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古川智美「余暇における映画鑑賞―あなたは映画館派?レンタル派?―」

 

自宅で日曜洋画劇場の「スパイダーマン」を見ていて、これは映画館で見たほうが面白いなと思った。他の映画に関してはどうだろうか。映画館で見る理由、反対に家でまったりとDVDやビデオをレンタルしてみる理由は何か気になった。そこで映画館で見る映画と家で見る映画の比較を今回のレポートで扱うことにした。

 

1. 映画館とレンタル…それぞれの現状

まず映画館での映画鑑賞の現状について述べようと思う。インターネットコミュニティー「MyVoice」で行われたウェブ形式のアンケート調査(200441日〜4月5日実施)の結果を参考にした。最近一年間の映画館での鑑賞は71%で、回数では「3回以下」が50%弱という割合を占めた。以前と比べ、映画館で見ることが減少した人は34%、増加した人は17%。よく見る映画のジャンルは「アクション」「SF・ファンタジー」が2トップを占め、情報源としては「テレビCM」が60%超えと優勢であった。映画館で見る映画の選択ポイントとして、最も多いのは「作品の内容」で次点は「俳優」であった。

一方でレンタルビデオ・DVDでの映画鑑賞の現状を上記に挙げた同じサイトを参考にして調べてみる。レンタルショップからビデオやDVDを借りる頻度は「月に1回未満」36%がトップの数値を示した。以前と比べ、レンタル頻度が「変わらない」が約半数を占め、続いて「少し減った」18%、「大幅に減った」17%が挙がっている。よくレンタルするビデオ・DVDのジャンルは「洋画」が68%と圧倒的に高く、次いで「邦画」32%、「邦画アニメ」25%となっている。

このアンケートの結果を見ると、質問項目が若干異なるものの映画自体を見る機会が減少していることが共通の特徴といえる。先日調べたTSUTAYADVDレンタルランキングでも上位3位を「洋画」が占めていたのだが、このアンケートの通りレンタルでは「洋画」が人気であることがわかった。

 

2. 映画館で観る利点と欠点

 まず利点は、なんといっても巨大スクリーンと劇場に広がる音響によってリアルに、かつ迫力満点で映画を楽しむことが出来ることだろう。だからアンケート結果にもあったように、映画館で見るジャンルのなかで「アクション」「SF・ファンタジー」が人気だということがわかる。「スパイダーマン」もアクションシーンがあの映画の見所の一つであると思うから、テレビで見ると物足りない感があった。そして話題の新作をいち早く見ることが出来る。伴って、公開するまでの楽しみや期待感を持つことも出来る。お気に入りの映画のパンフレット・グッズも映画館で購入することが出来る。

 一方欠点は、一本の映画を見るのに少なくとも1000円の代金を支払うこと。それなりに満足できる映画だったらいいが、なんか腑におちないものだったりするとお金を払った分損した気分になるし、レンタル料と比較すると明らかに映画館で見るほうが高くつく。あと、利点で環境の良さを挙げたが、逆にその環境の中に欠点も隠されている。隣の席同士が近いため、居心地がいいとは言えない。長時間同じ姿勢でいなければいけない。トイレに行きづらい。前の席の人と画面がかぶってまともに見ることができない。飲食している人の音、泣き声、笑い声が耳障りに感じる。上映時間に都合が合わない。などが挙げられると思う。この欠点も含めて映画館で見ることなのだ、と割り切れればいいが、そうでない人にとってはネックになってしょうがないものだとも思える。

 この欠点をカバーしようと映画館側もいろんなサービスを行っている。特定の曜日や時間帯を指定し、サービスデーやレイトショーなどと称して料金割引を行ったり、TOHOシネマズに関しては、≪シネマイレージ≫というカードを作ってもらう会員制度を行って、会員には様々な特典を用意するというサービスを行っている。その特典には6本映画を観たら、1本無料で映画を観ることが出来るというものなどがある。座席においてもリクライニング付きの椅子や、ベンチ型の椅子などスペシャルシートを常備するなど、いろいろと工夫を施している映画館が最近増えている。赤ちゃん連れの客のためにと託児所を設けている映画館もある。公開初日に行われる舞台挨拶は映画館ならではの最高のサービスではないかと思う。

 

