070627kimurae

 

身近なものからーアイスクリームという視点から社会の傾向を見るー

 

  時代とともに人々の商品に対するニーズが変化している。そしてそれに合わせていくように、業者が企業に提供していくものも変化していく。それは、人の余暇への考え方も変化しているということではなかろうか。そこで私はアイスクリームという身近なものからいろいろ社会を見ていきたいと思う。アイスクリームを選んだ理由というのは、ショッピングモールやレジャーランドなどに行くと必ず売っているものであるということだ。余暇としてそのような場所に行くのに、その中でも休憩の時間として、くつろぎの時間としてアイスクリームうぃ食べる。余暇の中でも、その余暇として人々にくつろぎを与えてくれるアイスクリームの存在とは私たちのなかで大きいものとなっている。

 アイスクリームも年々変化しつつある。以下、消費者が求めているものとは一体何か。また、アイスクリームの企業が提供してくれるもの、さらに日本人の消費傾向などを調べてみたい。

 

1.              アサヒビールお客様研究所(東京都港区・所長:円城寺誠)によるアイスクリームのアンケート

 

 設問項目1:普段アイスクリームをどれくらいの頻度で購入しているか  

普段、アイスクリームを購入する頻度は、「月に23日位」が32.3%と最も多く、次いで「月1日以下」(27.8)、「週1日位」(22.3)、「週23日位」(11.5)の順であった。また、「ほぼ毎日」から「週に1日位」を合わせた「週に1日以上」は38.7%であった。男女/年代別にみると、「週に1日以上」は男性19歳以下と女性40歳代以上で多かった。

 

設問項目2:普段購入しているアイスクリームのタイプはどのようなタイプか

「カップアイス」が71.4%と突出して多く、これに「スティックアイス」(37.8)、「モナカ・ビスケットサンドタイプ」(34.1)、「マルチパック(お徳用)(32.2)、「ソフトクリーム」(30.2)3割台で並んだ。男女別にみると、「マルチパック(お徳用)(男性:23.9%、女性:36.3)、「高級プレミアムアイス」(男性:22.7%、女性:30.0)は男性に比べ女性で多かった。

 

男女/年代別にみると、「スティックアイス」は男女とも年代が低い層ほど多かった。また、「モナカ・ビスケットサンドタイプ」は男性19歳以下、「マルチパック(お徳用)」は女性3040歳代、「高級プレミアムアイス」は女性50歳代で多かった。

 

 

設問項目:3アイスクリームを購入する際の選択基準は

 

「味」91.4%、「値段」53.6%、「新商品」36.5

 

アイスクリームを購入する際の選択基準は、「味」が91.4%と最も多く、次いで「値段」(53.6)、「新商品」(36.5)、「見た目(パッケージ)(28.2)、「量」(26.0)、「メーカー」(24.2)、「カロリー」(7.7)、「栄養成分」(3.0)の順であった。男女別にみると、「味」(男性:87.0%、女性:93.6)、「新商品」(男性:27.9%、女性:40.7)、「値段」(男性:46.9%、女性:57.0)は男性に比べ女性で多かった。

 

男女/年代別にみると、「カロリー」は女性19歳以下、「新商品」は女性20歳代以下で多かった。また、男女とも「量」、「見た目(パッケージ)」は年代が低い層ほど、「メーカー」は年代が高い層ほど多かった。

 

 

設問項目4:アイスクリームをどのように購入するか

よく買う数種類の中から選ぶことが多い」57.7%、

「新商品は試してみるほう」45.9

 

アイスクリームの購入については、「よく買う数種類の中から選ぶことが多い」が57.7%、「新商品は試してみるほう」(45.9)、「季節により購入する商品を変更」(28.2)、「広告を見て興味をもったアイスをよく購入する」(15.8)、「いつも違う商品を購入する」(8.0)といった回答があがった。また、「いつも同じタイプを購入」(15.5)、「いつも同じメーカーを購入」(12.3)、「いつも同じフレーバーを購入」(6.9)と、「同じもの」を購入するという回答も1割前後あげられた。

 

男女別にみると、「よく買う数種類の中から選ぶことが多い」(男性:51.8%、女性:60.7)、「新商品は試してみるほう」(男性:40.5%、女性:48.5)、「季節により購入する商品を変更」(男性:22.4%、女性:31.1)は男性に比べ女性で多く、「いつも同じタイプを購入」(男性:19.2%、女性:13.7)は女性に比べ男性で多かった。

 

男女/年代別にみると、「新商品は試してみるほう」は男性19歳以下と女性20歳代以下、「季節により購入する商品を変更」は女性40歳代以上、「いつも違う商品を購入する」は男女ともに19歳以下で多かった。また、「広告を見て興味をもったアイスをよく購入する」は男女ともに年代が低い層ほど多かった。

