070627uchidas

内田紗織「携帯ゲーム機の通信機能の広がり」

 

1、はじめに

 人々の余暇の楽しみ方のひとつに、ゲームというものが挙げられると思う。いまやゲームといってもテレビゲームや、オンラインゲーム、アプリと呼ばれる携帯電話でできるゲームなど様々である。今回、私は携帯型ゲームと呼ばれるものに焦点を当て、携帯型ゲーム通信機能について見ていきたいと思う。

 

2、携帯型ゲームについて

 携帯型ゲームとは家庭で遊ぶことを想定したコンピューターゲームのうち、携帯可能なサイズに小型化されたゲーム機または専用ゲームソフトそのものである。現在では、PSPやニンテンドーDS(以下DS)が爆発的に売れている。またPSPDSは日本だけでなく、世界各国でも発売され人気をよんでいるようだ。

 

 携帯型ゲームの特徴として、小型のため持ち運びやすく、家の中だけではなく外出先でも楽しむことができる、ゲーム機本体とコントローラーが一体化している、ゲーム機本体やゲームソフトの値段が、同時期に発売されたテレビゲームなどに比べ、安価であるということが挙げられる。テレビゲームやオンラインゲームとは違い、携帯型ゲームは一見、とても個人的で閉鎖的なゲームのように見られるが、実際は「通信」により様々な楽しみ方ができる。

 

3、ゲームの通信機能の歴史

ゲームの歴史を通信機能に着眼しておおまかに見ていきたいと思う。

1980年 「ゲーム&ウォッチ」発売 ニンテンドー 

本体にソフトが組み込まれていて、別のソフトが欲しいときにはまた新しく本体ごと買わなければ行けなかった。

 

1989年 「ゲームボーイ」発売 ニンテンドー 

今日の携帯ゲームの原型ともいえる。比較的安価で買えるため、爆発的ヒットとなり、携帯型ゲーム市場を実質上開拓した先駆者的存在。通信ケーブルにより通信可能で、対戦やデータ交換などを行える。

 

1996年 「たまごっち」発売 バンダイ 

今までのゲームは男の子の遊びだったが、たまごっちは10代の女の子、特に女子高校生から絶大な支持を得た。様々な色のバリエーションや、キャラクターの愛らしさ、キーホールダーサイズという持ち運びやすさが人気をよび、ひとつだけでなく数個所持する人もいた。「オスっち・メスっち」からは本体同士を接合することにより、子どもを育てるてることができる。

 

1998年 「ゲームボーイカラー」発売 ニンテンドー

カラー液晶ディスプレイ搭載。従来の通信ケーブルに加え、赤外線通信ができるようになった。

 

2001年 「ゲームボーイアドバンス」発売 ニンテンドー

ハードウェアとしての能力はスーパーファミコンを上回るもので、スーパーファミコン用として発売されたソフトのリメイク版ゲームが数多く発売された。赤外線通信機能はなくなったが、通信ケーブルにより最大4人までの通信プレイが可能になった。

 

2004年 「ニンテンドーDS」発売 ニンテンドー

ディスプレイが2つあり、そのうち下のディスプレイがタッチパネルになっており、その特性を生かしたソフトが多い。爆発的ヒットとなり、2006年には「ニンテンドーDS Lite」が発売された。基本性能はそのままで、小型軽量化された。通信機能も、対戦やデータ交換ができる「ワイヤレス通信」、最新ソフトの体験ができる「DSステーション」、見知らぬ人とデータ交換が出来る「すれちがい通信」、世界中のユーザーと通信できる「Wi-Fiコネクション」など通信の幅が広がった。

 

同年 「プレーステーション・ポータブル」発売 ソニー・コンピュータエンタテインメント

プレーステーション2並の三次的物体表現能力で、ゲームだけでなく、音楽や映像なども楽しむことができる。DS同様、PSPも通信の幅が広がった。PSPの通信機能の特徴は、無線LANなどインターネット回線を駆使した通信が多いことである。しかし、対戦や協力プレイなどは、インターネット回線を介さなくても通信できる「アドホックモード」や1本のソフトで数人遊べる「ゲームシェアリング」などもあり、通信をいってもそのやりかたは多種多様である。

 

4、ゲームと人のつながり

 上でゲームの歴史を見てきたが、携帯型ゲーム機の技術の進歩にともない、通信機能も多様化してきたということがわかる。単に身近にいる友人との対戦やデータ交換のためだった通信が、いまやDSの「Wi-Fiコネクション」などは世界規模の通信に発展している。世界規模、とまではいかずとも通信機能を最大限生かしたソフトが数多く発売されている。

 

 ここでは、PSPの「モンスターハンター ポータブル2nd」(以下モンハン)というソフトを例に挙げようとおもう。このソフトには1人でプレイするモードと、最大4人で通信し協力プレイするモード(アドホックモード)がある。このアドホックモードを利用したモンハンのオフ会が多数存在している。掲示板等で参加者を募り、全国各地で行われているようだ。そのなか、先日「モンスターハンターフェスタ」と称するモンハンの全国大会が開催された。地区予選を勝ち抜いてきたチームが、最強・最速を競うだけでなく、福岡・大阪・名古屋・札幌・東京など各地の他のユーザーとの交流や情報交換の場となったようである。モンハンというゲームを通して人と人が繋がっていき、その輪がだんだん広がっていくのである。

 

 アドホックモードが近距離(30m以内)通信なのに対し、無線LANのアクセスポイントを介して通信するインフラストラクチャーモードでは、ソフトの追加データをダウンロードしたり、あるソフトでは世界中のプレイヤーのネットワークランキングを競うことも出来る。アドホックモードのように実際に対面しなくても、遠く離れたPSPユーザーとの対戦が可能となっている。

 

5、まとめ

 私にとってゲームはかかせないものである。小さい頃からスーパーファミコンがあり、やがてプレーステーションになり、PCゲームになり、現在はPSPがある。一家に一台だったテレビゲームから、それに加えて一人一台の携帯型ゲームを持つ時代になった。私もモンハンを通して、モンハンをやっていなければ絶対に知り合えなかっただろう人とも知り合えた。いまやゲームは人々の余暇に欠かせないものとなりつつある。始めにも述べたが、携帯型ゲームはとても個人的で閉鎖的というイメージだった。しかしインターネットのホームページを通して攻略を学んだり、知り合いを通じて顔見知りになったり、友達ともまた仲を深めたりと、通信機能により一人でも楽しめるし大勢でも楽しめるものになった。携帯ゲーム機は、これからも一種のコミュニケーションツールとして発展していくだろう。

 

参考文献

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A1%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%9A%E3%83%BC%E3%82%B8

Wikipedia ウィキペディア 625日現在)

 

http://www.famitsu.com/

(ファミ通.com  625日現在)