070627yatsuyakum

八ツ役 みなみ「人と過ごす余暇 −会話から得られる癒し−」

 

T.一緒に余暇を過ごしたい人とは

 

T−A 余暇の定義とその重要性 

 今回この余暇政策論という授業で私が学んで来た中で、余暇とは休む、遊ぶ、食べる、寝るなど、個人としての総合的な時間の過ごし方を言うのだと感じた。つまり、余暇という文字のそのものの意味である「余った時間」という意味だけではなく、自分自身の人生を豊かにする時間。食事という意味ではない食べるという行為、義務ではない料理を作る行為、また仕事ではない行動するすべてが余暇なのだと私は認識している。そうした中で、では「何をするか」というのは、余暇にとってそれほど重要なことではないのだろうかと思い始めた。ギターを弾くことが趣味の人がいれば、外で元気に遊ぶのがいい人もいる。あまりに個人的な範囲で、私たちが1つまみに余暇としてあげるにはあまりにも大きすぎるイメージをうける。そこで私は「余暇は何をするかではなく、誰と過ごすかが重要なのではないか」という1つの仮説を生み出してみた。実際、私は某個人経営の居酒屋でバイトをしているが、そのお客様を含め店長たちとバーベキューなどをしたとき、それは「遊び」というよりも「バイト」をしている感覚に近かった。その時、私は余暇を心地よいとは感じていなかった。それが金銭が生じるバイトでもなく、勉強をしているわけでもないのに、だ。このことからも、誰かと過ごすことによって、人が受ける感覚はまったく変わってくるのではないかと考える。そこで、一緒に余暇を過ごしたい人とは、なんなのだろう。その人から得られる力とはなんなのだろうと思い始め、テーマに掲げることに決めた。

 

T−B GWを一緒にすごしたい人(インターネット調べ)

 全項目であげたとおり、私は「人と過ごす」ということが、余暇の重要性であるとしているが、私自身1人で過ごすことはもちろん大切だと感じている1人だ。けれど、1週間1人きりはどうだろう。それが1ヶ月。2ヶ月。部屋にひきこもる人でも、電話や携帯やパソコンなどの媒体を通して、誰かと交流を図っているのではないだろうか。それを踏まえたうえで、誰かと過ごすとしたら、誰と過ごしたいか、という意味合いでのテーマとして考えてほしい。人と過ごす休暇、などの言葉でインターネットで検索を書けた場合このような面白い結果がでてきた。2005年調べなので今年のものではないのだが、約1500人の各年代を調査した結果、9割近くが家族と答えていた。子供と過ごし家族サービスをするという意見の中、妻と過ごす、夫と過ごすなども見受けられた。また、OLへの単独インタビューでは、恋人と言う意見が圧倒的であったらしく、やはり近しい人と過ごしたいという思いが強いように思われる。

 家族と過ごす休暇とはどのようなものだろうか。昔の自分の家族を思い出してみる。当時、私の家はごく普通の4人家族で父、母、姉、私だったが、確かに休日はこの4人で過ごしていたと思う。企画から、実行、案内、運転までしていた父からすればそれは休まるときであったのか疑問ではあるが、私は旅行や、遊びに行くことが楽しかったし、父も毎年様々なところへ連れて行ってくれた。その場所がどこであっても、4人でいることが重要であった気がする。

 また、恋人と過ごす休暇とはどのようなものか考えてみよう。恋人とは、その瞬間は唯一無二のものであるし、誰にも代わりはできないものだ(これは家族にもいえるポイントだ)。恋人と過ごす余暇を考える場合、友人と過ごす場合と比較してみると、その場合会話の内容に多少なりの変化が見られるのではないかと思う。何をするか、どこへ行くか、どんな性格は、それぞれであるが、会話に関しては違いがよく見られると思う。家族にしてもまたしかり。会話というコミュニケーションの媒体を見比べてみようと思う。

 

U.会話がもたらす心への効果

 

U−A 家族との会話

 家族との会話でもたらされるものとはなんだろう。考えてみよう。まず、親はある程度年齢がいかない子供には、その子供が理解しにくいだろうと思える内容は話さないだろう。ある程度年齢が行っていても「仕事が辛い」「失敗ばかりだ」などの負のイメージを与える表情や、会話はほとんどないはずだ。それは、子供が理解できないからではなく、子供に不安を与えないための知らず知らずの配慮である。また、親は子供に話しかけるとき、その子供がわかるように、ゆっくり話したり、大きな声で話したりする。そして、子供はそれに必死に答えを返す。自分が知っている言葉を1つ1つ、つむぎながら。そういった子供たちの言葉には、大人では表現できないような言葉があります。とある子供は水道の蛇口をひねる音を「ヌーン」と表現したと聞きます。子供のその自然な言葉と、大人の子供への配慮が自然にできて、それが苦と感じない。むしろ、配慮していることをお互いが理解し得ないくらい自然にこなしている。隔てがない。遠慮がいらない。そういった中で過ごすことで、仕事場での上から下からのストレスなどから開放されるのではないだろうか。家族サービスとは、家族の一員である自分へのサービスにもなっていると考えられる。