 

 

<アンケートから分かること>

 設問項目1の男女/年代別から「週に1日以上アイスクリームを購入する」に40代女性が多い。これから、主婦などがスーパーなどで買い物のついでに家族なりに子供にアイスクリームを買って帰るという傾向があると見える。これは、アイスクリームのタイプで3040代の女性が「マルチパック」を多く購入するという結果からもうかがえる。

次に設問項目3のアイスクリームを購入する際の選択基準で、値段よりも味を優先している人が多いことは、流行に敏感である女性はアイスクリームも最新のものに興味が出るという傾向があるらしい。男女とも「量」「パッケージ」で選択するのは年代が低い層、「メーカー」は年代が高い層と対照の関係にある。このことから、お金の自由が利く年齢になると「量」よりも「質(メーカー)」にこだわる傾向があることがわかる。これはアイスクリームのタイプの「高級プレミアムアイス」で50代女性に多いことからも見ることができる。

最後に設問4のどのように購入するかについてで、新商品に敏感なのは20代以下の年代で、いつも違うアイスを購入したり、広告から興味が出たアイスクリームを買ったりしている。一方年代が高い層では、季節によって変えたり、または同じような商品を購入など、「おいしい」とおもったアイスクリームをまた買うというケースが多いように見受けられる。

 これらから企業は、消費意欲の高い20代以上の年代層に的を絞って商品を販売するならば、まず雇用者を増やすことから始めるのが良いと思う。それならば、常に新しいものを提供するのではなく、初めてくる人が味を想像できる商品が必要である。それは、初めて訪れた店でいきなり挑戦したアイスクリームを買う人はいないと思うからだ。また、アイス購入者は量よりも質にこだわる傾向があるようだ。消費者は今「たくさん食べられるか」ではなく、「どれだけおいしいものを食べるか」ということにある。次の項目では今話題になっているコールド・ストーン・クリーマリーアイスについて考えていきたい。

 

 

2.              コールド・ストーン・クリーマリー

 コールドストーンとは文字通り「冷やした石」。クリーマリーは「ミルク工房」という意味で、フレッシュなおいしさを生み出す場所である。ベースになるアイスクリームと、ナッツやフルーツなどのミックスインを混ぜ合わせてつくる「新しいおいしさ」が楽しめるデザート・ショップ。今までのアイスクリームショップとは全くタイプが異なっている。 

ショップの一番の魅力は、自分ならではのおいしさを作り出せること。お好きなアイスクリームとミックスインを選んで、自分だけの組み合わせにチャレンジすることができる

 アイスクリームは毎日お店で手作り。ワッフルコーンも店内で焼いている。そして豊富なミックスイン。選んだ素材は-9℃に冷やしたコールドストーン(石板)の上で、クルーがミックス!!選んで、見て、おいしさを楽しむアイスクリームである。

 

<コールド・ストーン・クリーマリーを選んだ理由>

 佐野プレミアム・アウトレットでも近年オープンした。開店当時の人気はすごく、アイスクリーム一つ買うにしても1時間半待ちであった。コールド・ストーンアイスは、一つ500円以上するもので、アイスクリームにしては高めの印象を持つ。それなのに、爆発的人気があるのはいったいどうしてか疑問に思ったからである。

 

<人気の理由>

 コールド・ストーン・クリーマリーの人気の理由を考えてみた。まずは、来客に女性が多かった。流行や最新のものに敏感な女性たちが、新しい商品に飛びついたのではないかと考えられる。

 次に、オーダーメイドであるということだ。例えば、バニラ+ブルーベリー+ストロベリーと自分好みの味を作ることができる。ミックスされる種類は予め決まっているが、全体的な種類は豊富だ。新商品とはいえ、バニラやチョコレートアイスを軸にトッピングとして果物やナッツ類をミックスするので味の創造をすることができる。

 生産者の顔を見ることができるということだ。目の前でミックスするので、どのようにまぜているのかなど見ることができ安心である。

 最後に何といっても味である。さっぱりした後味であるため、甘い食べ物が苦手な人でもたべられるような味である。また、ミックスの具合によっても少し味が異なるので、飽きがこない。

 

<近年の傾向>

アイスクリームの販売額は95年の3,879億円から03年は3,322億円まで下がり続けた。ケーキやデザート類など、消費者のし好が多様化したことなどが原因だが、業界関係者は「在庫を増やせないため値引きし、売上高を落とすという悪循環に陥っていた」という。

 しかし、昨年は猛暑に加えて、ハーゲンダッツジャパンが、若い女性をターゲットにしたぜいたくな「パルフェ」をコンビニ限定で売り出すなど高級なアイスクリームが多く発売され3541億円まで持ち直した。

