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「産経デジタルが運営するインターネット上のサイト「iza(イザ!)」がスタートして6月で丸2年になる」

「従来、情報はマスメディアから読者・視聴者に向け、一方通行的に流されるだけだった。そんなメディアの独善と慢心を生みやすいあり方を問い直し、書き手と受け手が直接対話する『双方向型』の情報空間を目指した試みであり、記者ブログはそのための一つの実験なのだと思う」

「心からの感謝を覚える激励や賛同のコメントも届けば、その日一日、憂鬱な気持ちにとらわれてしまうような心ない書き込みもある」

「ネットの特性として、匿名性が指摘されている。・・・・・・▽匿名には、自由で闊達な発信を担保するだけでなく、社会的地位や肩書に一切左右されない対等が議論が展開できるという利点がある。そこでは、意見の内容、中身だけが問われる。匿名だからこそ議論のすそ野が広がり、思わぬ可能性が存在するのは間違いない」

「一方で匿名性は、中高生などによる陰湿な『ネットいじめ』に見られるように、自らを安全地帯に隠した者の攻撃性を増幅する傾向もあるようだ。突然、誰であるかも分からない相手から浴びせられるむき出しの悪意や敵意、誤解・曲解に基づく批判や中傷に耐えるのは、正直つらいものだ」

「新聞を購読しない人が多い若者の主なニュース情報源は、すでにネットになっている。時代の変化の大波の中で、新聞は手に取って運べる簡便性や、重要度によって記事の扱い、大きさに強弱をつけた上での一覧性など、紙媒体としての特性を生かしながらネットと共存し、融合するしか生きる道はないと感じている」

「今まで通り新聞紙面に記事を書き、ネットにも配信し、さらにブログを通じて批判も含めたその反応、反響を受け止め、さらに次の記事にフィードバックさせる―。昔なら必要とされなかった新たな作業と負担が、これからの記者を待ち受けているのは確かだ」

080601産経「ネット社会と格闘して思う」)


「滑り台の下。シャッターが下りた商店街。段ボールを布団代わりに眠った。ある夜、都内のハンバーガー店裏のゴミ置き場で客の食べ残しを拾って口にすると、苦みが口いっぱい広がった。思わず吐きだしたのはたばこの吸い殻。物ごいが続くのを避けようと、店側が混ぜたものだった。『おれは何をやってるんだ』。悔し涙が止まらなかった。そして底を見た気がした」

「数十万円の収入がある月もあったが、1万円だけ残して残りは妻の元に送った。せめてもの罪滅ぼしだった。路上生活の2年間で約400万円を送った。しかし妻は1銭も使わずに取っていた。兼元の胸は奮い立った」

99年、兼元は妻を東京に呼び、400万円を元手にオウケイウェイブを設立。特定のテーマについて利用者同士が質問・回答する「QAサイト」を運営、現在の利用者数は約130万人に達するという。不特定多数がアクセスするネットの特長を生かし、個人の疑問や悩みに解決を目指す、兼元流の『人助け』だ」

080601日経「苦いバーガー 挑戦の糧」)


「地方から都会に打って出るお寺もある。日蓮宗総本山のおひざ元、山梨県身延町の実教寺。・・・東京のマンションの一室を借り、『東京分院』をつくった。部屋にあるのは電話機1台。葬儀社から連絡を受けて葬儀に出向き、お経をあげる。昨年は60件依頼があった。今春には横浜市の民家を借りて「横浜分院」も発足。祭壇を設け、小規模な法要も営める。・・・・▽一方、都市部の寺も安心はできない。核家族化や宗教離れで『空白地帯』が広がっている。・・・・境内の自宅をリフォームしてデイサービスを運営する。本堂でコンサートや子ども会も開く。月に1度、市民団体と協力して境内で開く縁日も『地域に開かれたお寺』を知ってもらう試みだ」

080602朝日「寺離れ 地方も都会も」)