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マーケティングからみたアジアサッカ

国際社会学科2年 松田絢子

 

 2002W杯以降、日本におけるサッカーの人気度、注目度はとても高くなっている。アジア全体の人気、実力はどうだろうか?また、サッカーがどのように企業の広告宣伝活動に利用されているのだろうか?マーケティングという観点からアジアサッカーを考察していく。

 

★スポーツマーケティングとは?

 企業がスポーツというコンテンツを広告宣伝活動の媒体として使用するために、スポーツコンテンツの権利を売買する権利ビジネス。

・テレビ、ラジオ、インターネットの放映権、放送権

・スポーツイベントの興行権

・サッカー、野球をはじめとするスポーツ団体へのスポンサーシップ権

・アスリートを媒体として企業のメッセージを伝えていくアスリートのマーケティング権

・イベント、団体、アスリートから発生するグッズの販売権

 

★アジアサッカー連盟(AFC

 1945年設立。アジア44カ国の各国サッカー協会を取りまとめる団体。アジア地区のサッカーレベル向上、インフラの整備をするために域内の男女の国際大会、クラブ大会の運営管理を行っている。

 日本、韓国が世界レベルに近いところに位置し、次にイラン、サウジアラビア、その次に中国、タイ、中東諸国が存在する。それ以外の国々でのレベルアップを支援していくことによりアジア全体のレベルを底上げし、アジア内での競争力を高め、最終的には世界レベルに追いつくことを目標としている。

 

アジアレベルアップの需要に対して、南米、ヨーロッパなどの強豪国から監督がでたり、ベテランの選手が移籍してくる。かつて、ジーコなどはピークを過ぎていたにもかかわらず日本では超一流選手として活躍し、日本人選手の手本となりJリーグをひっぱり、日本サッカーのレベルアップに貢献した。中東のサッカークラブは資金面でとても裕福なチームが多い。巨額のオイルマネーを持った王族がクラブをバックアップしていて有名選手の契約金は高額。今後の移籍市場へ注目が集まっている。

 

 

★アジアのサッカー人気

 AFCはアジア各地でナンバーワンを決める大会を2年ごとに行っている。(東南アジア:ASEAN選手権またはタイガーカップ、南アジア:SAFF選手権、西アジア:WAFF選手権、湾岸諸国:Gulf CupSAFF選手権(2003)は一試合平均約4万人、タイガーカップ(2002)は約27千人、WAFF選手権(2002)は約25千人もの観客動員実績がある。ちなみに2002年のJ1リーグの平均観客数が16千あまり。

 

★企業のスポンサーシップ

 企業はAFCのスポンサーになることにより、AFCの主催する大会でスポンサーの呼称権を与えられる。

・企業がスポンサーになる理由

1.企業名、企業ロゴ、製品の認知度を上げる

2.企業、製品のイメージを上げる

3.PRキャンペーンのツールとして使用する

4.ターゲットを絞ったリサーチが可能

企業の広告看板をピッチ上に置くことができる。また、試合終了後に行われる選手、監督の記者会見や試合直後のインタビューのときに使用されるボードにその企業のロゴをいれることができる。さらに、スタジアム内で自社製品の販売、展示、サンプリングを行う権利、キャンペーン用のプレミアグッズを作る権利なども与えられる。

 

★アジアサッカーのスポンサーシップ

35億人という人々が住むアジアは、企業にとって巨大で可能性のあるマーケットである。そのマーケットに参入し、マーケットシェアをあげるために。アジアで人気の高いスポーツであるサッカーへの協賛は非常に有効である。各社はイメージ、ブランドを上げ、さらには売上を伸ばすためのツールとしてサッカーを活用している。

 

★まとめ・感想

 ここ2年ほどの間で、パルマ、レッジーナ、レアル・マドリッドなど多くのヨーロッパの強豪サッカークラブが来日し親善試合を行った。これはヨーロッパのサッカーチームが日本というマーケット、アジアというマーケットをビジネスの面から魅力があると考えたからだろう。2002年にW杯を主催し、間近で世界レベルのサッカーに触れ、またそれを体感したいという日本人の需要に応えている。そして日本の企業も、広告宣伝活動にサッカー人気を利用したいと考えている。このような、日本だけにとどまらないアジア広域でのサッカー人気が、世界のサッカーチーム、企業をひきつけている。

 今回のW杯では、アジアからは決勝リーグ進出国が出なかった。世界との力の差を痛感せざるを得ない。サッカー人気がどうなっていくかは分からないが、AFCは危機感をもち、ますますアジアサッカーの向上のために力をいれるだろう。まだ歴史の浅いアジアのサッカーを発展させるために、サッカー文化が根付いた南米・ヨーロッパから経験豊かな人材が招かれればいいと思う。

 

参考文献

「サッカー文化の構図」編著:鈴木守、戸苅晴彦

ホームページ「アジアサッカー連盟公式サイト」http://www.the-afc.com/japanese/