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「那須塩原市の2大公園で行われる余暇活動」

相馬敦 (国際学部国際社会学科2年)

 

 

私の地元近くには那珂川河畔公園と那須野が原公園という2つの大きな公園があり、催されるイベントに行ったり休日に遊びに行くだけではなく、学校の行事などで行くなどの余暇活動とそうでない部分で利用してきた。少し田舎じみた地元では遊ぶ場所は貴重であり、催される祭りなどは一大イベントである。その会場となる公園は地域の余暇にとってとても重要な場所だといえるはずである。そこで地元にあるこの2つの公園がどのような余暇活動に使われているのか調べ、改めて自分達にとってどのような場所なのか考えてみる。

 

1、             那須塩原市の2大公園の概要

昔からよく利用してきたとは言え、私の物心つく前にはその2つの公園は存在していたし、改めて考えて見る事など無かったので実はいつ作られたのかさえ知らなかった。ならばまずは形からという事でその2つの公園が作られた経緯やどのような施設があるのかを調べる必要があるだろう。

 

(1)公園のルーツ

栃木県は県民1人当たり11平米の公園を作ることを目的に、県内を4つに分割し、それぞれの地域に大規模な公園施設を建設する計画を打ち立てた、その計画に沿って作られた公園施設というのが、元黒磯市の「那珂川河畔公園」と元西那須野町の「那須野が原公園」である。

 

(2)公園施設の内容

「那珂川河畔公園」〜現在の形になったのは1994年・平成6年

名前のとおり那珂川の河畔に建設された公園で、那珂川河畔公園プール・那珂川河畔運動公園・鳥の目公園(鳥の目オートキャンプ場)の3つの公園施設で構成されている公園である。公園の傍らには鮎をとる為の“やな”や、釣堀などがあり河畔という地理を活かした公園である。

 

「那須野が原公園」〜1988年 ・昭和63年完成

那須野が原プール・オートキャンプ場・フィールドアスレチック・わんぱく広場・展望塔・テニスコートなどの施設を有している。草原や森などの広大な自然を活かした公園で、面積は約60ha・総事業費は約89億円(*1)で国会移転候補地の1つにも挙げられる場所であった。(*2)

 

*1 地元では、黒磯市は那珂川河畔公園を作るために、西那須野町は那須野が原公園と那須野が原ハーモニーホールを作るのに莫大な資金を投じたと言われている。今回の合併で黒磯市と西那須野と塩原町とで合併する事により補助金を得る事が出来たが、合併に隣の大田原市が加わらなかったのはそういった負債を被りたくないという理由だろうという噂があった。

 

*2 現在では国会が移転してくる話は事実上つぶれてしまっているので『〜挙げられる場所だった。』と過去形にした。私は国会移転など御免だが、国会が移転してくれば多大な補助金が出たはずであり、自治体は資金の獲得をするチャンスを逃したわけである。

 

2、         2つの公園の利用され方の種類

 

同じ計画から作られたといっても私にはこの2つの公園の性格はかなり異なっていると感じられる。ならばそれぞれの公園がどのような利用のされ方をしているのか列挙する事により、2つの公園の明確な性格の違いや、相違を生み出す要因が分かって来るはずである。

 

(1)   那珂川河畔公園での施設を利用した活動

那珂川河畔公園にはプール・運動公園・キャンプ場がある。正直な所プール施設はお世辞にも設備が整っているとは言えないが、市営という事もあってか入場料が大人150円、中学生以下50円という激安な入場料により、夏にプールが開放されると子供は喜んでプールに遊びに行く。利用する側からすれば嬉しい限りであるが、こんな価格設定で管理していけるのか、全くもって不思議である。

キャンプ場では私が昔所属していたトライアスロンのクラブが体験合宿を開いていてそれに参加したり、母校の皆とバーベキューをした。シーズンになるとキャンプ場内は中々ににぎわっていて、インターネットで検索すると遠くからきてくれる人も居るようである。

運動公園にはトラック、サッカーグラウンドがある、母校の黒磯高等学校では運動公園のトラック〜河畔公園内の道路を校内マラソン大会の会場としており、大会当日には保護者が走った選手に対してボランティアとして炊き出しを行ってくれる、ありがたい話である。桜のシーズンにはお花見、夏には現在2年に一度であるが約2万発の花火が打ち上げられる『ふるさと花火大会』、秋口には『巻狩り祭り』など、地域のイベントの会場として使われる事が多く、シーズンごとに公園内が何千何万という人であふれ返り活気付く。