 

U−B 恋人との会話

 恋人との会話からもたらされるものとはなんだろう。考えてみよう。恋人とは、相思相愛の間柄の2人をさすが、相思相愛ということは、お互いがお互いを考えて、気配りしているということだろう。人が嫌がる会話というものの中に「自分の話ばかりする」「興味がない話ばかりする」「つまらない」「相手に合わせなきゃいけない話」などがある。例えば、会話する相手が相思相愛の相手ならば、相手の話がつまらないということはないだろう。相手のことを知りたいと思えば、相手のことばかり話されても億劫ではないだろうし、興味がないことも興味をもてるようになる。また、自分の話に関してもこの逆のことがいえる。親身になって聞いてくれ、自分の好きなことに興味を抱いてくれる。また、興味を持っているものを知ってくれているし、自分のことを知っている。そういうところからも、安心感や、身を預けるような親しい気持ちがわいてきて、安堵するのではないだろうか。恋人としての会話は、相手のことを知ることで、自らも高揚できるのである。

 

U−C 会話の価値

 人は会話なしでは生きていけない生物である。会話から得られる効果とはなんだろうか。会話とは、知識、情報を得るだけの伝達機能ではない。人は人と会話することで、癒しを得て、ストレス発散になると言われています。例えば、悲しい思いをしたとき、その悲しい思いを誰かに打ち明けることで、悲しみからの脱却を図ると言う。また、自己を確定する行為でもあります。自分の意見や、自分の話、自分の言葉を話すことで、自分と言う人間を確かに理解し、相手にも理解してもらう。自分を発揮する行為であるのです。例えば、相手に話を聞いてもらうことで、自分の頭の中の話をまとめられる時がある。それも会話の隠された力なのだろう。人にとって会話するということは、生きる方法の一つである。

 

V まとめ

 

V−A 人と過ごす余暇

 今回、人と過ごす余暇というテーマで余暇と言う壮大な課題を見てきたとき、人が余暇と言う行為をどれだけ大切にしているかがわかってきた気がする。やはり、誰も余暇を余った時間とは理解していないようだ。何かしたい、どこかへいきたい。そういったアクティブで、ポジティブな意見を多く見ることができた。また、余暇を政策する側としてサービス業や、遊園地などの人の余暇を盛り上げるという面で見てみても、余暇はとても奥が深いことがわかる。人は余暇があるからこそ、日々のストレスがたまる様々な業務をこなせるものであるのかもしれない。そんな人生の中で貴重で、大切な時は、やはり大切な人と過ごしたいと思うのは当然の流れなのだろう。もちろん、インターネットで調査したとき、友人とすごしたい、仕事場の仲のよい人と過ごしたい、と言う意見も存在した。それはその人にとって、その人が1番一緒にいたいと思える、心を許せる相手なのだろう。人が緊張したり、口ごもったり、上手く言えなくなるのは、話す相手が大勢だったり、初めて会う相手だったりするせいである。もしも、その相手が家族なら、恋人なら、心を許せる友人ならば、相手からも嫌な言葉が帰ってくることはないので、言葉は滑らかに紡ぎだされるだろう。

 けれど、人は好きな相手とだけ会話をすれば生きていけるというわけではない。私たち学生でも、バイト先や就職活動などで目上の方や、少々言葉のきついような人たちと面と向かって心を見せていかなければいけない時がある。社会に出たらもっとその場面は多くなっていくだろう。嫌だからと言って、逃げてはいけない場面に、何度となく出会うだろう。そうした場合、私たちは相手から、人から逃げないためにも、自分の大好きな時間を人と過ごすことで会話というコミュニケーションの基礎を学んでいくのかもしれない。余暇は自分を癒す時間であり、会話はそのエッセンスのようなものだ。しかし、会話は癒しだけではなく、私たちを成長させるものでもあるのだ。余暇は大好きな人と過ごしたい。でもそれは、新しい人たちと出会うための準備期間や、リフレッシュ期間なのだ。多くの人と出会い、多くの人を理解できてこそ、人として成人した大人と言えるのだろう。会話は、人と人を繋ぐ、大切な架け橋なのだ。

 

W.参考資料

1.幸せのホームページ(http://www.din.or.jp/~honda/

2.アーマーミニョン GWが過ぎ去って(http://www.a-ma-mignon.net/index.html

3.Pittari-リサーチ(http://pittari-mail.net/question/research/pi42/01.html

4.Yahoo!辞書(http://dic.yahoo.co.jp/