050622takagis
「録画媒体の変化の歴史と余暇」
030167B高木真悟
1. はじめに
余暇ということを考える場合に外に出て過ごすよりも家の中で過ごす事のほうが多いのではないか、と思いこの題材を選択した。ビデオからDVDへ、そしてDVDから次世代DVDへ録画媒体の変化から見る余暇の過ごし方を考察したい。
2. ビデオの登場
ビデオが家庭に登場したのは1970年代後半のことである。ビデオができるまでは、見たい番組があるときは家に帰りテレビの前にいなければならなかった。しかし、ビデオが登場したことによって家に帰らなくても録画しておけばいつでも見られるようになった。余暇の過ごし方に革命が起こったのである。
また、ビデオが登場した当時VHSとベータという二種類の機種が存在した。VHSはビクター、松下電気、日立製作所、三菱電機、シャープなどで、ベータはソニーを筆頭に三洋電機、東芝、パイオニアなどが製造していた。性能面では圧倒的にベータが上回っていた。しかし販売戦略やファミリー作りに無頓着だったソニーは次第に孤立していき最後にはソニー、ベータVS他メーカーのVHSのような構造になってしまった。さらにはレンタルビデオ店もVHSしか置かなくなりベータの敗北は確実なものになった。
3. DVDの登場
DVDが家庭に登場したのは1996年のことである。CD-ROMと同サイズながら、数GBから数十GBの容量を持つ光ディスクで約2時間の映画が再生できる。動画であれば、133分の記録が可能である。DVDは当初、Digital Video Discの略であったが、今ではDigital
Versatile Discの略である。Versatileとは多様という意味で、デジタル・ビデオ用のDVD-Video、音楽用のDVD-Audio、再生専用のDVD-ROM、追記型のDVD-R((Recordable)書き換え可能なDVD-RAMなどがある。(http://www.blwisdom.com/word/key/0058.html)
2000年にソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)がPS2を発売したことにより爆発的に普及した。アメリカ,ニューズ・ウィーク紙は印刷機の発明と同じく,根本的に社会を変える可能性があると報じた。 PS2 は発売後の2日間で100万台を販売。これにより,DVD の普及率は2日間で倍増したことになる。約1年後には,全世界出荷台数が1000万台を超えた。そして2005年6月には9000万台を突破した。(http://www2.nsknet.or.jp/~azuma/s/sony01.htm)
またDVDの登場で映画がより身近なものになった。VHSの時代には1本1〜2万円していたソフトが、DVDでは安いものだと2000円くらいで買えるようになった。家の中で気軽に映画が見られるようになったのだ。1本レンタルするのに500円払うなら買ってしまおうという消費者が増えたように思う。レンタルビデオ屋も対抗して今ではレンタル100円という店も珍しくなくなってきた。今では、映画が公開されてから半年も経てば家で気軽に映画を楽しめるようになった。
しかし、2001年以降,複数の書き換え可能 DVD フォーマットの面では争いが続いている。 DVD-R/RW/RAM のDVD フォーラム陣営(松下電気、東芝、日立製作所、ソニー、シャープ、パイオニアなど)と,DVD+R/+RW を推進する DVD+RW アライアンス陣営(ソニー、フィリップス、ヤマハなど)に分かれ,統一,もしくは互換性の確保について,未だに確立されず,ユーザーの利益からはほど遠いのが現状である。この点は、VHSとベータの時と変わっていない。
4. 次世代DVDへ
次世代DVDと従来のDVDの違いを簡単に述べると、それは情報の読み取りに使う光の色である。従来は赤色だったが次世代DVDは青紫色である。光の波長は、赤から紫へ向かうほど短波長になる性質がある。レーザー波長を比べてみると、赤色レーザーは650nm(単位はナノメートル。ナノは10億分の1)、青紫色レーザーは405nmと、青色のほうがより細かいビームスポットになっていることがわかる。次世代型DVDに青紫色のレーザーを採用し、ビームスポットを微小化できたことで、記録密度を従来のDVDの2倍以上に高めている。(http://www.blwisdom.com/itword/dvd/2.html)
ではなぜ、次世代DVDが必要なのかというと、それは2011年から地上波のアナログ放送が完全に廃止されてデジタル放送に移行するためやハリウッドからの要請のためである。ハイビジョンなデジタル放送を録画するには従来のDVDでは役不足なのだ。次世代DVDを使えば無劣化でその映像を録画することができる。
また薄型の大画面テレビや良質のスピーカーも普及してきているので家にいながら映画館にいるような雰囲気を味わえるようになる。映像の見方が劇的に変わるのは間違いない。
現在、次世代DVDの規格には、High-Definition DVD(HD-DVD)(東芝、NEC、三洋電機)容量30GBとブルーレイディスク(ソニー、松下電器、日立製作所)容量50GBがあり対立が続いている。それぞれ一長一短がありどちらが優れているとはいえないのが現状である。ソフトの供給側もそれぞれの派閥に分かれているがマスターテープを造るのに一万ドル程度しか掛からないので今どちら側についているかは問題ではない。優勢になったほうにメーカーはつくだろう。2005年5月に一端は両陣営が歩み寄りを見せたがその交渉は暗礁に乗り上げている。
最近SCEがPS3にブルーレイを搭載すると発表した。PS2が全世界で9000万台を売り上げたことを考えるとブルーレイが勝つような気がしてならない。
5. 感想、まとめ
企業間での規格の争いは企業が利益を追求し続ける限り、終わらないように感じた。相変わらず争いは続いている。映像記録媒体のことをいろいろ調べていくと今はずいぶんと便利になったと感じた。映画館に行かなくても見たい映画は見られるし、テレビを見たいときに家にいなくても録画をしておけばいつでも見られる。30年前の人は考えもしなかっただろう。便利になったのはいいが規格は統一してもらいたい。規格を統一しなければ負けたほうを買っていた人は大損だ。また、損をしたくない人は製品を買うのを控えるだろう。規格を統一しなければ企業、消費者両方が不利益を被る。余暇を充実させるためにもそのようなことは、ぜひ止めて頂きたい。ひとまず、次世代DVDの規格をめぐる争いの行く末を見守りたい。
参照サイト
http://www.dvd-access.com/info/whatsdvd.htm
http://www.pioneer.co.jp/crdl/tech/dvd/1.html
http://www.scei.co.jp/corporate/release/index.html
http://www.watch.impress.co.jp/sonyfan/fun/hakkutu050415/
http://www.blwisdom.com/index.html
http://www2.nsknet.or.jp/~azuma/menu.htm
http://www.e.u-tokyo.ac.jp/~umezawa/mgtscice/group.html