 カップの高級アイスをコンビニなどで販売するハーゲンダッツジャパンは「ぜいたくな商品も消費者に受け入れられ、市場はもち直してきた」と述べていた。

 

 

3.              日本人の消費傾向

マーケティングにおいては「ターゲット」という言葉は一つのキーワードになっている。 市場を構成する消費者をある共通点に基づき細分化し、自社商品やサービスがどの層を最も狙うべきか、そのターゲットを想定してマーケティング戦略を立案することは一つのセオリーだ。

 例えば同じカテゴリーの製品でも、価格を重視する層とそうでない人たちではそれぞれに合った戦略を立てなければならない。

 いま、このターゲットの考え方に新しい層が出現している。価格の高低でもなければ、いかに自分の嗜好に合致しているかという基準でもない、それらとはまったく異なるものさしで消費をしている層があるというのだ。「利便性消費」と名付けられた消費スタイルである。消費行動を起こす際に、「自分にとっていかに便利であるか」を基準にしている人たちを指すものだ。

 これは、20059月に発行された『第三の消費スタイル日本人独自の利便性消費?を解くマーケティング戦略』(野村総合研究所広報部刊)で初めて提唱された考え方である。まず、従来の消費スタイルの考え方としては、一つの大きな軸がある。「安ければよい」という考えと、「よいモノにはお金を出す」という考えを両極とする軸である。つまりは、高級志向と低価格志向の二つだ。

 「格差社会」なる言葉が頻繁に飛び交い、自身のことを中流と思う人が減少している昨今の日本においては、この軸によって人々はくっきり分かれる傾向にあるとは、よく説かれてきた。所得の格差拡大とともに進む、消費スタイルの二極化だ。

 だが、日本人の消費は、この軸だけではとうてい捉えられない複雑さを持っていることが、実態としてある。大きなボリュームを占める層として、モノにも価格にもほとんどこだわらないというスタイルがあるようなのである。

 「手軽だから、これにする」、「なんとなく選んだ」。そんな理由ともつかない理由によって、購買を繰り返している人たちがたくさんいるのだ。こうした「第三の消費スタイル」をする人たちの行動形態こそが、「利便性消費」と名付けられたものだ。

 利便性消費の姿をくっきりと浮かび上がらせるために、日本人消費者を4つの消費スタイルに分けて分析している。「プレミアム消費」「徹底探索消費」「利便性消費」「安さ納得消費」である。

 では、この四つの消費スタイルに属する日本人が、それぞれどれほどいるのか。野村総合研究所の「NRI生活者1万人アンケート調査」の、2000年と2003年の結果から割り出すと、次のようになる。

「プレミアム消費」=200013 200318

「徹底探索消費」=200010 200313

「利便性消費」=200037 200335

「安さ納得消費」=200040 200334

 なんと、新しい消費者層としてこの本が初めて指摘した利便性消費が、実は最大多数派を形成している。そしてこの利便性消費スタイルの割合の多さは、日本社会にかなり特有のもののようでもある。中国でも同様の調査を実施したところ、「利便性消費」が占める割合は、16%にとまったというデータがあるのだ。

 「利便性消費」スタイルは、どの年齢層に多いだろうか。この問いには、はっきりとした傾向が現れる。ずばり中高年に多いのだ。50代男性で41%、女性で37%が利便性消費のスタイルをとる。60代では、男女とも36%ということになっている。いわゆる団塊の世代に、利便性消費は顕著に見られるようである。

 

4.              まとめ

 経済的に豊になってきた日本人は、食べ物(今回はアイスクリーム)に関して、量よりも質を重視する傾向にある。例え、金額が少し高くても自分の満足のいく物を買う傾向にあるようだ。消費傾向においては、直感で物を買うということが日本人には多いよいだ。それゆえ、企業側は消費者の注意を引き付けるようなものを提供していく必要がある。また安いという理由で購入する日本人は年々減少しある。
 アイスクリームに関して改めて思ったことは、年齢を問わず身近に感じることができるということだ。アンケート結果において、年齢により好みは異なるものの、ある年齢が一番アイスを買っているということはない。アイスクリームをたべたい時はどんな時か、また誰と食べたいかなど時間がなく調べることができなかったので今後の課題としたい。

 

 

 

 

参照

http://news6.ad-j.info/archives/2007/02/post_237.html

http://kosaka.main.jp/archives/200510/kosaka28-1317.php 小坂 英雄

www.coldstonecreamery.co.jp

http://macs.mainichi.co.jp/space/no347/03.html

http://www.narinari.com/Nd/2006096449.html?xml