国際社会学科  070111k  海老澤 亮

余暇政策論

 

テーマ:現代社会における車の価値

 

現代人にとって生活に欠かせない必需品となった車。日本の主要産業として研究は世界最先端、以前は持つことがステータスであった車。しかし現代人〈特に若者〉は車に対して興味を薄れさせている。そこで現代人の車離れによって生まれる影響(長所と短所)、原因について考察する。

 

・現代の車社会事情

現在、日本には15社にも及ぶ自動車メーカーがあり、〈いすゞ自動車株式会社 川崎重工業株式会社 スズキ株式会社 ダイハツ工業株式会社 トヨタ自動車株式会社 日産自動車株式会社 日産ディーゼル工業株式会社 日野自動車株式会社 富士重工業株式会社 本田技研工業株式会社 マツダ株式会社 三菱自動車工業株式会社 三菱ふそうトラック・バス株式会社 光岡自動車株式会社 日本ゼネラルモーターズ株式会社

トヨタやホンダなどは世界有数の企業でもある。年間自動車生産台数も1,080万台で世界有数である。ところが国内新車販売は前年比6.7%減の5353645台と3年連続で減少し、1982年以来、25年ぶりの低水準に沈んだ。メーカー各社は新興市場〈海外市場〉の伸びを支えに好業績を記録してきたが、国内市場では販売戦略の練り直しを迫られている。新車販売はピークだったバブル期の1990年(777万台)から約240万台減った。これは2007年のマツダや三菱自動車の新車販売台数にほぼ相当し、メーカー1社が消失した計算となる。

日本自動車販売協会連合会〈自販連〉によると、登録車(排気量660cc超)の2007年の販売台数は前年比76%減の3433829台。4年連続で減少し、1972年以来、35年ぶりの低水準。軽自動車(排気量660cc以下)も51%減の1919816台と4年ぶりのマイナスだった。

 

・車に対する価値観

昔:持っている家が少なく、いつかは持ちたいと誰もが憧れたもの。〈特にスポーツカー。〉 持っているだけで女の子にモテ、自分の力だけでどこへでも行くことができる最高のおもちゃ。 

今:持っていれば便利であるが無くても問題はない道具。〈必要な時はレンタカーやタクシーを利用すれば済んでしまう。〉 ステータスとしての価値はあるが維持費などを考えると持つのが難しいもの。

 

・車離れの原因〈車離れに影響を及ぼす様々なもの〉

自動車研究所が今春、新社会人に初任給の使い道(複数回答)を聞くと、もっとも多い答えは「貯金をする」(73%)だった。「自家用車を買う」と答えた人は、わずか6%。車は「社会に出て最初に買うモノ」ではなくなった。

車離れの原因としてはIT技術の進歩により@買物はネット通販(買い物に遠出をする必要がなくなった。)A旅行に行かなくても景色はハイビジョンで楽しめるようになった。都心開発によりリゾート地が地方から都心に移り電車が利用されるようになった。〈都市圏では、車の必要性を感じない若者が増えた。〉車への投資という優先度が下がった。格差社会が広がり、若者が車を購入する余裕がなくなった。などの理由があげられる。

しかし車離れに最も影響をもたらしているのはやはりガソリン代の高騰であろう。ここ最近原油の値段は高騰を続けておりそのことが車離れに繋がっているのは間違いないだろう。さらに近年は携帯電話の進化と普及も影響していると思われる。〈若者の携帯電話への出費優先。〉さらに自動車保有率が70%を超え国内充足率が増えたためとも思われる。

 

・車離れの長所・短所

長所:排気ガスの排出を抑えられるので地球環境にやさしい。公共交通機関を利用するため渋滞緩和につながる。走行車総数が減るので交通事故の件数が減る。タクシー、レンタカー業界、公共交通業界の業績向上。車に関する諸経費がかからないことにより生活費〈趣味などにかかる経費〉をあげて生活力を向上することができる。

短所:自動車関連産業に従事する人々推定500万人〈全職業人口の1割〉の生活が安定しなくなる〈自動車業界のリストラなどの影響により〉。日本の主要産業、主要輸出産業の衰退〈外貨獲得が困難になる〉。

 

まとめ

今回車離れについて調べたことで日本の主要産業が危うい状態であることがわかった。しかし、この状況は消費者だけが悪いのではなく、フリーターや派遣社員を増やし賃金の抑制をしてきた自動車産業界にも大きな原因があると思う。これからの企業は売れる車〈環境問題に対応した新型燃料車や若者の心をつかむ安くてかっこいい車〉を生産すると同時に現在の日本社会の雇用形態を変えていくために努力するべきだと思った。

 

(社団法人 日本自動車工業会 2006年統計参照)

http://www.jama.or.jp/

(社団法人 日本自動車販売協会連合会 2007年統計参照)

http://www.jada.or.jp/