3. レンタルビデオ・DVDで観る利点と欠点

 レンタルの利点は家で観るという居心地の良さが一番大きいと思われる。そして、トイレに行きたくなったときは一時停止すればいいし、見たい場面は巻き戻して繰り返し観ることが出来る。アンケートのコメントに、暇なときや長期休みに見るという意見があったことから暇つぶしの手段にもなるのかと感じた。そして、レンタル料金は映画館で観るよりは断然格安である。映画館で見逃してしまったものをレンタルして観ることができるというのも利点の一つではないかと思う。最近では映画館で公開していた時期から半年もせずにDVDが世に出ることが当たり前となっている。観たいときにいつでも観ることが出来る。

 欠点はホームシアターなどを設置していない限り、映画というスケールの大きさに欠ける点である。そして、映画館にも言えることなのだが、映画を観るためにレンタルショップに行くなどして、まずは外出しなければならない。そこをWOWWOWやスカイパーフェクトTVなどの有料チャンネルはその欠点をカバーしている。

 しかし最近になってオンラインDVDレンタルサービスなるものが出現し、わざわざレンタルショップに足を運ばなくてもDVDをレンタルできるようになった。オンラインDVDレンタルサービスとはパソコンで注文したDVDを郵便受けで受け取れるというサービスであり、月額約2000円で何枚でも借り放題というものだ。他にも、返却日の指定がないから延滞料金を取られることはなく、返却方法は郵便ポストに投函するだけであり、自分が借りたい作品が他の人に借りられていて、また出直す、というレンタルショップにありがちなことはない、という特徴がある。TSUTAYADISCAS、ぽすれん、DMM3社がオンラインレンタルの代表格であるようだ。とても便利なサービスではあるが、見えない相手との取引であるから、個人的にはなかなか利用するまでの勇気を出せない。

 

4. まとめ

 映画館とレンタル、それぞれの特徴を調べてみて双方の違いの観点を、大きく4つに分類してみた。@映画を観るときの環境 A映画を観るために支払う代金 Bその映画を観るために要する時間 C自分のテンション・期待感の4点である。自分が映画館で観るときの要因にはCのテンションや期待感が大きく関わっている。レンタルをして観るときの要因は、映画館で見逃してしまったからというのが大きい。あと、ジャンル別に映画館で観た方がよいと思われるもの、レンタルして観た方がよいとおもわれるものと区別できるのではないかと思った。アンケートの結果からもわかったように、アクションものは映画館で観た方が断然面白いと思うし、恋愛ものなど人情的なものは家でレンタルして、周りを気にすることなく大笑いしたり、大泣きしながら鑑賞すればよいと思った。上記の考察では述べなかったが、一緒に映画鑑賞する人の存在も重要なポイントではないかと思った。

逆に両者のどちらにも言える共通の特徴として、宣伝・広報の効力が挙げられる。映画の公開前から街頭で大きな広告を貼り出したり、テレビの特集番組を組んだり、テレビCMを流したりして大衆を惹きつける。レンタルショップでも、レンタル開始何週間前にいつからレンタル開始というポスターなどを店内に張り、客を惹きつける。さらに近年、本編公開の前にナビゲーションDVDなるものが出回り、レンタルショップにも陳列されているのを見たことがある。これも映画を観てもらうための宣伝の一環になるのではないだろうか。

 映画は私たちにいろんな感情を与え、時には映画から教え諭されることもあり、とても魅力的なエンターテイメントの一つである。だからこそ、私たちは映画にさらなる面白さや感動などの刺激を求め、次はどんな映画が公開されるのだろうという、期待感を抱く。このような思いを私たちが持ち続ける限り、私たちは映画鑑賞を生活の中の、また余暇の中の楽しみとしていくだろう。どちらのスタイルで映画鑑賞をするにしろ、余暇のなかで映画鑑賞に費やす時間は無駄なものではなく、むしろ貴重な時間と考えることができるのではないだろうか。これからはもっと自分のためになる映画を観て、心の豊かさを養っていきたいと思った。

 

 

<参考URL

http://www.myvoice.co.jp/biz/surveys/6904/index.html(マイボイスコム定期アンケート(「映画館」での映画鑑賞))

http://www.myvoice.co.jp/biz/surveys/7208/index.html(マイボイスコム定期アンケート(レンタルビデオ・DVDの利用)

http://www.walkerplus.com/movie/service/index3.htmlMovieWalker−映画館(得)サービス利用術)

http://www.tohotheater.jp/cinemileage/mileage3.htmltohotheater.jp−東宝グループの映画館情報)

http://onlinerental.kusurisk.com/(オンラインレンタルとは)