 

(2)那須野が原公園での施設を利用した活動

地元の人間にとっては那須野が原公園といえばやはりプールである、ここは流れるプール・2種類のウォータースライダー・子供用の浅いプール・25Mプール・水を発射する遊具・滑り台などのプール施設だけでなく、プールサイドに売店まであるという地元にあるそこらのプールとは段違いの充実振りなのだ。それだけあって入場料は大人1100円・高校生900円・小学生400円・3歳以上の幼児200円と割高である、その割に設備にシャワーの出が悪いなど整備が行き届いていなかったりする訳だが、栃木県北では珍しい大型のレジャープールとして好評である。

フィールドアスレチック(現在修理中のため利用不可)〔入場料大人310円・子供150円〕やわんぱく広場は子供向けの遊具がとても豊富で訪れると沢山の子供が楽しそうに遊んでいるのがよく目にする事が出来る。

また調べた所、那須野が原公園は栃木県生活環境部環境管理課の野外活動施設としても紹介されており、子供向けにクワガタ教室・一般向けに野草教室などを催し自然環境に対する学習の場所として利用されている。

余談だが、以前この公園が栃木県北での中学生駅伝大会の会場として利用される事があったのだが、コースが複雑で走りにくく道を間違える選手が出たという事があった。大会会場としてはあまり適した場所ではなかったというのが実感である。

 

(3)2つの公園の提供する余暇活動の差異

見出し2で列挙したそれぞれの公園の特色を見ると、那珂川河畔公園での余暇活動は施設を利用するにも非常に安価であり、市が全面的に催してくれるお祭りなど、市による地域への余暇サービスの提供という性格が強いと分かる。(採算取れているのだろうか?)

対して那須野が原公園は豊富な娯楽施設を備えているものの、施設を利用するのにある程度お金がかかるなど、町などに催されたイベントに利用される事もあるが、レジャー施設としての性格が強く、それにより人を集めているという事が分かるだろう。

友人に聞くとやはり河畔公園は遊びに行く場所というよりスポーツクラブや祭りなどの遊び≠ニは異なる余暇に利用する事が多く、那須野が原公園では施設を利用して遊ぶ@]暇に使うイメージがあるのだそうだ。

 

3、         まとめ

見出し1では公園が作られた経緯とその施設の特徴、見出し2ではそれぞれの公園が提供するサービスの性格の違いを見出す事が出来た。同じ公営といってもこれだけの差があり、住民の余暇活動に影響を与えているというのは実に興味深い。

今回2つの公園を調べ、双方の特徴・良い面悪い面を見た上で、どちらの公園も私は素晴らしい場所だと印象を抱いた。また、きっと住民の多くは私と同じように『もっとより良くなって欲しい。』という要望を持ちつつも、公園に愛着を持っているはずである。ただ忘れてはならないのは経営面の問題であり那珂川河畔公園ではサービスによって収益をあげよう、という姿勢が見受けられず、良くも悪くも公営様々≠ニいった経営をしているように見えるし、那須野が原公園はサービスの多様性には富んでいるものの、料金が割高で公営による社会福祉的な行政サービスの面が弱いように見える。(見出し1の末尾で述べたように市の財政状況はあまり良くないようなのでそれが正しいのかもしれないが…)

お互い他方にない利点があるもの、やはりそれだけでは十分とはいえない。那珂川河畔公園の得意とする社会福祉的な行政サービス面と那須野が原公園のサービスの多様性と採算性が両立される事で2つの公園はより住民のニーズに対応した素晴らしい公園になっていくのではないだろうか。

 

<参照サイト>2005年6月20日現在

那須塩原市HP

http://www.city.nasushiobara.lg.jp/

黒磯観光協会HP

http://www.kuroiso-kankou.org/index.shtml

那須野が原公園HP

http://www.pref.tochigi.jp/kouen/nasu/

行政視察報告書 建設常任委員会
平成16年7月27日(火)〜29日(木)

http://www.city.anjo.aichi.jp/gikai/sisatu/16nendo/kensetsu16.htm