張るような経済成長をしてきた。これまでの大幅な経済成長は中国に格差と同時に富ももたらした。この経済成長で生まれた富によって近年富裕層増加したのだと私は考える。ここで私が中国の経済成長が影響を与えたものについて考えてみようと思う。そこで私が目をつけたのが「ハリウッド」である。世界的によく知られているように、ハリウッドはとても大きなスケールの映画で、見る者を圧倒するアクションやCGを使ったりすることで有名である。今まではアメリカやヨーロッパ出身の人達が「ハリウッドスター」という素晴らしい称号ほとんどの割合を占めていた。しかし、近年ハリウッド界では中国人俳優の積極的な起用や、中国をロケ地として利用することが増えてきている。なぜなら中国との友好関係を保つことが重要なことであると考えられているからである。貿易の有力な相手国である中国を抜きにしては、アメリカの経済にまで影響してしまうのだろう。ハリウッドは中国を俳優の面やロケ地の面で使用することで中国を世界にアピールするようにしているのだと思う。「ハリウッド映画」という人々の余暇の場所にまで中国の経済状況が及んでいることにとても驚いた。

今年の8月には北京オリンピックが開催され、中国は今よりももっとたくさん世界から注目を集める国になっていくはずである。東京オリンピックをきっかけにして東京が日本国内のなかでも群を抜いて大きく発展していったのと同じように、中国の街も世界のレベルに合わせてよりよい変化を遂げていくのだと思われる。そして富裕層の数も着実に増えていくと思う。すると言うまでもなく日本への観光客は増加していくだろう。そうなった場合、日本に与える影響は今よりもとても大きなものになるはずだ。そしてますます、「中国人観光客」という存在を無視できないような状況になっていくものと思われる。日本は食糧や衣服、資源など、多くの面で中国からの輸入に頼っている国である。ということは中国という国の援助なくして暮らしていける国ではないことは、目に見えて分かる現実であるのは確かである。

中国と日本は歴史的観点から見て、仲が良いとは思えない。しかしここで仲が悪いから中国人観光客への対応もきちんとしなくていいとは言えないのである。より良く、お互いの国の利益も考えつつ、さまざまな問題を解決していくことが大切なのである。ならばまずは「中国人観光客」という中国との友好関係を結ぶうえで大切になってくるであろう柱を失うべきではないと私は考える。そして日本観光という点から日本と中国の関係を良いものにしていくことも不可能ではないと思う。今後、中国人観光客が日本にどのような影響を与えていくのか。注意して見ていきたい。

以上が中国人富裕層を調べていく上でわかったこと、気づいたことのすべてである。